統計で読み解く日本経済 最強の成長戦略
中島厚志(著)
/ディスカヴァー・トゥエンティワン
作品情報
日本経済はこのまま衰退に向かうしかないのか? 大転換の秘策とは?世界最下位クラスの「成長率」「輸出入比率」「財政赤字」「語学力」世界有数の「高齢化率」、際立つ「労働分配率低下」・・・・・・多数のデータから日本経済の現状と潜在力を読み解き、将来の転換の策を探る。日本の企業や人々がもっと経済合理的になって、グローバル目線を持つことになれば、政府が成長戦略など対して策定しなくても、貿易小国や経済鎖国といった経済ポテンシャルを活かせない日本の現状は激変し、経済はおのずと活性化する。経済教育は、累次の成長戦略で変えられなかった日本経済を人々や企業のマインドから変えるので、今までにない最強の成長戦略と言える。
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商品情報
- シリーズ
- 統計で読み解く日本経済 最強の成長戦略
- 著者
- 中島厚志
- 出版社
- ディスカヴァー・トゥエンティワン
- 書籍発売日
- 2013.05.15
- Reader Store発売日
- 2013.06.07
- ファイルサイズ
- 2.4MB
- ページ数
- 192ページ
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この作品のレビュー
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このレビューはネタバレを含みます
2013年刊。新しめの本も読もうということで読破。アベノミクス礼賛本に近いが、労働分配率へ言及する等、それなりに多面的な目配せをしてるよとは感じる。ただ、この種の本でいつも疑問に感じるのは、努力(特に個々人の努力)と、収益や売上とが因果関係性で結び付け得る(それゆえ、努力と対価・給与・収入とを関係させるべきだし、可能だと)ことを所与の前提とする点。中村修二氏の青色発光ダイオード裁判で露呈したように、その関係性やその程度の判断は難しい。VHS対β戦争、Mac対Windows戦争もまた然り。
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技術レベル向上に努力し、結果的に他社に勝る製品を開発しても(βの方がVHSよりも高画像だったのは余りも有名)、売上が上がらなかったら、その努力はどう評価すればよいのか。また、仮に売上げが上がったとしても、その主たる要因を何に求めたらよいのか、判別不可能である。むしろ、偶然に左右されること、時代の趨勢に偶々適合しただけということも多い。そうであるならば、努力と対価を一致させる方向ばかりの論述は眉に唾を付けるべきではないかと感じた。
プロ野球・プロサッカー選手も努力だけで判別不可。時代の趨勢や人気の程度による(露出度が高い方が良いと推測可)し、アニメや劇場映画の場合でも判別困難だろう(原作、監督、脚本、声優等演者、原画、宣伝、知名度の何れが売上増に貢献?)。ミクロの議論をマクロ的に論じて平然とする点は??である。また、著者は米国金融教育を是としている。勿論学ぶべき点はあるが、米国教育(預貯金の重要性を強調)の結果、米国の貯蓄率が上がったとは寡聞にして聞かない。せめて社会統計学的(重回帰)分析を踏まえるべきだが、等閑視。粗雑な論かも。
ただし、ディベート教育への言及は首肯。高校教育のありようが問われる気がする(ホント3年で十分なのかな)。投稿日:2017.01.23
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