原訳「法句経(ダンマパダ)」一日一悟
アルボムッレ・スマナサーラ(著)
/佼成出版社
作品情報
原訳「法句経」シリーズ第2弾! 1日たったの3分、4週間でブッダの悟りがあなたのものに――スマナサーラ長老が再び「強く・賢く生きるための仏教」を説き明かす。
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商品情報
- シリーズ
- 原訳「法句経(ダンマパダ)」一日一悟
- 出版社
- 佼成出版社
- 書籍発売日
- 2005.11.30
- Reader Store発売日
- 2023.02.01
- ファイルサイズ
- 0.8MB
- ページ数
- 232ページ
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この作品のレビュー
平均 3.8 (5件のレビュー)
-
p117
人間はいつも自分の都合によって、善行為と悪行為の基準を変えてしまうのです。だから、世の中で一番の悪行為は何かという答えについては、やはり賢者に聞かないといけないのです。そこで、賢者たるブッダ…の答えはなんでしょうか。一番の悪行為は、「うそをつくことだ。事実をねじ曲げることだ」と教えています。キーワードは情報です。人間は言葉を使ってコミュニケーションをし,情報を交わして生きています。人間にとって情報というのは,いのちと同じように大事なものです。
p119
情報をねじ曲げること。それは数ある罪の中でもっとも大きな罪だと見なすべきです。わかりやすく言えば「うそをつくこと」がもっともいけない行為だということです。どんな罪でも、まずうそをつくことから始まるからです。うそは「罪の親分」なのです。
p135
何もかもやろうとするのは、ただ智慧がないというだけのことです。何もかもするのではなく、自分の本業をしっかりとやり遂げること。それで他のことができなくなってもかまいません。怠け者に限って、何もかもやりたがるものです。「怠ける」という言葉の本当の意味は何か。それは「やるべきときに、やるべきことをやらないことだ」ということ。
p142
私たちは智慧を完成していない無知な人間にすぎませんから,物事を決めるにあたって,楽しいか苦しいか,好きか嫌いか,という基準に従っていたら絶対にだめなのです。そんな感情の誘惑に負けてしまったら、どんどん苦しくなるだけです。人生に失敗し、ものすごく不幸になるだけなのです。だから私たちはしっかりと覚悟を決めなければなりません。生きている間は,「楽しいことをやろう」とか、「やりたい仕事をして生きていこう」とか、そんな選択はあり得ないのです。やりたい仕事など見つかるはずがありません。そんな幻を追い求める暇があったら、今できる仕事をすることです。「やりたい仕事」ではなく、「できる仕事」をするのだ、と腹を決めてみてはどうでしょう。もし、今の自分の実力でできる仕事がないのなら,努力をして仕事ができるようになればいいのです。人間は常に変わることができます。頭の中のプログラムから「好き嫌い」の基準を取り除いてしまえば、人生は成功します。私たちが楽しいとか苦しいとか言っている間もなく、世の中は時々刻々と変化していきます。自分自身をその変化に合わせて、そして好き嫌いという基準を捨てて、常に行動していかなければならないのです。
p145
世の中で最も恐ろしく危険な火は性欲(ラーガ)であると、ブッダは説かれています。(中略)生命に性欲が入ると,思考も価値観もおかしくなってしまう。道徳はひとかけらもなくなって、燃えた状態になる。その変化があまりにも強烈だから火にたとえられているわけです。その火が燃え盛る原因はこころにあります。性欲は肉体的、生物学的な原因で起こるわけではなく、人のこころが生み出すものです。性欲は煩悩の一つで、あらゆる精神的な病気は性欲に絡んで発症します。煩悩の中でも特にたちの悪いものなのです。(中略)仏教では人間の若者が肉体的に異性と交わることを怒っているわけではありません。ただ「火は用が済んだら消すものです。ずうっと燃やすものではない」と言っているのです。人間だけは、性欲を死ぬまで燃やして生き続けてしまう。燃やすためにあれこれと工夫をする。(中略)そんなに興味がない人でも、見るものによって、聞くものによって、突然、頭の中で性欲の炎が燃え上がる可能性はあります。だから実際の火を扱う場合と同じく、かなり気をつけた方が身のためなのです。火はほんの少し扱い方を間違えただけで、すべてを焼き尽くしてしまいます。特に若い人々も、性欲に対しては、「これは火と同じなんだ」と覚えておけば、自己管理はできると思います。
p152
人間とは幸福になりたくて、幸福とは反対の方向に走っています。(中略)自分の外側に幸福を追って走っています。しかし、苦しみが外にはないのと同じく、楽しみも外にはありません。自分が苦しみであるならば、楽しみも自分から生まれなければいけないのです。幸福とはこころが平安であること、「欲しい、欲しい」という渇愛がないことです。欲しいという気持ちに燃えて、外へ向かって走り回る状態が消えたとき、こころは平安になります。それこそが究極の「楽」なのです。
p182
ブッダは説かれています。「刑罰は、人間(生命)のいる社会に必ず現れてくる不純物のようなものです。慎重に扱わなければいけない。公平さを保たなければ危険です」と。生命のコミュニティではお互いの利益を守るため、自然に刑罰制度が生まれてきます。だからこそ、慎重に扱わなければいけないのです。とは言っても,簡単なことです。「罰を受ける側がきちんと納得しているのか」という点に気をつければいいのです。納得させられないのなら、刑罰制度の使い方をどこか間違っているのです。(中略)ダンマパダの137から140では、罰を与えてはいけない人に罰を与えたらどうなるのか,ということを教えています。社会の中でも家族の中でも,一人が不公平なことをしてしまうと,互いの関係が崩れて喧嘩をし,不幸に陥ってしまう。殺し合いに発展する可能性もある。国内で派閥に分れて争って、人殺しも次から次へと起こる。対立が国同士に広がると戦争になる。平和の崩壊は,刑罰の不公平から起こります。刑罰に対するアプローチは,公平という微妙なポイントに気をつけなければいけません。
p203
病気の中で,最も恐ろしいものは食べ物のない状態「飢えと空腹感」だと、ブッダは言われています。(中略)他の病気には根治療法がありますが、飢えと空腹感には完全な治療法がないということです。だから、ずうっと死ぬまで食べ続けなければいけないし、「食べる」という対症療法で一時的にしのぐことしかできないのです。
p224
競争原理の上に何が成り立とうとも、社会は非常に不安定です。だから成功者がたくさんいるならば、それだけ社会は不幸になる。そういう大きな矛盾を抱えているのです。成功者が派手に成功を収めるほど、どんどん不幸な人々が増えてしまう。みんなが成功者に嫉妬して、すきをみつけては攻撃しようとします。世の中が決して平和にならないような矛盾したやり方によって、私たちは幸せな人生を手に入れようとしているのです。この矛盾を解決する方法は、やはり人格を育てることが一番大事なのだ、と決めることなのです。やさしさと思いやり、そして、人のことを心配する気持ちをはぐくむ。自分が得る知識であろうが名誉であろうが財産であろうが、それをみんなのためにも使おうと努める。仲良くするために、調和のために、共存して生きるために使おう、という気持ちがあれば、この競争原理はなくなってしまうのです。その代わりに「自分に挑戦する」という道が出てきます。自分自身でどんどん自分の能力を向上させて、同時にみんなにも協力してあげる。そういう人が人の上に立ち、さらに上へ上へと進んでいけば、だれからも感謝されます。その人を支える人々の輪も大きく広がっていきます。だれかを踏み倒しながら頂点をめざしているのではありませんから、敵対する人もいません。そういう成功者ならば、世の中にいくら増えてもありがたいのです。続きを読む投稿日:2009.12.14
インターネットは有象無象の劣情に満ちている。普段はおとなしく、上司に向かって意見すらできないような連中が、殺伐とした書き込みを繰り返す。激越な調子で攻撃を加える引きこもりや、理詰めで他人の足を引っ張る…キモオタが各所にいる。溜まりに溜まったストレスや行き場のない不平不満の矛先を虎視眈々と狙う。コメント欄の炎上に油を注ぎ、祭りと称して誹謗中傷することに生き甲斐を感じるような手合いがいるのだ。そして彼らは変わらぬ日常に引き戻される。
https://sessendo.blogspot.jp/2016/06/blog-post_5.html続きを読む投稿日:2016.06.05
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