色の名前の日本史
中江克己(著)
/青春文庫
この作品のレビュー
平均 4.0 (1件のレビュー)
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中江克己(1935年~)氏は、北海道函館西高卒、河出書房新社の編集者などを経て、実用書、歴史雑学などに関する本を多数執筆する文筆家。染色に造詣が深い。
本書は、月刊誌「公評」に1994~95年に連載さ…れたものをまとめ、2003年に『色の名前で読み解く日本史』として出版され、2021年に文庫化されたものである。
私は、書店で文庫の新刊として並んでいた本書をたまたま目にし、開いた巻頭にカラーで載っていた【日本の伝統色】(138色)があまりに美しく、迷わず購入した。
人間が識別できる色の数は、科学的には100万色とも言われているが、我々は普段、いくつくらいの色を意識して見分けたり、言い分けたりしているだろうか。。。改めて考えてみると、遠い昔に使ったクレヨンや色鉛筆は16色のセットだったような気がするのだが、おそらくそれがその後の色の認識の基準になっていて、それ以外の(その間にある)色は、当然ながらある程度まで見分けているとはいえ、言い分けることはできない(そもそも色の名前を知らない)ことに気付き、愕然とする。
色(の認識)と文化は密接に関連していると言われ、事実、虹の色の数は国によって異なる(日本は7色、米英は6色、独仏は5色、露は4色、等)。そして、本書巻頭の日本の伝統色138色を見ると、そこには、紅梅、鴇色、撫子、東雲色、菜花色、萌黄色、松葉色、海松色、鶸色、露草色、縹色、浅葱、橡、朽葉、栗皮色、香色、檜皮色、鳶色、萱草色、柑子色、桔梗、葡萄色、菫、牡丹色、菖蒲色。。。といった色が並び、日本人が古来、実に多くの色を使い分けてきたことを認識するとともに、その風情のある名前からは、日本において、多くの色の元となる草木花をはじめとする自然がいかに豊かで美しく、また、そこに暮らす人びとが、それらをいかに細やかな感性で捉えていたのかに、改めて気付かされるのである。
コロナ禍により、意図せずとも身近な自然に目を向ける時間が増えた今、本書を参考にしながら、日本人が古来持ち続けてきた自然、色に対する感性を少しでも呼び起こし、心豊かに過ごしたいと思う。
(2021年6月了)続きを読む投稿日:2021.06.15
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