教育観を磨く 子どもが輝く学校をめぐる旅
井藤元(著)
,苫野一徳(著)
,小木曽由佳(著)
/日本能率協会マネジメントセンター
作品情報
【内容紹介】
本書では、気鋭の教育学者・井藤元と苫野一徳が注目する国内の個性豊かな4つの小中学校を紹介する。
・北九州子どもの村小学校・中学校(福岡県)
・伊那市立伊那小学校(長野県)
・三河サドベリースクール・シードーム(愛知県)
・横浜シュタイナー学園(神奈川県)
各学校から1名の先生にナビゲーターを招き、インタビュー進行を小木曽由佳が行い、その上で井藤・苫野が切り込む。問いをぶつけ合いながら、各学校で大切にされる価値をすくい取り、生きたまま読者の前に誘い出す。
これらの学校は、いずれも子どもの個性を何より重んじ、独自の教育理念に基づきながら、特色ある教育実践を行っている。「自由」「対等」「対話」「子ども主導」「自(おの)ずから」などなど、共通するキーワードが散りばめられつつも、その日々の実践は、じつに多様である。
そこで本書では、ナビゲーター役の先生が日々子どもたちに向き合う中で大切にしている点、実感している魅力や葛藤について、たっぷりと語っていただき、最後に井藤・苫野が対談を通じて教育学的見地から4校の実践を振り返る。
「自分が経験してきた教育とは異なる教育の世界がある」
教師を目指す人、教育に関わる多くの方にそう感じていただき、教育観に磨きをかけていただくことを目指す一冊。
【目次】
旅立ちの前に
はじめに
第1章 北九州子どもの村小・中学校~一人ひとりがみんなと自由に~
第2章 伊那市立伊那小学校~子どもは自ら求め、自ら決め出し、自ら動き出す~
第3章 三河サドベリースクール・シードーム~自分のことは自分で、みんなのことはみんなで
第4章 横浜シュタイナー学園~子どもは自分の課題をもって生まれてくる~
第5章 教育観を磨くということ
おわりに
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商品情報
- シリーズ
- 教育観を磨く 子どもが輝く学校をめぐる旅
- 出版社
- 日本能率協会マネジメントセンター
- 書籍発売日
- 2023.12.01
- Reader Store発売日
- 2023.12.01
- ファイルサイズ
- 6.6MB
- ページ数
- 232ページ
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この作品のレビュー
平均 5.0 (2件のレビュー)
-
苫野さんが紹介していたので予約して読んだ。やはり伊那小学校はすごい。公立でこれだけのことをしているのがすごい。伊那小に入学したいからと移り住む人もいるようだが、もともとそこに住む子どもたちが入学してい…るわけだ。それが当然のこととして受け入れているわけだ。また教員も他から単に異動してくるわけだ。それほど志があってというわけでもないだろう。そのときにどうなるのか。楽しくなる人もいれば、しんどくなる人もいるのだろうな。でも、当然校長も何人も交代してきたであろう中で、こういう実践が続いてきたというところがすごい。私立ならばある程度分からなくもない。その学校の指導方針に共感してやってくるわけだから親は納得済みなわけだ。それに対して、しっかり授業料も払うわけだし。しかし公立である。きっと先々のことを不安がる保護者もいることだろう。それでも続いてきた、そこがすごい。すごい、すごいと何をしているかは全く触れていないが、要するに総合学習ばかりしているという感じなのだろうか。その中で、教科学習をうまく盛り込んでいく。これは、なかなかに手間のかかることだ。教科書通りに教える方がよっぽど楽なわけだ。僕なんかはそういう意味で全く苦労せずに30数年指導してきたことになる。一度だけ最初から自分で組み立てて授業を作ったことがあるが、まあ大変な労力であった。それから、シュタイナーについて。これはもう、寺町にあった三月書房などに行くと、1つの棚にどんとシュタイナー関係の本が並んでいたが、なんだか神秘的な感じがするわけだ。ところが、僕が最初に勤務した職場で数ヶ月だけ一緒に働いていた方が、留学し、後に京田辺のシュタイナー学校を立ち上げられた。図書館でそのノートの展示会なども見た。そういうこともあり、若干興味はあった。演劇などを取り入れるのは面白そうだが、絵を描くとかは僕には無理だな。でも、学童くらいならちょっと関わってみたいな、なんて思ったりもする。どの学校にしても共通して心配なのは卒業生のその後のことだろうな。大学まで行ってしまえればあまり問題にならないかも知れないが、通常の中学校や高校に通うとなると適応が難しそうだな。とは言え、本当はこのオルタナティブがオーディナリーになっていくことが大切なのかもしれない。すると先生の仕事はどうなるのか。いまはブルシットな仕事が多いからブラックになっているわけで、そうでなくなれば忙しくても楽しくもなるのかな。まあ、人によるのだろうな。そして、共通して必要と言われる「対話」。大事だとは思う。思うけれども苦手だな。とにかく時間がかかる。特に意見が食い違ったときなど、対話をして歩み寄っていければいいのだけれど、すぐにあきらめてそこから逃げようとする。時間が確保された会議の場面などならまだしも、ふだんの業務の中で言うと、早くBSJを済ませて、早く帰りたい。そう思ってしまう。昔はそうでもなかったかなあ。あと1年と思って、つい消化試合に走ってしまう。でも、また新たなスタートである。対話をもっとできるように、時間を確保できるように、システムを変更していこう。もう一つ、テストがないということについて。池谷裕二さんが「テストは最強の学習ツールである」と言っているし、僕自身もそう確信している。評価のためのテストはなくてもいいわけだけれど、テストをすることで記憶を強固にしていくことができる。学習者自身がミニテストをたくさん作っていってもいいのだが、低学年にそれは無理だろうし。その辺どうなんだろう。知識を身につけるということについてあまり重視されていないかもしれないが、思考を深めるためには知識も必要だろうし、そのあたりはどうだろう。敷かれたレールの上を何も考えずに進む方が楽かもしれないが、でも自由に自分で道を切り開いていく場合、楽な方に楽な方に進むということはないのだろうか。いや、きっと自由にさせるとそうはならないのだろうな。苦しいことを乗り越えた先にしか見えないものがあると僕自身は思うのだけれど、子どもたちは導かれなくても自然とそういうコースをたどるのかもしれない。人間に本来そなわっているはずの好奇心を信用してみよう。定年後、2月、伊那小学校をのぞいてみたい。続きを読む
投稿日:2023.12.10
これもとてつもなく素敵な本。
こういう学びがあることを知ることがまず大切。世の中に見える形にしてもらえて感謝です。投稿日:2024.02.14
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