不道徳お母さん講座 私たちはなぜ母性と自己犠牲に感動するのか
堀越英美(著)
/河出書房新社
作品情報
お母さんライターが、日本の「道徳」のタブーに踏み込み、軽やかに解体!歴史をさかのぼり、母性幻想と自己犠牲への感動に満ちた「道徳観」がいかにつくられたか明らかにする。
2018年、小学校で道徳が正式教科に……!
歴史を遡り、日本の「道徳」がつくられた過程と、母性幻想と自己犠牲に感動を強いる「道徳教育」の問題点をあぶり出す。
『女の子は本当にピンクが好きなのか』著者最新刊、いま誰もが読んでおくべき、日本の「道徳」解体論!
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この作品のレビュー
平均 4.0 (32件のレビュー)
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なんということ。
母の日にこの作品を読み終えるとは。
テレビ等で、ある女性にインタビューする時は「お子さんはいらっしゃるんですか」、
ある男性にインタビューする時は「お仕事は何をされてるんですか」。…
逆もあるけれど、だいたいはこんな感じだ。
そして、メダルをとったオリンピック選手に必ず聴くアレ。「まず最初にどなたに伝えたいですか?」この質問で、「お母さん」と答えなければ日本中から干されるような空気。そう、空気だ。いつまで日本中に漂っているんだ、この空気は。
わたしは、親(母親)に感謝すべきなのに感謝できない、という苦しみの中で、ずうっと罪悪感を感じながら生きてきたけれど、ある日「感謝なんて自然に湧き上がってくる感情なんだから、感謝は『すべき』っていうのは違う」と描いてある本に触れて、親だって人間で、常に完璧だったわけじゃない、というのを徐々に落とし込んでいったクチです。なんならまだその途中です。
だから、「母親だから」で全てを片付けようとする風潮にはうんざりしていて、なんなら、吐きそう。「親だから」、これなら分かる。実際にそういう状況はあるからだ。それなのに、「母親だから」ということが、泣ける要素なんだよな。そして、これがエスカレートしたのが、今流行りの「毒親」だと思う。
なのに、そんな「母親」を推しまくっている空気の中で、結婚式で娘の隣を歩くという劇的な場面において、そのポジションにつくのは「父親」だ。急に!?急過ぎない!?今までずうーっと、子どものことで登場するのは母親だったのに、「娘がその家に最後に縛られている瞬間」に隣にいるのがお父さんて!表彰台で、一番感謝しているのはお母さんです言うたやん!みたいな(笑)そこをぐっと我慢して、父親をたてるのも母親の仕事って、そういうことでいいですか?我慢てそんなに美しいですか?
と、まあ、そのあたりつつき始めたら、結婚したら嫁に行くのはどうして女性なのか、であるとか、ジェンダーの話になりそうなので、このへんにしておきます。
価値観て、自分はBって思っているのにBって言うと、自分が体験してきたAっていう価値観を否定することになるから、Aに固執しちゃってる人もいて、価値観は、個人の生い立ちとも大きく関わってくる。
わたしは伊藤野枝が、こんなにも自己犠牲的な母性愛を述べた人だとは知らなかった。歴史では伊藤野枝はそういう人だとは学んでこなかったからだ。でもここで描かれている伊藤野枝は、「保育園落ちた日本死ね」とか言ってそうなお母さんで、自己犠牲を賛美する北原白秋や小原國芳は、生い立ちの中で、自己犠牲する女性に育てられて、そういう女性がいなかったら生きてこられなかったわけで。
そういう、経験や生い立ちを描いた作品が出版されることで、新たな価値観が世に呈示されるようになっていく。
今は、その役割を果たしているのがSNSとか、ブログとか、ネットの記事とか、そういったものなんだろう。
自分の思っていることや考えていることを、抑圧せずに表現できることって、その時代の背景や価値観を構築しうる。批判に晒されたり、苦しい思いをするのはしんどいけれど、それでも、新しい価値観を呈示できるって、すごいことだと思うんだ。
こんな風に、価値観の背景には時代があって、今は時の流れの中でたくさんの価値観が溢れていて、だからいろんな価値観を持っている人がいて、それを尊重しましょうって、そういう時代に入っている中、道徳が正式教科化されたわけで。その道徳という科目が、自分自身に向き合ったり、相手の価値観を尊重したりできるものになるよう、学生時代は道徳も国語も苦手だったけれど、今はいろいろな価値観を受け入れようとしながらそれなりに生きているアラサーは、祈るしかない。続きを読む投稿日:2019.05.14
日本の社会・学校の全体主義について。ごんきつねから組体操、そして二分の一成人式(私は世代じゃないかも)軽いノリで書かれていて面白かったけど情報量すごい。本の装丁とノリに比べて情報量がギャップがある。
…
母親が神聖化された経緯から少年誌についてのことまで知らなかったことを知れて良かった。
作者のイライラとかツッコミが良かった。学生の時だってこの全体主義には気持ち悪いとかうざいと思うこと多かったから言語化して分析してくれるのありがたい。清々しい。
こんぎつねの粟と松茸は性器のメタファーは面白かったな。続きを読む投稿日:2023.02.09
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