小説
星の王子と汚れた天使――身体から始まる最後の恋
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★今年イチオシのエロティカ作家ミーガン・ハートが贈る、痛いけどキュンとして、切ないけど濡れる――孤独なエルの、愛と癒やしのラブストーリー。★話しかけてきたのは彼のほう。私をじっと見つめ、ウイスキーを勧め、家まで送っておきながら、指一本触れずに帰った。忘れられなかった彼に再びでくわしたとき、私はもう時間を無駄にはしなかった。混み合ったダンスフロアで、スカートに手を入れ、濡れた襞をなぞり、大音響とブルーのネオンに紛れて私をイカせるのを許した。彼はキスをしようとし、私は顔を背けた。私は誰ともつき合わな・・・
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★孤独なエルに、ダンを愛することはできるのか。あの忌まわしい記憶から、解き放たれる日は来るのか――愛と痛み、許しと再生の物語は、いよいよクライマックスへ。★私はついにダンの唇にキスをした。最初はついばむほどに、やがて我を忘れるほど深く。彼は私をきれいにしてくれた。あんなことがあっても、私は汚くなんかないんだと思わせてくれた。そして、私の手首の傷を撫でながら、なんでもないことのように言ってくれたのだ。「誰にでも傷はあるんだよ、エル。生きてきた証拠じゃないのかな」と。彼を失いたくない。けれど、私にはどうやって普通の恋愛をすればいいのかが皆目わからない。セックスはさせても、本当の意味では中に入れてくれない、とダンは言う。彼の愛に責められ、私は壁に追い詰められた。壁を壊す方法はただひとつ……私は、あの日私を染めた血と同じ色をした薔薇を手に、兄の墓へ向かった。
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★忘れるためだけに、男なら誰にでも抱かせた――そんな日々に別れを告げてから3年2カ月10日。孤独なエルが出会ったのは、高級スーツに身を包み、ネクタイをなびかせた星の王子さま。★お互い、決して深入りしないこと。この関係に、執着しないこと。それだけをはっきりさせて、私はダンについていった。あるときは化粧室の奥で冷たいタイルに押しつけられ、またあるときはパーティのクロークルームに吊され、ときには別の男性を交えて3人で、私はダンの求めるままに乱れた。そうするのが好きだった。めくるめく快感の中ですべてを忘れることができたから。いまだに唇へのキスを受け入れることができなくても、ダンは何も言わなかった。私には秘密が、話していないことがあると感じていても、彼は何も訊かなかった。けれど2人とも気づいていた。私たちの間には、次第にただの肉欲以外のものが育ちつつあると。私が踏みこめずにいながらも、拒絶しきれずにいた、恐ろしいものが……。
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★今年イチオシのエロティカ作家ミーガン・ハートが贈る、痛いけどキュンとして、切ないけど濡れる――孤独なエルの、愛と癒やしのラブストーリー。★話しかけてきたのは彼のほう。私をじっと見つめ、ウイスキーを勧め、家まで送っておきながら、指一本触れずに帰った。忘れられなかった彼に再びでくわしたとき、私はもう時間を無駄にはしなかった。混み合ったダンスフロアで、スカートに手を入れ、濡れた襞をなぞり、大音響とブルーのネオンに紛れて私をイカせるのを許した。彼はキスをしようとし、私は顔を背けた。私は誰ともつき合わないし、誰ともキスしない。そういう親密なことはしない、人混みでセックスはしても。だけど、ダンと名乗った彼に名前を訊かれたとき、わたしはいつものように偽名を告げなかった。彼が「また会いたい」と言ったとき、わたしはいつものように断らなかった。なぜかはまだ、わからなかったけれど。
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