人間はどこまで耐えられるのか
フランセス・アッシュクロフト(著)
,矢羽野薫(訳)
/河出文庫
作品情報
死ぬか生きるかの極限状況を科学する!どのくらい高く登れるか、どのくらい深く潜れるか、暑さと寒さ、速さなど、肉体的な「人間の限界」を著者自身も体を張って果敢に調べ抜いた驚異の生理学。
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商品情報
- シリーズ
- 人間はどこまで耐えられるのか
- 著者
- フランセス・アッシュクロフト, 矢羽野薫
- 出版社
- 河出書房新社
- 掲載誌・レーベル
- 河出文庫
- 書籍発売日
- 2008.05.12
- Reader Store発売日
- 2015.06.26
- ファイルサイズ
- 26.7MB
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この作品のレビュー
平均 3.8 (50件のレビュー)
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人間の限界は?
高さ、深さ、暑さ、寒さ、速さ、そして宇宙。人間の限界を決めるのは体温や酸素の要素が大きい。
高いところに登ると肺の中は水蒸気が増える。高度1万mを越えると純粋酸素を吸っても肺の中の酸素分圧が上がらず…酸素を取り込めなくなる。およそ飛行機が飛ぶ高度だ。飛行中に窓が割れたり扉が開くと酸素マスクを吸ってじっとしていればなんとか耐えられるが、それまでの余裕は30秒ほどでパイロットが有効な行動を取れる時間はわずか15秒ほど。機内を加圧せずに酸素なしで飛行できる高度は3000mと決められており、高高度を飛行中の機内は1500m〜2400m相当に加圧されている。高山を登る鍵は早く深く呼吸することで、体内のCO2を追い出して酸素を取り込めるようにする。この辺りのメカニズムの解説はいまいちわからなかった。
深海に潜ると加圧された空気を吸ってもいろいろ問題がある。窒素が血液中に溶け込み浮上した際にガスに戻ると毛細血管で血液が流れなくなる。いわゆる潜水病だ。スキューバダイビングの場合潜った深さの半分までは一気に浮上しても問題ない。午前中にダイビングをして、午後に飛行機に乗ると減圧症になるかもしれない。潜水記録に挑もうとする時にはイメージとは逆に肺から空気を吐かないといけないと言う。血中の二酸化炭素濃度が上がると呼吸が苦しくなる、呼吸が苦しくなるのは酸素が足りないのではなく二酸化炭素を追い出すためだ。しかし空気を吐いておけば二酸化炭素はちゃんと肺に溜まるのか?これまたよくわからない。
短時間であれば暑さには耐えられる。105℃の部屋で15分過ごした人がいて、持って入った卵は茹で上がったが人は大丈夫だった。これは汗をかいて体温が上がるのを防ぐからで、中枢体温が42℃を越えると心臓発作を起こすかもしれない。熱中症のリスクは高温多湿で汗が蒸発しないほうが高く、逆に汗を書く時には水分補給が必要になる。病気で熱が出た時にそのままのほうがいいのか、熱を下げたほうがいいのかは異見が分かれている。1-2℃の体温上昇は病原体と戦うのに効果があるという説が有力だが40℃を超えるようだと下げたほうがいい。体温を下げるには冷たい水に入る(血管が収縮する)より濡れたスポンジで体を拭う方が良い。汗まみれで寝ているのは不快だが熱を下げることが目的なら扇風機で風を当てる方が効果的ということになる。
冷たい海に投げ出されることは想像したくないが、助かるためにはじっとしていた方が良い。体を動かすと確かに温まるのだが体温は奪われ続ける。体の周りの体温で温まった水の層を逃さないようにと書いてるが海では波があるのでこれはあまり期待できそうにないように思う。
アスリートが限界に挑む時、酸素を取り込む限界が決まるのは心臓が血液を送る速度だ。肺のガス交換でもなく、筋肉が酸素を取り込む能力でもない。通常心臓は毎分5.5Lの血液を送っており運動すると5倍ほどに増える。しかしトップアスリートは35〜40Lを送り出す。理論上は最大限の運動を15秒間続けることができる。その為にスプリンターはスタート前からアドレナリンを出し心拍数を上げて準備する。それでも200mは最高速を維持できないということになる。
一つ一つのエピソードは面白いが所々に??がつくのがやや残念。続きを読む投稿日:2015.07.12
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タイトルどおり、暑さや寒さ・高さや低さといった様々な観点から「人間はどこまで耐えられるのか」というものをジョークも交えて書かれている。意外とタフだったり、逆に脆かったりと私たちが想像するよりも人間とい…う生き物は特殊なのだなと感じた。
人間の限界点の先にも暮らしている生物は多く、それらの生物は独自の進化や技術をもっている。それらの生物と人間を比べたり耐えられるカラクリを解説したりと人間が新しくものを開発するキッカケになりそうなことがいくつも書かれているので人間の技術的な進化がまだ可能かもしれないと感じられたため読んでいてとても面白かった。続きを読む投稿日:2024.04.17
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