純文学とは何か
小谷野敦(著)
/中公新書ラクレ
作品情報
芥川賞と直木賞の候補作選びにはじまり、村上春樹はノーベル文学賞をいつとるのか、など、季節ごとに繰り返される文学的時事ネタがある。話題の根底にあるのは、「文学」そのものへの関心であり、境界がみえなくなりつつあるといわれる「純文学」と「大衆文学」の違いである。しかし、本当に「純文学」と「大衆文学」の区別はなくなったのだろうか。
日本における「純文学」と「大衆文学」それぞれの歴史を、過去の具体的な作品をとりあげながら考察する。また、専門分野である比較文学の立場から、ノーベル文学賞をはじめとする海外での文学賞のあり方や、とくに特徴的な英語圏における「文学」の定義づけ、そして映画、コミック、ラノベなどのジャンルにおける今日的「文学」のあり方を描く。
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商品情報
- シリーズ
- 純文学とは何か
- 著者
- 小谷野敦
- 出版社
- 中央公論新社
- 掲載誌・レーベル
- 中公新書ラクレ
- 書籍発売日
- 2017.11.10
- Reader Store発売日
- 2023.06.30
- ファイルサイズ
- 1.9MB
- ページ数
- 224ページ
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この作品のレビュー
平均 3.0 (12件のレビュー)
-
このレビューはネタバレを含みます
文学と大衆小説があるというのを知ったのは予備校の現代文の授業で、人によって定義があるようだ。この本では「純文学」に限っては、明確に私小説に限定していてとてもすっきりする。「文学」と「純文学」でまた違うのかもしれない。ノベルズを出版すると、純文学作家に入れてもらえないといった因習があるのが面白かった。
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外国の小説家の名前や作品が列挙されているところはさっぱり分からなくて、注釈があったらいいと思ったけど、ちょっとした注釈なら分からない上に読むのが面倒になるので、これでいいのかもしれない。
※著者ご本人より指摘いただき、「私小説」に限定はしていないそうです。また、ノベルスを出した作家は「純文学作家に入れてもらえない」のではなく直木賞が取れないとのことでした。うろ覚えで適当な感想を書いてしまい、失礼しました!!投稿日:2017.12.10
「芥川賞と直木賞の候補作選びにはじまり、村上春樹はノーベル文学賞をいつとるのか、など、季節ごとに繰り返される文学的時事ネタがある。話題の根底にあるのは、「文学」そのものへの関心であり、境界がみえなくな…りつつあるといわれる「純文学」と「大衆文学」の違いである。しかし、本当に「純文学」と「大衆文学」の区別はなくなったのだろうか。
「母子寮前」で第一四四回芥川賞(平成二二年下期)、「ヌエのいた家」で第一五二回芥川賞(平成二六年下期)の候補になったこともある著者が、『久米正雄伝』で「純文学では食べていけない=純文学余技説」を論じ、『芥川賞の偏差値』で詳細なデータブックをつくり、いま、満を持してはなつ、「純文学とは何か」。
日本における「純文学」と「大衆文学」それぞれの歴史を、過去の具体的な作品をとりあげながら考察する。また、専門分野である比較文学の立場から、ノーベル文学賞をはじめとする海外での文学賞のあり方や、とくに特徴的な英語圏における「文学」の定義づけ、そして映画、コミック、ラノベなどのジャンルにおける今日的「文学」のあり方を描く。」
目次
第1章 上下関係
第2章 詩の優位
第3章 日本文学史の中の純文学
第4章 日本の「歴史小説」
第5章 謎の直木賞
第6章 英国小説の謎
第7章 少女小説と児童文学とラノベ
第8章 韻文・映画・音楽の純・通俗
第9章 私小説について
終章 未来の「文学」
著者等紹介
小谷野敦[コヤノアツシ]
1962年(昭和37)茨城県生まれ、埼玉県育ち。東京大学文学部英文科卒業、同大学院比較文学比較文化専攻博士課程修了、学術博士(比較文学)。続きを読む投稿日:2024.05.09
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