岩崎弥太郎と三菱四代
河合敦(著)
/幻冬舎新書
作品情報
三大財閥中、三百年以上の歴史を持つ旧家の三井・住友に対し、三菱は明治の動乱に乗じて短期間で巨万の富を築いた特異な会社である。坂本龍馬の遺志を継いで海運業を起こし、権謀術数を駆使してわずか五年で頂点を極めた政商・岩崎弥太郎。日本初のビジネス街・丸の内を建設した二代目・弥之助。戦争景気で業績を伸ばし、昭和の大不況を勝ち残った三代目・久弥と四代目・小弥太。時代に即した巧みな経営術と、現在も続く財界随一のグループ結束力で成り上がった一族、岩崎家四代のビジネス立志伝!
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商品情報
- シリーズ
- 岩崎弥太郎と三菱四代
- 著者
- 河合敦
- 出版社
- 幻冬舎
- 掲載誌・レーベル
- 幻冬舎新書
- 書籍発売日
- 2010.01.01
- Reader Store発売日
- 2013.05.24
- ファイルサイズ
- 0.3MB
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この作品のレビュー
平均 3.6 (77件のレビュー)
-
僕は日本史専攻ではない歴史音痴。
三菱の創業者ということ以外
何も知らなかったので読んだ。
坂本竜馬との出会いや
海運事業を通じて
三菱を興した弥太郎。
その海運事業から
日本の将来のために
撤…退し他の事業を
多角的に展開させた弥之助。
この2人のエピソードは
特に目を見張るものがある。
日本人に明治維新から
文明開化時代を生きた志士たちを
好きな人が多い理由に納得。続きを読む投稿日:2010.10.17
このレビューはネタバレを含みます
タイトル通りの三菱四代についてコンパクトにまとまった作品。
レビューの続きを読む
四代と言いますが、ページの配分的にはざっくりと、初代の弥太郎が65%、その弟で二代目の弥之助が25%、残り10%が三代目四代目の記述、とい…ったところ。
・・・
初代弥太郎の記述が中心なので当然ですが、弥太郎のやらかしが目につきます笑
血の気の多さとか、遊郭通いとか、公金使い込みとか。
初期の事業である商船時代の社訓で『俺の会社だー、儲けも損も全て俺の責任だからなー』(P.88)みたいなことを書かれているようです。経費の請求でレシートを白紙に貼り付けて請求しているのを見て激怒しているという逸話もありました。コスト意識の強さの観点を強調してのことだと思いますが(今なら裏紙使用はコンプラや情報漏洩的に問題になりそうですが)。
初代弥太郎は、ケチというよりも、オーナーシップという言葉で形容したほうがしっくりしそうです。マイクロマネジメントと言えなくもないですが、全て自分事としてオーナーシップをもって仕事していたと。
そのような姿はきっとエネルギッシュで、魅力のある方だったのだと思います。
・・・
感心するのは二代目の変わり目の速さ。
商船事業で政府系企業との消耗戦の末、三菱商船合併を画策。合併企業からは手を引き新たに三菱社を創設。こちらが今の三菱系列の元となっていることになります。
鉱業(銅)、炭鉱、造船・重工業、銀行など現在の三菱グループの中心的企業がこの時代につくられた模様です。
このドラスティックな変化を前に二代目の胸に去来したものは何だったか、少し知りたくなりました。
・・・
もうひとつだけ。
筆者がしきりに岩崎家を持ち上げて『国の為という精神がすばらしい』『公共心がある』的なことをいっているのですが、やや時代錯誤的に感じました。
会社は、よりお金があるところに目を向ける、個人的にはそれだけだと思います。
但し、公共心とか、(少なくとも)大衆への言葉が語れるかたでないと、大成することは難しいのかもしれませんね。
・・・
ということで三菱グループのアンチョコ系歴史本でした。
学生さんが就活で使いそうなハンディな厚さですが、サラリーマンがちょっとした勉強で読むのにも適しているかもしれません。続きを読む投稿日:2024.01.13
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