完結
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いまはアシュレに対する思慕もうすれた。メラニーが死んでからアシュレははっきりとスカーレットに心を寄せていたが彼女のほうではかえって恋もさめた。だが「レットこそ自分の魂なのだ」とスカーレットが気づいたとき、皮肉にも彼の心は彼女を離れ、バトラーは人が変わったように二人のあいだに生まれたボニーへすべての愛情を注ぐのだった。そのボニーがふとしたことで死んでしまうと、虚脱したバトラーはすべてに興味を失い、家もスカーレットも捨てて旅立っていく。スカーレットは悲しみに打ちのめされながらも、生来の自尊心が頭をもたげてくる。「私はもう一度バトラーの愛をとりもどしてみせる。でもいまはあまりにも疲れている。あすはまた、あすの陽が照るのだ……」
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万策つきたスカーレットは妹スエレンの婚約者フランク・ケネディを横取りして結婚する。金のため、そして二度と飢えたくないために。そのころ、北軍の占領下にあって秘密結社クランKKK団が活躍していた。アシュレもケネディもその一員だった。ある雨の夜、秘密の会合を北軍に発見され、二人は命からがら逃げのびるが、アシュレは負傷し、危いところをバトラーに助けられる。しかしケネディは追跡され、殺されてしまう。スカーレットはケネディの子を身ごもりながら再び未亡人となった。そんなときレット・バトラーが訪ねてきた。かくて彼女は最後の夫としてバトラーの腕に抱かれる。
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スカーレットが故郷にたどりついてみると、わが家も戦禍を被っていた。母はチフスのため死に、二人の妹も病に倒れ、その打撃で父のジェラルドは廃人同然となっていた。小さな子供をかかえたスカーレットは、一時は気ぬけしてその場にすわりこんでしまうが、思い直して敢然と立ちあがり、生まれてはじめて土にまみれて働いた。だが彼女の細腕でささえるにはあまりにも生活は苦しかった。南軍の敗北で戦争は終わった。捕虜になっていたアシュレも帰ってきた。北軍の地方政庁から大金の納税命令をうけたとき、農園を売るより仕方のなくなったスカーレットはふたたび、バトラーに会いにいった。彼は黒人を射殺した疑いで投獄されていた。恥を忍んで会いにきたスカーレットに、バトラーはまじめとも冗談ともつかぬ調子で、「あなたの肉体を抵当にするなら金を用立ててもよい」と言った……。
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チャールズはまもなく南北戦争に出征して戦死する。チャールズの子を宿していたスカーレットはアトランタヘ移り、そこで夫アシュレを戦場に送ったメラニーとともに暮らすことになる。そのころ、北軍の封鎖を破って南軍のために物資を供給する英雄的風雲児があった。それが、彼女をからかったあのレット・バトラーであった。やがて南軍はじりじりと後退し、北軍はアトランタに迫り町は猛火に包まれる。スカーレットは何としてでも臨月のメラニーをつれて逃げ出さねばならない。途方に暮れた彼女はバトラーに相談すると、彼はすぐさま一台のボロ馬車を調達して、脱出の手助けをしてくれた。だが、ようやくたどり着いた故郷のタラでは、すべてが一変していた……。
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アメリカ南部の大農園主の父と、フランス貴族の血をひく母のあいだに生まれたスカーレット・オハラは16歳、魅惑的な顔だちで、青年たちの心をとらえていたが、火のように激しい気性の持主でもあった。彼女が秘かに思いを寄せていたのは、うぶでけがれを知らぬ青年アシュレだった。その彼が従妹のメラニーと婚約したと知って驚くが、自分が打ち明けさえすればと、たかをくくっていた。野外パーティの日、彼女はアシュレを図書室につれこんで愛を打ち明ける。だが、アシュレは彼女をうけ入れようとはしなかった。スカーレットは彼を罵倒し、半狂乱になって彼の頬をなぐる。ところがこの一幕をレット・バトラーという男に見られてしまう。誇りを傷つけられた彼女はアシュレヘの面当てと復讐じみた気持ちから、彼の妹の恋人でありメラニーの兄であるチャールズと結婚してしまう。折から南北戦争が勃発、スカーレットの怒涛の人生が幕をあける……。刊行と同時にベストセラーとなり、今もなお熱烈に読みつがれる壮大な愛のドラマ。
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