しなやかな仕事術
林文子(著)
/PHP新書
作品情報
待機児童ゼロを実現させた横浜市長・林文子。OL、主婦、車のセールスマン、会社社長を経て市長となった著者が、仕事をする女性のために、伝えたいこととは。当たり前のことを丁寧に取り組んできた著者が、これまで実践してきた仕事術をエピソードを交えて語る。いくら能力があっても、自己主張ばかりする人や、優しさや思いやりのない人は、敬遠されてしまう。男女を問わず「仕事のできる人」とは、周りに好かれて、ファンになってもらえる人のことではないか。信頼関係はすぐに築けない。それまでに道のりはあるが、きっかけは大切にしたい。こちらから話しかける、笑顔で挨拶する、ほめる…簡単なことなのに、実行するのはなかなか難しいもの。でもこれが相手も自分も気持ちのよいものが積み重なったとしたら―何があってもただ一生懸命やっていれば、ちゃんと見ていてくれる人はいるもの。そして、あるとき、突然道が開けることもあるのです(本文より)
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商品情報
- シリーズ
- しなやかな仕事術
- 著者
- 林文子
- 出版社
- PHP研究所
- 掲載誌・レーベル
- PHP新書
- 書籍発売日
- 2013.06.14
- Reader Store発売日
- 2013.09.20
- ファイルサイズ
- 1.7MB
- ページ数
- 192ページ
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この作品のレビュー
平均 3.8 (14件のレビュー)
-
このレビューはネタバレを含みます
図書館で2、3冊本を借りてきたけど、結局読みやすい本から読んでしまうのね。
レビューの続きを読む
そいでもって、いま最も「ホット!ホット!(by藤井隆)」な日本人女性の一人、林文子・横浜市長の「しなやかな仕事術」を今日読んだ。200ページ弱で、イラチ(土佐弁でせっかちなって意味)な私でもスルリと読めました。
林市長は「仕事で成功する秘訣」聞かれたら、「人と出会って、信頼関係を深めること」につきるそうだ。
林市長の10年余りの経営者としての経験として、「ES(Employee Satisfaction=雇用者満足)あってのCS(Customer Satisfaction=顧客満足)だそうだ」
林さんといえば、コミュニケーションの達人。早速自分が率先して、コミュニケーションを市職員で取ると、職員が林市長のまねをして、例えば「雨が降ってきましたから、お気をつけてお帰り下さい」など市民に言うようになったとのこと。その結果2012年末の調査で、市民の満足度が96,6%と高評価を得た。
その原点は外資系自動車販売会社の社長を勤めていたとき、「3分間スピーチ」を導入したことにあるという。
内容は、社員に「健康と天気の他の話題」を各自喋ってもらうようにしたそうだ。このスピーチの狙いは社員間の繋がりを深めるためであった。
例えば「僕は星を見るのが大好きです」←「彼は意外とロマンティストなんだね」
「タップダンスを習っています」←「へぇ~多趣味だね~」
となり、「次はみんな何を話すのかな?」と社内の雰囲気が良くなったそうだ。外資系といえば完全能力主義の世界。他人を手伝うなんて、社員の頭には毛頭ない。このスピーチのお陰でみんながチームプレイをして、かえって売り上げがアップしたそうだ。
林さんの経営者時代、マスコミの取材が来ると記者やカメラマンに「へぇ~記者さんならやっぱし書くことはお好き?」とか「ところで趣味は何?へ~社交ダンス?いったい何年やってるの?」と愛嬌たっぷりに聞くので、取材があるたびに「車なら林さんのところで」となり、自動車の売上があがったという。
秘書の方もそれを承知で「社長、そろそろ今月も取材を受けましょうか」と言うようになったそう。(ちなみに現在取材を受けると、プレスの方が「横浜にぜひ住みたいです」というようになる)
また、ダイエーでの経験では、鮮魚コーナーでは「この売り場任せたよ!」と威勢よく声をかけ、薬局では「先生、期待していますから」と薬剤師の先生を持ち上げる。林市長は相手の目線に遭ったコミュニケーションをとることにしているそうだ。つまり仕事だからといってビジネスライクにしてはいけないという。
相手の目線に立つこと。林さんはこれを自動車のセールスマン時代からやられていたそうだ。例えば「お庭のお手入れ?それなら上手な植木屋さんをご紹介しましょうか?」、「歌舞伎のチケットなら、私がとってきましょうか?」、「牛乳が切れている?じゃあ私がひとっ走り行って買ってきましょうか?」とかである。
よく言われていることだが、セールスマンは商品を売るのではなく「自分を売る」と言うことを理論的ではなく、実践していたのである。(林さんは、後にこのようなことを放送大学の「経営学」の授業とかで知って面白かった、と述懐している)
他にもハヤシ・マジック(これはダイエー時代にこう呼ばれたそう)はある。自分が苦手なこと、知らないことはへりくだって、自ら聞くそうだ。
例えば「そこは私の苦手なところだから、助けてください」とか「ひとりではできないんです。手伝ってくれませんか」など。これも働き手の人間関係・繋がりを非常に円滑にするとのこと。
また林さん、自動車会社の支店長だった頃、自分から部下に悩みを聞きに行ったそう。まるでよろず相談所のように。
「彼女と喧嘩しちゃったんですよ~どうすればいいですかね?」
「そんなにストレートに言っちゃダメ。時間をおいてから話なさい」
等、デスクまで行っては、相談を積極的に聞きに行ったとのこと。しかし優しい林さんは女性が気にかかって、女性の部下ばかりに聞くのだから、男性社員に「今は女性の方が強いんですよ。我々の悩みも聞いて下さいよ~」といわれたよう。(これは林さんも「時代の変遷を感じた」そうだ)
最後にコミュニケーション以外での林市長の功績は全国ワースト1だった、横浜市の待機児童をゼロにしたことだ。
最初、林さんは特命チームを作って、職員に「幼稚園に子供を入れられなかった人の意見を聞きなさい」と命令した。職員は「そんな人たちに会ったら、怒るに決まっている」と思ったが、やってみると意外な反応があったそう。
例えば、母親がパート勤務で、短時間のお子さんの預かりのみを希望している方や、一か所しか申し込まずに、別の幼稚園に預かりの申込をしなかった人等、多数そのような方がいたそう。
林市長はもちろん、幼稚園の数は増やしたが、ソフト面の対応もふんだんにされたそうだ。
彼女はそれに飽き足らず、「保育コンシェルジュ」なる制度を作って待機児童問題に積極的に携わっているとのこと。
最後に林さんらしいエピソードを紹介してこのブログを終わりにする。他の会社に引き抜かれた時、送別会で一人の営業所長がこんなことを言ったそうだ。
「林社長。わたしはあなたがたった一人でこの会社に来た日のことを思い出します。そしてあなたはたったひとりでこの会社を去って行かれます。あなたはその胸の中に人生の羅針盤を持っている人だ。その羅針盤通りまた歩いて行かれるのですね。私もこの胸の中に羅針盤を持つ人間になります。長い間のお教え、ありがとうございました」震えるような感動だったそうだ。
我々もこのような方の下で働きたいものだ。林文子さんいつまでもお元気でお仕事を続けてください。投稿日:2016.07.07
不安な時こそ勉強して自信をつける、勉強は自分に大きな自信を与えてくれるとあり、不安な自分の背中を後押ししてもらった気分になりました。
悩む前に、まず今日やるべきことを全力でやってみる、この積み重ねが…充実感に繋がるのですね。
続きを読む投稿日:2021.11.15
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