姉の愉悦
うかみ綾乃(著)
/幻冬舎アウトロー文庫
作品情報
「ずっと一緒よ。私たちは、離れないの」。凪は枕元に置いてある赤い毛糸を手繰り寄せ、両端に作られた輪っかを弟の漣と自らの首にかけた。ふたりが離れると、互いの首が絞まるようになっている。両親を亡くして以来、ふたりはずっとそうして寄り添って生きてきた。「気持ちいいよ、漣。もっと感じてもいい? 姉さん、我慢できないの。ここが苦しくて……」。第二回団鬼六賞を受賞した注目の女流官能作家が描く、切なくも狂おしい傑作情痴小説。
商品情報
- シリーズ
- 姉の愉悦
- 著者
- うかみ綾乃
- 出版社
- 幻冬舎
- 掲載誌・レーベル
- 幻冬舎アウトロー文庫
- 書籍発売日
- 2012.02.06
- Reader Store発売日
- 2012.06.29
- ファイルサイズ
- 0.3MB
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この作品のレビュー
平均 5.0 (1件のレビュー)
-
圧巻の悪女ぶりに震えながら読書の愉悦を満喫
男の視線をとらえて離さない美貌がある。そんな艶麗さに周囲の誰もが振りむく年齢となり、美の極致に入った姉。そして忍び寄る貧困の陰。
姉の生き方に憐憫の情を抱きながら、圧巻の悪女ぶりに呆然とさせられた。海…辺の片田舎では、まさしく危険過ぎる存在なのだ。罪は本人に宿っているのか、それとも美貌自体に憑いているものなのか、終盤までずっと懊悩煩悶とさせられた。
美しさゆえに、事件が踵を接いで発生する。これはスリルなんてもんじゃない。暴虐が暴虐を呼び込むサイクルを止めて欲しい、と途中で作者に懇願したくなったほどだ。
美の罪を見事語り尽くした快作。美し過ぎる官能作家との呼び声のある作者だが、純然たる文芸作品として読書の愉悦を満喫できた。変わり身という面で、あまり見たくない人間の卑しい部分の描き方がことさら秀逸。
――私の見出した結論としては、姉が悪いのではなかった。原罪は、男を狂わせる美しさに宿っていた。
ラストシーンで、和紙に墨汁がしみ込んでいくように、全ての納得が心の深奥に入っていく感じだった。続きを読む投稿日:2014.01.30
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