北町奉行所・同心の中根興三郎の生きがいは朝顔栽培、いつか黄色い朝顔を咲かせるのが夢だ。仕事は閑職、奉行所員の名簿作成係である。時は安政、井伊大老と水戸徳川家の確執や、尊王攘夷の機運が高まっているが、そんなことはこの“朝顔同心”には無縁、長身の身体を縮めるように暮らしている。だが江戸朝顔界の重鎮、鍋島直孝を通じて、宗観と呼ばれる壮年の武家と知り合ったことから、興三郎は思いも寄らぬ形で政情に巻き込まれてゆく。松本清張賞受賞作。
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朝顔栽培が生きがいの同心・中根興三郎はある日、
菊作りで糊口をしのぐ御家人の中江惣三郎と知り合った。
だが帰り路、興三郎は何故か中江と間違えられ、
謎の侍たちに襲われかける。
じつは中江は金のために菊を使い悪事を重ね、恨みを買っていたのだ。
興三郎は憤りつつ、彼の行動を調べ始めるのだが・・・・・・。
解説・内藤麻里子
※この電子書籍は2019年9月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
松本清張賞受賞作『一朝の夢』姉妹篇。あの“朝顔同心”が再び登場!
ときは前作から遡ること5年。ひとりの植木職人が殺され、物語の幕が開きます。江戸を襲った安政の大地震、相次ぐ付け火――。朝顔栽培が生き甲斐の同心・中根興三郎は、一見無関係なこれらの事件に潜む真実を暴けるのか? -
北町奉行所・同心の中根興三郎の生きがいは朝顔栽培、いつか黄色い朝顔を咲かせるのが夢だ。仕事は閑職、奉行所員の名簿作成係である。時は安政、井伊大老と水戸徳川家の確執や、尊王攘夷の機運が高まっているが、そんなことはこの“朝顔同心”には無縁、長身の身体を縮めるように暮らしている。だが江戸朝顔界の重鎮、鍋島直孝を通じて、宗観と呼ばれる壮年の武家と知り合ったことから、興三郎は思いも寄らぬ形で政情に巻き込まれてゆく。松本清張賞受賞作。
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