日本の医療制度改革がめざすもの
辻哲夫(著)
/時事通信社
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元厚生労働事務次官である著者が、医療制度改革、方法論について余すところなく解説。医療、看護、介護、行政・医療保険関係者におすすめの一冊。
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商品情報
- シリーズ
- 日本の医療制度改革がめざすもの
- 著者
- 辻哲夫
- 出版社
- 時事通信社
- 書籍発売日
- 2008.06.10
- Reader Store発売日
- 2015.05.16
- ファイルサイズ
- 22.9MB
- ページ数
- 178ページ
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この作品のレビュー
平均 4.3 (3件のレビュー)
-
著者は元厚生労働省事務次官。
2008年3月に退職し、4月から田園調布大学教授に赴任した当時に発表した本。その後東京大学高齢社会総合研究機構特任教授。
厚生労働省在職中に、医療制度改革に携わった。
…これは良書。
昨今の特定検診・特定保健指導や、後期高齢者医療制度など、少子高齢化が進む中での社会保障制度再編の一環として行われている医療制度改革について、担当者自らが、その目的と実現手法について解説。明快で分かりやすく書かれています。
メタボ検診とか生活習慣病とか、療養病床の再編、ジェネリック医薬品、産科医や小児科医の不足とか、最近良く見かける言葉が、どういう社会背景と政策を基に出てきて、厚生労働省がなにをどう進めようとしているか、(当時の)最新の見取り図が示されています。
ここで示されている理念や目的に異論はありません。それに反論できる人はいないと思う。
本書を読むと、後期高齢者医療制度にあれだけ反対したマスコミや議員達は、いったい何をどうしたいんだろうと思えてくる。ただし、このへんの議論や報道はほとんど読んだことはないんで、一方的な印象なんですが。
最近の厚生労働省のドタバタぶりを見ると、ここまで緻密に考えても、実際に実現するとなると、話しは別ということになるのかな。
ただ、この本は、現実に差し迫った問題に対して、批判する側や傍観する側としてではなく、具体的な解決策を考え、そのための枠組みを提示しようとする人が書いた本。淡々と書かれているようにみえるけれども、非常に熱い本です。続きを読む投稿日:2018.09.21
厚生労働次官まで歴任した医療制度の専門家による、医療制度の問題点と解決の方向性について論じた本。10年前の改革について、その経緯と解説が詳しく書かれているが、なかなか難しい環境の中で進められたことが感…じられる。今後さらに抜本的な改革が必要と考える。もっと大幅に給付を減らすともに、同じ診療には同じ点数となっている診療報酬は変えなければならない。また、医師の技量によって報酬も変えるべきであって、もっと医療の世界にもビジネスの考え方を取り入れるべきであろう。
「小規模な地域密着型サービスといわれているシステムを導入したり、グループホーム、ケアハウス、有料老人ホームといった居住系のサービスを基本とする方向に変えていこうというのが今回の介護保険の改革の思想です」p27
「(行動変容)塩辛いものをやめた後に塩辛いものを食べると抵抗を感じる、甘いものを控えていると甘過ぎるものを食べると抵抗を感じる」p43
「日本の平均在院日数は国際的に見ても長いことで有名」p76
「住宅政策との連携」p92
「病院勤務医の不足が大きな問題となっていますが、それへの対応として病院機能の重点化、集約化の必要性が、地方の病院から高まってきています」p113
「日本の医薬品市場は世界市場の約10%を占め、国別に見たシェアでは、アメリカに次いで世界第二位」p118
「医療機関や調剤薬局に支払う際の公定価格を薬価と呼んでいますが、医療機関や調剤薬局が実際に医薬品を購入する時の価格はそれより低いものとなっており、その差額が医療機関や調剤薬局の利益となっていました(見直しによりスパイラル的に薬価は下がり続ける)」p118
「薬価が下がり続けるといった傾向の下では、革新的な医薬品を開発する土壌が育ちにくく、なおかつ医療機関が薬価差益を求める行動に偏る」p119
「(1973年)老人医療の無料化と高額療養費制度(最大月3万円の支払い)」p124
「今回導入した後期高齢者医療制度は、都道府県単位で設立される市町村の広域連合であり、その保険料は都道府県ごとに設定され、地域ごとの医療費の水準を反映したものになる」p129
「高齢者ケアで最も大切にしなければならないことは食べること」p167続きを読む投稿日:2019.09.13
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