この作品のレビュー
平均 4.2 (21件のレビュー)
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日本の社会は不確定性の低い社会であり相互の信頼が高い社会と思われていた。
しかし、よく考えると信頼が必要となる状況というのは、不確定性が高まる状況である。
また不確定性が低い状況では信頼がそもそも必要…でないのではないか、という疑問から
心理実験を行われ、我々が思っている常識とは少し実際は異なっていることが分かった。
ポイントは以下のような内容である。
・信頼と安心は同じように扱われているものの異なるものであり、
混同されたまま使用されているため混乱が起こっている
・信頼と信頼性も混同されるが、それぞれ相手を信用するのかがと
相手から信頼されているのかが影響することはそれぞれ異なる。
・信頼が醸成されるかどうかのファクターは社会の不確定性の高さ、
一般的信頼の大きさ、機会コストの大きさである。
・信頼は不確定性が大きいときにのみ必要となり、低い状況では育たない。
・不確定性が高くなると、コミットメントにより不確定性を低めるような動きをする。
・人は認知的倹約をおこなうものなので、毎回裏切るのかどうかの判断を行うのが難しいので、
コミットメント関係を結びたくなる。
・パートナーの切替を行うのは、機会コストが大きい時であり、だまされる時のダメージの大きさである。
・日本人と米国人では、何も情報がなかったときにどれくらい相手を信頼するか
という一般的信頼は、不確定性が高い米国人の方が高い
・一般的信頼性の高さは、お人好しのマインドなのではなく、都度相手の状況を見て、
対応を調整できるリテラシーの高い人であることが実験からわかっている。
日本人は、人を見ては泥棒と疑えという考えもあるが、
全部疑うことがリテラシーの高さには繋がらない。
結局のところは認知の倹約がおこなわれているだけであり
毎回適切に評価して対応を調節しているわけではないことがわかる。
本文の中では、信頼できるかどうか敏感に反応して対応できるスキルがあるかどうか
は一般的信頼性の高さにも相関していることが触れられている。
社会への信頼の高さは、経済成長に繋がるという研究もあるらしい。
昨今の根拠のない不安先行の雰囲気は、不確定性の高い社会で、
いかに目利きをできるようにするかのスキルセットの醸成が
日本社会に必要なのではないかと思わせる内容である。
色んな分野に応用可能な良書である。続きを読む投稿日:2019.10.21
がんばって読み終わった。
集団主義社会は安心を生み出すが信頼を破壊する。
信頼には関係強化だけでなく関係拡張の側面もある。
不信の無駄。役所仕事は非効率。規則が多いから。国民が役人を信頼しないから。不…信が非効率の強制を伴う規則を生む。
信頼が必要とされるのは社会的不確実性の大きな状況。パラドックス①常識的には信頼が生まれにくい社会的不確実性が大きな状況で信頼が必要とされ、生まれやすい状況で必要とされない
②集団主義的な安定した社会である日本がアメリカよりも他者一般への信頼の水準が低い
③他者一般を信頼する傾向が強い人は騙されやすいお人好しではなく、信頼度を測る情報に敏感で予測の正確度が高い。
これまで、コミットメント関係のネットワークを拡大することで社会的不確実性を抑えながら機会コストもなるべく払わないようにしてきた(系列や終身雇用)、しかし、コミットメント関係の拡大だけでは近年の急速に拡大する機会コストに対処できなくなってきた。オープン市場的な関係の持ち方へ変わっていくだろう。そのことでコミットメント関係が提供してくれていた社会的不確実性の低減作用とそれに基づく安心が、日本社会の様々な側面から消える。
アメリカの開かれた社会を支えてきた一般的信頼の崩壊が緊急の問題として認識されるようになってきた。
これからは人格の時代?
開かれた社会の基盤としての一般的信頼は社会的知性に裏付けされている。その育成には、関係に依存しない普遍的な原理に従った効率的で公正な社会、経済、政治制度の確立が必要。正直者が得をする社会。続きを読む投稿日:2021.12.22
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