謀略と捏造の二〇〇年戦争 釈明史観からは見えないウクライナ戦争と米国衰退の根源
馬渕睦夫(著)
,渡辺惣樹(著)
/徳間書店
作品情報
釈明史観(先勝国史観)からの脱却
ウクライナ侵攻は、「民主VS専制」または「西側VS新興国」と世界を二分させた。
国連も国際司法裁判所も機能不全をあからさまにし、それでも捏造と歪曲のプロパガンタが世界を駆け巡る。
都合良く書き換えられた近現代史を、掘り起こされた歴史的事実から見直し、メディアが伝えない2022年11月のアメリカ中間選挙での混乱とウクライナ戦争の顛末をふまえ、2023年以降世界情勢を予測する。
行き過ぎたアメリカの左傾化とポリコレは解消されるのか? ウクライナ紛争の虚実とは?
元ウクライナ大使・馬渕睦夫氏と日本近代史研究家・渡辺惣樹氏、ふたりの知見がクロスし、真の保守の姿も見えてくる。
「ウクライナ戦争」の正体はプーチン潰しであり、ウィーン会議以降、二〇〇年以上に及ぶ「国際金融家vs.ロシア」の最終戦争である、という見取り図を示したいと思います。
その大きな転換点は三つあります。第一はウィーン会議、第二にアメリカ南北戦争、第三はロシア革命です。これらは一本の線でまっすぐウクライナ戦争に結ばれているのです(馬渕睦夫)。
冷戦後の世界史を動かしたのは、アメリカの「ネオコン」だったと言っても過言ではありません。
「アメリカ例外主義」と定義されるように、「アメリカは神から野蛮国を啓蒙する義務を与えられた特別な国である」と過信している勢力です。
また他国への「干渉主義者」であり、実際多くの戦争を引き起こしてきました(渡辺惣樹)。
第一章 国際金融家vs.ロシア二〇〇年戦争
第二章 ナポレオンと「哲人政治」の本流
第三章 ヨーロッパを脅かした新興国アメリカ
第四章 世界大戦を仕掛けたチャーチルの闇
第五章 操り人形ウィルソン大統領の大罪
第六章 ドイツの英雄だったヒトラー
第七章 仕組まれたアメリカ解体が生んだトランプ
第八章 プーチンは誰と戦っているのか
第九章 二〇〇年戦争の行方
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まえがき 渡辺惣樹
第一章国際金融家 vs.ロシア二〇〇年戦争
なぜかくも陰謀論と歴史修正を恐れるのか
陰謀と策略は世界の常識
実は二〇〇年以上続いている”戦争”
中央銀行を拒んだアレクサンドル一世
…なぜリンカーンは暗殺されたのか
民間ではなく国家の中央銀行をつくったロシア
ロシア革命の本質は「ユダヤ革命」
「操り人形」のウッドロー・ウィルソンにつくられたFRB
ついに国際金融家の軍門に下るロシアとアメリカ
アメリカ弱体化で使い捨てられた「ソ連」
第二章ナポレオンと「哲人政治」の本流
プラトンの「国家」を耽読したナポレオン
歴史を変革したナポレオンの偉業
革命から哲人政治へ
なぜ「哲学者」は軽視されるのか
哲学者と独裁者
民主主義では世界わからない
ヨーロッパの哲人政治を見よ
要するにヨーロッパの「戦争」というのは、捕虜はとらず全員虐殺し、略奪をほしいままにする。
中国に孔子が説いた「論語」の世界がないように、ヨーロッパに国際法の世界が本当にあるのか、まことにあやしい。
高山正之さんが詳しく書いてますが、バターン死の行進は虐待でも何でもありません。長距離をゆっくり移動しただけのことです。原爆投下という未曽有の虐殺を糊塗するために、日本軍の行為をどうしても非道に宣伝する必要に迫られた。欧米文化特有の二重の心理構造がある。自分達は捕虜を虐殺しておきながら、捕虜をとった日本に対し虐待したといまも批判する。
本当に人種差別がひどい。別人種に対しては何をしても許されるという感覚がある。会田雄次の「アーロン収容所」に書いてある通りで人間扱いしない。
ナポレオンの時代も捕虜虐殺は当然のことであって、みながそうしていたからしないように国際法を定めたわけでしょう。
この彼我の差は指摘しておきたいです。
第三章ヨーロッパを脅かした新興国アメリカ
ヨーロッパとアメリカの関係を掘り下げる理由
イギリス協調に転換したナポレオン三世
イギリスはずるい
英米戦争を仕掛けたのはイギリスかアメリカか
自由貿易帝国主義者と保護貿易主義者の戦い
領土交渉は金で解決するのが賢いやり方
外務卿の沢宣嘉は、アメリカのスワードに「占有の正当性で議論するよりも金で買った方が後顧の憂いをつくらない」、と教えられた。
アラスカもフィリピンも買ったことにしている。
会議は踊ったほうがいい
ロシアを狙うのコンの野望は失敗する
第四章世界大戦を仕掛けたチャーチルの闇
どうしてアメリカが参戦しなければならなかったのか
「バルフォア宣言」がなされた理由
誰もイギリスが参戦するとは思っていなかった
チャーチルとロスチャイルド
参戦を阻止できなかったロスチャイルド
これは真面目な話ですが、男と女の関係を見ないと歴史は書けない。
世界大戦はどこまで仕組まれたのか
第五章操り人形ウィルソン大統領の大罪
ウィウソンに裏切られたドイツ
ウィルソンのキングメーカー
チャーチルとも親密だったバーナード・バルーク
バカな大衆の洗脳を当然視するウォルター・リップマン
非現実的な賠償金額
ベルサイユ条約が調印されたのは一九一九年六月二八日、この日が5年前に大戦勃発の引き金となったオーストリア皇太子が殺された日でした。東京裁判でA級戦犯とされた指導者たちの処刑の日を皇太子(現上皇陛下)の誕生日に選んだように、欧米は日付設定にも悪意を込める。
英米のドイツへの激しい憎しみは、非現実的な賠償金請求からもわかります。
大戦をアジアに波及させなかった日本の貢献
人種差別主義者だったウィルソン
アメリカの若者の命を奪ったウィルソンの罪
第六章ドイツの英雄だったヒトラー
一九三八年で死んでいたらドイツ史上最高の政治家だった
ナチスドイツの目覚ましい経済復興
反ユダヤ主義ではなく反共産主義
国際金融勢力の逆麟に触れたヒトラー
ソ連承認は世紀の愚策
強欲で自壊したチェコスロバキア
フランクリン・ルーズベルトの愚策
ヒトラーを追い詰めたドイツ系移民の虐殺
ドイツ版とアメリカ版のニューディール政策の相違
ヒトラーが鉄人政治家だった可能性
弟七章仕組まれたアメリカ解体が生んだトランプ
日本とドイツの敗戦で台頭したソ連
地球上で「共産主義」とは共存できない
蒋介石が暴露する共産党の実態
毛沢東の「独裁者宣言」
八百長というべき冷戦時代
マッカーサーの回想
アメリカとソ連の結託
ベトナム戦争中、ソ連に援助したアメリアk
アメリカ人がいなくなったアメリカ
第八章プーチンは誰と戦っているのか
ゴルバチョフがトドメを刺したソ連崩壊
冷戦後の世界史を混乱させたネオコン
ネオコンの教祖レオ・シュトラウス
独裁者か鉄人か?
キッシンジャーがつくった「ペトロダラーシステム」
ロシアを取り戻すプーチンの戦い
干渉主義者 vs. 孤立主義者
なぜアメリカは中国に甘かったのか
第九章二〇〇年戦争の行方
選挙で民意が反映されないアメリカ
フロリダ州で起きたレッドウェーブに注目すべき
CNNは社長がジェフ・ザッカ―からクリス・リヒトに替わって以来、極左アンカーがどんどんクビになっています。
グローバル勢力に対峙し続けるプーチン
英米と欧州の乖離
アメリカの代弁者に過ぎないゼレンスキー
ノルドストリーム爆破は英米の仕業か
アメリカはプーチンに核を撃たせたがっている
「ウクライナ」の正体
ゼレンスキーにも利があったアゾフ大隊の壊滅
ロシアとボタンの掛け違いは江戸時代から
日英同盟は日露戦争のお膳立て
極左化する世界
欧州の右傾化が問題にされていますが、実態は逆で世界は明らかに左傾化している。その急先鋒がアメリカで、日本も追随している。今やロシアだけではありませんか、自国の国民と文化と伝統を大切にしている国は。
言論の自由を守る二つのプラットフォーム
FacebookやYouTubeなど世界で言論弾圧が進む中、言論の自由を守る。
一つは「ランブル/Rumble」もう一つがTwitterを買収したい―ロン・マスクの存在です。
ツイッターを買収したい―ロン・マスクは、すごい哲学を持っていますね。人類の文明、伝統と言っていいかもしれませんが、それを守るためには自由な言論のプラットフォームが必要であるという、本当の意味でのビリオネアの夢と役割を果たそうとしています。
自分の頭で考えられる人が本当の「保守」
あとがき 馬渕睦夫
渡辺さんは「歴史の細部を見ることで大きなうねりも見えて来る」とするミクロ的アプローチ。私は、「大きな流れを把握した上で、適宜細部で補強する」マクロ的手法を旨としてる。
本書に取り上げられている人物や出来事を、ところどころ調べながら読みました。続きを読む投稿日:2023.11.02
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