静岡県の片田舎に、石川豊太は呱々の声をあげた。生まれたとたん、とりあげ婆に3本の指を突きつけたという大物である。小学校は開校以来の秀才で通し、村の神童を謳われた。そして豊太も今や17才の春を迎え、あり余る野心と精力を、ひたすら牝山羊を相手の自涜で消化していた。しかし或る日、耳よりな話が転がり込んで来た。小学校の代用教員に採用が決まったのである。教員を踏台に、ゆくゆくは東京に出て行こう。豊太の野望はふくらんだ。――金と女と酒に人生を賭け、なりふり構わず世間をのし渡って行く痛快児を描く、異色の長篇小・・・
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石川豊太は、いよいよ東京に出て来た。欲の修羅場への挑戦である。法律事務所にもぐりこみ、経済界の裏街道を泳ぎわたる術をとっくり勉強した豊太は、事務所を飛び出すと、あの手この手で小金をつかみ、陣笠不動産会社を設立した。これから後は、とんとん拍子に事は運び、豊太の夢は、ついに「日本一の不動産会社」にまで膨らんだ。もちろん、酒と女も怠りはなく、女にモテモテ、金にもモテモテ、幸運の星は加速度に光を増した。しかし、その豊太にも、たった一つもの足りないものがあった。それは……。豊太の立志伝、完結篇! <上下巻>
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静岡県の片田舎に、石川豊太は呱々の声をあげた。生まれたとたん、とりあげ婆に3本の指を突きつけたという大物である。小学校は開校以来の秀才で通し、村の神童を謳われた。そして豊太も今や17才の春を迎え、あり余る野心と精力を、ひたすら牝山羊を相手の自涜で消化していた。しかし或る日、耳よりな話が転がり込んで来た。小学校の代用教員に採用が決まったのである。教員を踏台に、ゆくゆくは東京に出て行こう。豊太の野望はふくらんだ。――金と女と酒に人生を賭け、なりふり構わず世間をのし渡って行く痛快児を描く、異色の長篇小説! <上下巻>
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