だからあれほど言ったのに(マガジンハウス新書)
内田樹(著)
/マガジンハウス
作品情報
不自由で、貧しく、生きづらい――
この国の不出来なシステムを
悪用するか、逃げ出すか、それとも……
ウチダ流「日本人論」最新刊!!
失われた30年で「不自由な国」になってしまった日本。
新自由主義の迷走ぶり、経済格差や税の不均衡、少子高齢化、低レベルな政治、大手企業の不祥事など問題が山積となっている。
社会全体に諦観が蔓延しており、一般市民は不自由さをも感じているが……。
「不自由な国」への警告の書!
<項目>
★“大人”が消えている ――日本の危機
★ アメリカの顔色をうかがう日本政府の悲哀
★ 属国の身分を利用するか、そこから逃げ出すか
★ 食文化は「経済」ではなく「安全保障」
★ 日本の「ダメな組織」の共通項
★ 「21世紀の囲い込み」を目指す、現代の資本主義
★ 村上春樹が描く「この世ならざるもの」
★ 自然と文明社会の「境界線」を守る
★ 人生は「問題解決のため」にあるわけではない ……etc.
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この作品のレビュー
平均 4.5 (4件のレビュー)
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紐解き始めると頁を繰る手が停められなくなり、素早く読了に至った。読後に、本書で話題にしていた様々な事項に関して頭の中に浮かんで巡っているかのような感じがする。余韻が深い内容だと思う。
本書は、著者が様…々な形で発表した文章、或いは講演活動を盛んにしているようなので、その講演記録という場合も交じるようだが、出自が異なる色々なモノを集めて生まれた一冊であるようだ。とは言っても、一冊に纏めるに際しての加筆等々の作業は入念に行っているらしい。そういうことなので、何処かで「色々な形で発表された文章を集めた?」と感じながらも、「幅広い話題に関して綴った一冊のエッセイ集」というようにも感じられた。
本書で取上げられている話題は「社会と個人」、「個人の人生」、「現在を生きる世代と未来を担う世代」というような事柄に収斂されるように個人的には思った。そして“主流”となっているらしいような観方、傾向への異議や疑問を申し立てながら「こういうものなのではないか?」を説いてみようとしているような感を覚えた。
「第1部」は「社会」ということに対しての観方、考え方という要素が強く、「第2部」はもっと「個人」に関する考え方という要素が強いように見受けられた。結局「一個人」は「社会」を見渡しながら「個人」の内側を見詰めて考えるものなのだということかもしれない。
より大きな声で聞こえて来るような主張、論調というモノが在って、そういうのが所謂“主流”だ。そして何かの様子を観ていて、「最近はこういうような様子に?」と見えるモノが在って、そういうのが“傾向”だ。多くの場合、“主流”や“傾向”の中に然程の疑問も抱かずに入り込んで流されているのかもしれない。が、“主流”や“傾向”に関して「本当に正しいのか?」と各々が独自に考えてみることが大切で、そういうところからより幸福な何かが見出され、それを掴み得るというのが著者の伝えようとしている事柄なのかもしれない。
豊富な話題が供される本書であるが、「貧乏」と「貧乏くささ」との差異という論、「境界線」という論、「愛しようとすること」に対する「傷つけないようにしようとすること」という論など、幾つも強めに記憶に残る話題が在った。
殊に「境界線」という論である。考え方の明らかな違い、立場の違いで「境界線」を明確化するばかりでも、何かが如何なるのでもない。寧ろ「境界線」の逆側に在る人達が、線を越えて向かってくるというような可能性を排除しないべきだというような論だった。色々な事柄で「言い得て妙」なのではないかと思った。
色々な形で、著者は「もう少しこうなのではないか?」という論を世の中に向かって問いかけ続けて来た。それでも何やら「閉塞感」のようなモノに包まれているような気分が拭えない。そういう中で「だからあれほど言ったのに…」という句が漏れ、それを本書の題名としてみたのであろう。
何か、漫然と考えていて形が定かでも無かった事柄について、本書を読んでみて論客が与えられたというような感じで、読後の満ち足りた感じも少し大きい。
自由に考え、自由に想像を試みる人達が見受けられる穏やかな社会に、無限の可能性を否定されない子ども達が徐々に入って行くというような様子を、著者は善いと考えているのかもしれない。全くそのとおりだと思う。本書のような材料も得ながら、人は自由に色々な事を考えるべきだ。御奨めしたい一冊との出逢いに満足している。続きを読む投稿日:2024.05.06
改めて本を読んで視野を広げることの楽しさを感じました。人生には、即決できないことの方が多いような気がするので、周りに多大な迷惑をかけない程度に大いに悩んで喚いたりしながら、考えていこうと思います。
投稿日:2024.04.28
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