土佐日記
川瀬一馬(その他)
/講談社文庫
作品情報
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。
1986年に重文指定の「為家自筆本」を底本にした、最も新しい「土佐日記」。男もすなる日記という物を、女もしてみんとてするなり……紀貫之が土佐守を解かれ、京へ帰る船旅の模様を、女の筆に仮託し仮名で綴った日記。諧謔性にとむ文体と劇的構成で、仮名文学の先駆的作品。定家自筆本との校異を付した決定版。
もっとみる
商品情報
- シリーズ
- 土佐日記
- 著者
- 川瀬一馬
- 出版社
- 講談社
- 掲載誌・レーベル
- 講談社文庫
- 書籍発売日
- 1989.04.07
- Reader Store発売日
- 2019.09.20
- ファイルサイズ
- 73.1MB
- ページ数
- 144ページ
以下の製品には非対応です
※この商品はタブレットなど大きなディスプレイを備えた機器で読むことに適しています。
文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。
この作品のレビュー
平均 4.0 (1件のレビュー)
-
(2013.03.29読了)(2005.02.26購入)
【日本の古典】
935年頃、紀貫之によって、初めてかな書きで記された紀行文、とのことです。日付と地名以外はほとんど仮名で書かれていたということ…です。
紀貫之を辞書で調べると以下の通り、生没年は不明です。
【紀貫之】きのつらゆき
(866?-945?) 平安前期の歌人・歌学者。三十六歌仙の一人。御書所預・土佐守・木工権頭。官位・官職に関しては不遇であったが、歌は当代の第一人者で、歌風は理知的。古今和歌集の撰者の一人。その「仮名序」は彼の歌論として著名。著「土左日記」「新撰和歌集」「大堰川(おおいがわ)行幸和歌序」、家集「貫之集」
[ 大辞林 提供:三省堂 ]
古今和歌集の撰者の一人です。古今和歌集は、905年に勅令が出て913年頃の成立ということですので、その頃紀貫之は、三十代から四十代ではなかったろうか、とのことです。
文章を、かな交じりの和文で記述するするのは、『土佐日記』が初めてということですので、我々が書いている文章の先駆は、紀貫之ということになります。仮名文字のもとになっている漢字は、後に一般化するものとは必ずしも一緒ではなかったので、藤原定家(1162~1241)でも、紀貫之の文字を読み取るのに難儀した、ということが解説に書いてありました。
本の内容は、任地土佐(高知)での役割が終了して、家族や郎党とともに、京都まで船で帰る様子を日記の形で記した紀行文です。書かれた時期は、935年頃とのことです。
在原業平の有名な歌
世の中に絶えて桜の咲かざらば
春の心はのどけからまし
が引用されていますので、紀貫之は、在原業平より後の人ということですね。
上記の歌は伊勢物語の
世の中に絶えて桜のなかりせば
春の心はのどけからまし
と微妙に違いますね。伊勢物語のものの方が、なじみですけど。
紀貫之の一行は、12月21日に門出して、高知から室戸岬を回り、鳴門までは四国沿岸をたどり、その後淡路島の南を通って和歌山渡り、そのまま沿岸沿いに淀川河口まで進み、淀川を遡って山崎からは、車で京へとたどり着きます。その間55日です。
書いてある内容は、あまり楽しめるものではないのですが、当時の船旅の様子がわかります。随所に短歌が挟み込まれていますので、それが、面白いと言えば、面白いと言えるかもしれません。
現代語訳部分で40頁ほどですので、気軽に取り組めると思います。
【目次】
序
凡例
土佐日記(付 脚注)
補注
紀貫之自筆本「土佐日記」における定家と為家父子
為家本と定家本の本分校異
現代語訳
解説
「土佐日記地理辨」所載の土佐国の今昔図
帰京旅程図
和歌初句索引
本文語彙索引
●例のことども(26頁)
皆夜明けて、手洗ひ、例のことどもして、昼になりぬ。
(脚注)毎朝すること。髪ゆい、沐浴、神仏の礼拝、食事など。
●亡き子(83頁)
あるものと忘れつゝなほ亡き人を
いづらととふぞ悲しかりける
(まだ生きているものと、死んだことを忘れては、どこにいるのかしらと探し求めてしまうのは、悲しいことです)
●子を恋うる(92頁)
世の中に思ひやれども子を恋ふる
思ひにまさる思ひなきかな
(世の中のつらさを様々思いめぐらしてみますが、亡くした子を恋したう親の切なさにまさる思いはありませんよ)
●山さえ行く(100頁)
漕ぎて行く船にて見ればあしびきの
山さへ行くを松は知らずや
(漕いで行く船に乗ってみていると、山も一緒に動いて行くのを、生えている松は気が付かないのでしょうか)
●動機(125頁)
貫之が土佐日記を著作した動機は、都で生まれて間もない幼愛児の女の子を土佐から離れる前に失って、その深い悲嘆の心情をば、帰国の紀行文に託して自ら慰めようとしたのであると思う。
☆関連図書(既読)
「竹取物語・伊勢物語」田辺聖子著、集英社文庫、1987.07.25
(2013年3月29日・記)
(「BOOK」データベースより)
1986年重文指定の「為家自筆本」を底本にした、最も新しい「土佐日記」。男もすなる日記という物を、女もしてみんとてするなり…紀貫之、土佐守を解かれ京へ帰る船旅の模様を、女の筆に仮託し和歌と仮名で綴った日記。階謔性にとむ文体と劇的構成で仮名文学の先駆的作品。定家自筆本との校異を付した決定版。続きを読む投稿日:2013.03.29
新刊自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
※新刊自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新号を含め、既刊の号は含まれません。ご契約はページ右の「新刊自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される「増刊号」「特別号」等も、自動購入の対象に含まれますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると新刊自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約・新刊自動購入設定」より、随時解約可能です続巻自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
- ・優待ポイントが2倍になるおトクなキャンペーン実施中!
※続巻自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新巻を含め、既刊の巻は含まれません。ご契約はページ右の「続巻自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される特別号等も自動購入の対象に含まれる場合がありますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると続巻自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約自動購入設定」より、随時解約可能ですReader Store BOOK GIFT とは
ご家族、ご友人などに電子書籍をギフトとしてプレゼントすることができる機能です。
贈りたい本を「プレゼントする」のボタンからご購入頂き、お受け取り用のリンクをメールなどでお知らせするだけでOK!
ぜひお誕生日のお祝いや、おすすめしたい本をプレゼントしてみてください。※ギフトのお受け取り期限はご購入後6ヶ月となります。お受け取りされないまま期限を過ぎた場合、お受け取りや払い戻しはできませんのでご注意ください。
※お受け取りになる方がすでに同じ本をお持ちの場合でも払い戻しはできません。
※ギフトのお受け取りにはサインアップ(無料)が必要です。
※ご自身の本棚の本を贈ることはできません。
※ポイント、クーポンの利用はできません。クーポンコード登録
Reader Storeをご利用のお客様へ
ご利用ありがとうございます!
エラー(エラーコード: )
ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。