金子光晴を旅する
金子光晴(著)
,森三千代(著)
,他(著)
,中央公論新社(編)
/中公文庫
作品情報
僕が旅立ちたいわけは、だがあんまり災難が多いからだ――上海、マレー半島、インドネシア、パリ。『マレー蘭印紀行』『どくろ杯』等にも綴られた詩人と妻の計画も希望もない四年に及ぶ放浪の旅を、本人たちへのインタビュー、その旅に魅せられた21人のエッセイで辿る。全集月報ほか単行本未収録作品多数。
文庫オリジナル
(目次より)
Ⅰ 金子光晴、旅を語る
不穏な漂泊者(聞き手:開高健)
人生五十年、あとは急降下(対談:寺山修司)
Ⅱ 金子光晴の周辺 (森三千代/聞き手:松本亮)
Ⅲ 金子光晴と私
『マレー蘭印紀行』『詩人』『新雑事秘辛』(松本亮)
『どくろ杯』『ねむれ巴里』『西ひがし』(秋山清)
光晴夫妻と巴里での出会い(永瀬義郎)
金子光晴の「時間」(阿部良雄)
あくび(茨木のり子)
金子光晴について(吉本隆明)
悪友金子光晴と私(中西悟堂)
詩の蘇生に向かう放浪のヴェクトル(清岡卓行)
「生きている」流浪者の眼(窪田般彌)
怪物が死んだ(草野心平)
地獄の見世物としてのパリ(田村隆一)
Ⅳ 金子光晴を旅する
螢の樹(奥本大三郎)
空白の海を越えて(小林紀晴)
金子光晴と森三千代を知らない(島尾伸三)
金子光晴(福田和也)
暇と求婚(角田光代)
「自由な関係」を探しに(山崎ナオコーラ)
私がいちばん読み返した本(高野秀行)
旅の混沌(沢木耕太郎)
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商品情報
- シリーズ
- 金子光晴を旅する
- 出版社
- 中央公論新社
- 掲載誌・レーベル
- 中公文庫
- 書籍発売日
- 2021.06.25
- Reader Store発売日
- 2021.07.30
- ファイルサイズ
- 2MB
- ページ数
- 320ページ
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この作品のレビュー
平均 3.0 (3件のレビュー)
-
破天荒な男、金子光晴を語る森三千代のインタビュー
このひとも破天荒な女だった
いろんなひとが語る旅人金子
とくに
角田光代「暇と求婚」と
高野秀行「私がいちばん読み返した本」
そんな旅をしたい
「…どくろ杯」を持ってゆこう
続きを読む投稿日:2024.03.14
「どくろ杯」「なむれ巴里」「西ひがし」は読了している。「マレー蘭印紀行」も読んでいる。逆にこれらの本を読んでいない人には無用の本じゃないだろうか。
しかし、読んだから何か得られる本ではない。
上海…や彼方此方で、絵の展示即売会を開いて旅費を工面する話があったが、どんな絵なのかということは金子の本からは判らない。本書では金子の描く浮世絵風の裸女線描は見事なものとある。
旅の目的が三千代夫人と恋人と離すためにあったことは、読んでいた。本書では自由恋愛を支持するためなのか、三千代夫人に強いことを云えない金子の苦肉の策だったことが判る。
アジアやヨーロッパを放浪していたとき、金子は詩人ではなかったし、「どくろ杯」は40年後の78歳の回想だったということ。
再認識したことは有ったが、それがどれほどのものだという程のこともなかった。続きを読む投稿日:2021.08.30
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