ロマンポルノの時代
寺脇研(著)
/光文社新書
作品情報
あの作品、あの監督、あの女優……。終焉から四半世紀経った今も、人々の記憶に強く残り続ける「日活ロマンポルノ」。映画評論家としてそこに深く関ってきた著者が、日本映画史上に輝いた「ロマンポルノの時代」を鮮やかに描き出す。女優のみならず、従来の評論であまり触れられてこなかった脚本家、プロデューサー、男優たち、そして80年代の名作にも目を向ける。愛とエロスの16年半、1000作品の封印を、今解く!
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商品情報
- シリーズ
- ロマンポルノの時代
- 著者
- 寺脇研
- 出版社
- 光文社
- 掲載誌・レーベル
- 光文社新書
- 書籍発売日
- 2012.07.20
- Reader Store発売日
- 2012.08.31
- ファイルサイズ
- 0.5MB
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この作品のレビュー
平均 3.3 (5件のレビュー)
-
監督を語ること、女優を語ることはすでに随分なされているため、それ以外に絞った本とのこと。
筆者の年齢的にも黄金時代がリアルタイムではなかったためか、ロマンポルノ後半に対する記述が多く、また誰もが認め…る名作に対しての記述が少ない。
リアルタイムを全く経験していなく、そしてその時代と作品と監督を知りたい自分からすれば少しずらされているイメージ。
ただし、根岸吉太郎以降にも当然名監督・名作品は存在するため、それらに目をひらかせてくれた点で読む価値はあった。
また、ロマンポルノ後半中心の本と言ったが、70年代前半のキネマ旬報・映画芸術におけるランキング状況をかなり詳細に、それこそ誰が評価したか、のレベルでフォローしていることは、価値ある資料整理をしてくれた、となるのであろう。
なお途中に頻発する筆者ご自身の若き日の文章は多くは読み飛ばしてしまった。続きを読む投稿日:2021.11.04
71年から88年まで続いた「にっかつロマンポルノ」に捧げるオマージュのような本。Kindle Storeで衝動買い。著者は僕よりちょうど10才年長で、80年代に活躍した根岸吉太郎や中原俊とほぼ同世代…で、80年代の作品に対する思い入れも強い。僕のロマンポルノ体験はやっぱり80年代だったので、馴染みのある作品や女優が取り上げられていると、とても懐かしくなる。たとえば、片桐夕子、桃尻娘と竹田かほり、天使のはらわた、風祭ゆき、狂った果実、寺島まゆみ、山本奈津子、百合族、などなど。
といっても、僕は、当時は女性と付き合ったこともない大学生だったし、著者のような日本映画オタクだったわけでもないので、性や愛の本当の意味も男女関係の襞も理解できないし、この本に書かれているような日本映画全体における位置づけもわかっちゃいないし、ただドキドキしながら女優たちを見ていただけなのだが。
もし本書に取り上げられているロマンポルノ作品がそのままKindleで(DVDではなくストリーミングで)買えるなら、僕は間違いなくその何本かをポチッとしていただろう。そういう意味では、日本ではAmazon Instant Videoのサービスが始まっていないのは、僕らとしては残念だし、コンテンツ業界としても機会損失になっているのではないだろうか。
著者が文科省のキャリア官僚だったというのも興味深いけど、「おわりに」では、それまで日本の映画などの公開に厳しい制約のあった韓国で開催された日韓文化交流のイベントで、著者が多くの日本映画とともに数本のロマンポルノを選んだときに、韓国ではおおむね好評だったにもかかわらず国内からバッシングを受けたことが書かれている。
「(ロマンポルノを韓国で上映した人に)共通するのは、ロマンポルノという名称に対するいわれなき差別である。個々の作品を観て、下品だの下劣だの言うのではなく、最初からレッテルを貼っている。男女の情交場面を描くのがいけないというなら、ポルノと銘打たない現在の作品だって同じだろう。」
「ロマンポルノは20年以上前、昭和と共に終焉を迎えているため、実際のそれを観ている人が少なくなっている。イメージだけで蔑まれる傾向があるのは否めない。この本を読んでくださった方々には価値をお解りいただけても、世間の眼は冷たく、単なるポルノ映画扱いされる場合も多い。」
そして、「それが口惜しくて、ロマンポルノの味わいを持った映画を今、自分の手で作ることにした。平成のロマンポルノを作り上げ、広く公開することによって、昭和のロマンポルノの良さを再現できればと思っている。」となる。素晴らしい!
『平成のロマンポルノ』である「戦争と一人の女」は2013年GWに公開されるようだ。さっそくFaceBookでも「いいね!」を押した。公開を楽しみにして待っていようではないか。
http://eiga.com/news/20120911/1/続きを読む投稿日:2019.01.05
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