オロロンの呪縛
西村寿行(著)
/光文社文庫
作品情報
過去を棄てた女・遠山崇子(とおやまたかこ)は、偶然出会った男と納沙布(のさっぷ)市の民宿に泊まった。ところが何者かの力で、他の三名の宿泊者とともに、突如監禁されてしまう。脱出を図る五人の男女の行く手を阻(はば)む、姿なき敵の正体は? 一方、妹の救出に北海道に飛んだ遠山直弘(なおひろ)は、そこで某大国の恐るべき陰謀を知るが・・・・・・。戦慄が疾(はし)る北の町を舞台に描く、西村バイオレンスの極致。
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商品情報
- シリーズ
- オロロンの呪縛
- 著者
- 西村寿行
- 出版社
- 光文社
- 掲載誌・レーベル
- 光文社文庫
- 書籍発売日
- 2000.11.20
- Reader Store発売日
- 2013.12.13
- ファイルサイズ
- 0.2MB
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この作品のレビュー
平均 4.0 (1件のレビュー)
-
本作の呪縛は、読後に襲ってくる
本作は、治安紊乱から始まり、徐々に戦雲立ち込める気配が濃厚になっていく。無抵抗、放心状態の美女に、醜怪な魔物達が接近する。西村寿行氏、お得意の展開だ。
迫真性は十分なのに、何故かしっくりこない。オロロ…ン鳥の鳴き声がイメージできないからだった。
そこで、読書の世界から一次帰還し、オロロン鳥のことを調べてみた。絶滅危惧種のウミガラスだという。YouTubeでその悲しげな鳴き声も確認した。
――状況が一変した。
物語の舞台となる景色が急激に色づいてくるではないか。空気の匂いまでもが実感として得られるようになる。
読後、オロロンの呪縛から逃れられなくなっている自分がいた。
本作は、フィクションである。史実とは違うはずだ。なのに、そう納得できなくなっている。モデルになったノンフィクションも一部含まれているのではないか、との疑念が払拭できない。
恐ろしい題材を取り上げたものだ。読後感自体に悪さはないのに、題材のバツの悪さには、居た堪らないものが含まれている。続きを読む投稿日:2013.12.29
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