ボーイズラブ
銀の鳥籠
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完結
「ショウ。こっちにおいで」甘く優しいけれど、有無を言わせない声。この男が愛でているのは所有物である自分の姿形であって、自分が何を思っているかなど気にもしていないだろう。俺はこれからこの優しい顔をした男に貪り喰われることになる――。学校からの帰り道、見知らぬ外国人に拉致された少年・彰吾(しょうご)は、自分が日本から遠く離れた異国の地へ売られたことを知る。そして、そこで彰吾を待ち受けていたのは、愛玩用の奴隷として生きる生活だった……。残酷でありながらも切なく、無常さの中に光を見出す、衝撃の物語が遂に・・・
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「ショウ。こっちにおいで」
甘く優しいけれど、有無を言わせない声。この男が愛でているのは所有物である自分の姿形であって、自分が何を思っているかなど気にもしていないだろう。
俺はこれからこの優しい顔をした男に貪り喰われることになる――。
学校からの帰り道、見知らぬ外国人に拉致された少年・彰吾(しょうご)は、自分が日本から遠く離れた異国の地へ売られたことを知る。
そして、そこで彰吾を待ち受けていたのは、愛玩用の奴隷として生きる生活だった……。
残酷でありながらも切なく、無常さの中に光を見出す、衝撃の物語が遂に書籍化!
※書下ろし番外編2本+同人誌掲載番外編1本を収録! -
生贄の気分とはこういうものかもしれないと、そう思った――。
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温かい手が髪を掻きあげ、柔らかく頭を撫でる。元凶であるはずの男の手でも、不思議とそれだけで慰められた。
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「……私はもっとねだって欲しいんだよ……。君に甘えて欲しいんだ……」
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「……あぁ、……やっと笑ってくれた!」イーサンは見たことのない顔で柔らかく微笑んだ。
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大きく開け放たれたドアからは、まばゆい朝の光と共にわずかに湿った風が吹き込んでくる。「……いいの……? 出ても、いいの……?」
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人としての意思もプライドも全て捨てて、「もの」になりきればいい。ここにいたいと、生きていたいと思うならば……。
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微かに鼓動が聞こえるその場所は、暖かくて居心地が良くて……、安心する……。
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「……ああ、いいね。君の笑顔は貴重だ。それだけの価値はある」
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ここはイーサンが金で作った自分のための楽園なのではないだろうか。
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どれほど大事にされようと、どれほどこの人の優しさが本物のように見えようと、それはかりそめのものにすぎないというのに……。
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傷の痛みと乱暴な恫喝が昨夜の屈辱と恐怖を思い出させ、ふつふつと怒りが滾った。「……俺がどんな目に……あったと……」
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