青いバラ
最相葉月(著)
/新潮社
作品情報
科学の進歩と人間の夢が結び合う、青いバラの創造。「青いバラ」の夢に憑かれた園芸家鈴木省三の熱情、バラの花市場の研究開発、科学者たちの論争…。バイオテクノロジー最新事情を網羅しつつ、人間の欲望と科学の未来が結びあうバラ作りの夢を追う渾身のノンフィクション。
もっとみる
商品情報
- シリーズ
- 青いバラ
- 著者
- 最相葉月
- ジャンル
- 教養 - ノンフィクション・ドキュメンタリー
- 出版社
- 新潮社
- 書籍発売日
- 2004.06.01
- Reader Store発売日
- 2013.06.21
- ファイルサイズ
- 1.1MB
以下の製品には非対応です
このコンテンツは”PRS-650/350”には端末の制約により対応しておりません。予めご了承ください。
この作品のレビュー
平均 3.9 (12件のレビュー)
-
不可能への挑戦
サントリーから出されるようにはなりましたが、やはり青いバラは高級品であり、そこらの花屋で見られるモノではないですね。
Γ青いバラ」=Γ不可能」へ飽くなき挑戦をした人びとの話です。今では単行本で出された…頃とは技術も進化し、状況も異なるのでしょうが、沢山の方が関わって今につながっていると思うと頭が下がります。
ΓプロジェクトX」という感じの一冊です。続きを読む投稿日:2013.09.30
-
最相葉月(1963年~)氏は、関西学院大学法学部卒、広告会社、出版社、PR誌編集事務所勤務を経て、フリーのノンフィクションライター。『絶対音感』で小学館ノンフィクション大賞(1998年)、『星新一 一…〇〇一話をつくった人』で講談社ノンフィクション賞(2007年)を受賞。そのほか、大佛次郎賞、日本SF大賞等を受賞。
本書は2001年に出版、2004年に新潮文庫で文庫化、2014年に岩波現代文庫で復刊された。
私はこれまで、著者のエッセイ集『なんといふ空』、『れるられる』、ノンフィクション作品『絶対音感』、『東京大学応援部物語』、『セラピスト』を読んできたが、その感性と徹底した取材スタイルが好きで、本書についても新古書店で目にして手に取った。
本書は、西洋において“不可能なことのシンボル”とされる「青いバラ」を巡って、バラが登場する古今の文学作品、遺伝子組み換え等のバイオテクノロジーの技術、近現代日本のバラをはじめとする花卉産業の歴史、青いバラを作るための様々な取り組み等を記したノンフィクションである。また、生涯で100を超えるバラの品種を作出し、数々の国際的な賞を受賞した、「ミスターローズ」とも称される鈴木省三(1913~2000年)氏に繰り返し行ったインタビューの内容が随所に挿入されている。
私は、「青いバラ」が不可能のシンボルであることは知っていたし、そう言われる以上は、相当昔から、人々は青いバラを求めて様々な努力をしてきた(探すなり、作ろうとするなり)のだろうと漠然と思ってはいたのだが、遡ると、既にギリシア・ローマ神話の中に記述があるのだという。
ところが一方で、(私は、バラに限らず、花について特段の知識も関心もあるわけではない)青いバラを思い浮かべてみると、既にどこかで見たことがあるような気がして、ネットで検索すると、実に鮮やかな(りんどうのような)青いバラがいくつも出て来る。しかし、これは白いバラの茎の部分から青い染料の入った水を吸い上げさせて作ったもので、本来の青いバラとは呼ばないのだという。そして、本物の青いバラというのは、本書にも登場するサントリーが、2004年に、世界で初めて、遺伝子組み換えにより「アプローズ」(青というより紫に近い)を作ることに成功したとあった。
鈴木省三氏は「青いバラができたとして、さて、それが本当に美しいと思いますか」と語ったというが、その言葉には様々な意味、複雑な思いが含まれているのだろう。ミスターローズと呼ばれた男が、もう少し「遅く」生まれていれば、自分の手で青いバラを作ることができたかもしれない。。。しかし、遺伝子組み換えによって作られたバラは、本当のバラと言えるのか。。。
私は、基本的にバイオテクノロジー(の行き過ぎ)に対して疑問を持っており、青いバラくらいならと思う一方で、人間の欲望がどこかで留まり得るのか、非常に強い懸念を抱いている。
著者は本書の中で、「青いバラ」をテーマに実に幅広い分野を行き来し、それが本書の面白さであることは論を俟たない。が、冒頭の「問い」の章には、著者が本書を書くに至ったきっかけ・問題意識が明確に書かれており、それこそが著者が本書により最も提示したかったことではないかとも思うのである。
(2024年1月了)続きを読む投稿日:2024.01.12
新刊自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
※新刊自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新号を含め、既刊の号は含まれません。ご契約はページ右の「新刊自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される「増刊号」「特別号」等も、自動購入の対象に含まれますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると新刊自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約・新刊自動購入設定」より、随時解約可能です続巻自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
- ・優待ポイントが2倍になるおトクなキャンペーン実施中!
※続巻自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新巻を含め、既刊の巻は含まれません。ご契約はページ右の「続巻自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される特別号等も自動購入の対象に含まれる場合がありますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると続巻自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約自動購入設定」より、随時解約可能ですReader Store BOOK GIFT とは
ご家族、ご友人などに電子書籍をギフトとしてプレゼントすることができる機能です。
贈りたい本を「プレゼントする」のボタンからご購入頂き、お受け取り用のリンクをメールなどでお知らせするだけでOK!
ぜひお誕生日のお祝いや、おすすめしたい本をプレゼントしてみてください。※ギフトのお受け取り期限はご購入後6ヶ月となります。お受け取りされないまま期限を過ぎた場合、お受け取りや払い戻しはできませんのでご注意ください。
※お受け取りになる方がすでに同じ本をお持ちの場合でも払い戻しはできません。
※ギフトのお受け取りにはサインアップ(無料)が必要です。
※ご自身の本棚の本を贈ることはできません。
※ポイント、クーポンの利用はできません。クーポンコード登録
Reader Storeをご利用のお客様へ
ご利用ありがとうございます!
エラー(エラーコード: )
ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。