老人にだって恋心がある。人生の黄昏時にだって激しく輝く愛がある。弘兼憲史が、そんなコミックの未踏の領域に渾身の力で挑む。52歳の盛本芳春は、入社以来、30年間わき目もふらず仕事に励み、現在は銀行支店長の座にいる。会社人間で、本社への復帰を夢見ていたが、ある日系列会社への出向を打診され、呆然。自分の人生に疑問を感じて、ヤケ気味にスイス・マッターホルンへの旅行を決意。そこで優雅で上品な妙齢の日本人女性、誠子と知り合う。
便利な購入方法
-
-
与党議員に野次を飛ばし、強行採決ともなれば議長席めがけて飛びかかる。そんな少数野党の参議院議員・小坂田朋子。議員仲間にも煙たがられ、ボーイフレンドいない歴46年の彼女だが、そんな朋子にも忘れられない淡い恋の思い出があった。ある日、母校の大学の講演にやって来た彼女は・・・。
-
一流会社の取締役である長男・哲郎、弁護士の次男・信次、小さなデザイン会社に勤める三男・和雄、そして外科医の四男・涼。そんな息子たちを残し、著名な小説家が死んだ。残されたのは、銀行の普通預金265万円と宛名の無い4通の遺言状。「それぞれが1通ずつ封筒を取るように」とのことだが・・・。
-
片田舎で農業をしながらのんびり暮らす若者・小野ヒロシは、最近、母親の光子に元気がないことを心配していた。そんなある日、家の収納棚から光子宛の沢山の手紙を発見したヒロシ。手紙を読んでみると菅谷という名の男から来たものばかりで、2人はずいぶん長い間、手紙のやりとりをしていたようであったが・・・。
-
銀座のホステスを家まで届ける「送り」の運転手をしている稲本は、家族に逃げられ社会からもドロップアウトした「最低のオヤジ」。女たちにも不愛想に接していたが、なぜかホステスのひとりが彼に興味を持ち自宅へと誘惑する。ベッドで稲本が見たものは・・・。
-
30年もの間、北野と元銀座のママ・久美子は愛人関係を続けてきた。久美子の提案でハワイ旅行にやって来たふたりだったが、最近増してきた久美子への嫌悪感から、北野は関係を終わらせようと秘かに決意していた。そんななか、久美子に掛けられた保険金のことを思いだした北野は・・・。
-
15年前、飛行機事故で突然に夫を失った入間川節子。以来、独身を貫き続けていたのだが、最近インターネットのサイトで知り合ったワイン好きの男とメール交換を続けていた。ワインの話で意気投合したふたりは日曜日に会う約束をするのだが・・・。
-
元外交官で、超エリート人生を歩んできた片岡は、70歳になり、家庭の事情から老人ホームに入ることになった。片岡が選んだのは、中学生のころまで住んでいた地方都市にある庶民的なホーム。そこには国民学校時代のマドンナ・富田静枝も入園していた。
-
かつてコーチとして女子マラソンの金メダリストを育てた男・末長は、現在では酒とギャンブルで身を持ち崩し、人生のどんづまりまできていた。そんな末長に、低迷する女子長距離界を憂う大賀化成陸上部が声をかけるが、彼は相手にしようとしない。
-
宮本武蔵にあこがれ、武蔵の故郷・岡山にやってきた真野あさみ。職場の上司と不倫の関係にあった彼女は、妻に浮気がばれて別れ話を持ち出してきた男に愛想を尽かし、武蔵ひと筋に生きることを決めたのだった。武蔵の墓を訪れたあさみは、足を滑らせてガケから転落してしまい・・・。
-
警察官を退官した梶山稔は、今は息子夫婦のもとで静かな余生を送っている。ある日、保険金目当ての尊属殺人のニュースを耳にした梶山は、「母親が我が子を殺すはずがない」という理由で事故と判断された、30年前のある事件を思い出す。あれは本当に事故だったのか・・・。
-
35年連れ添った夫・大造が亡くなる5日前にふと発した「ありがとう、小鴨さん」という言葉。大造の亡き後、妻・光子は、名前に聞き覚えのないその人物がだれなのか、ずっと引っかかっていた。そんなある日、光子は息子に勧められるまま、ひとりで京都へ旅することに・・・。
-
2017年の日本。老人人口が増え、長生きは罪悪だという考えが世の中に広まっていた。そんな中、70歳の男性・塚原は快楽の中で往生できる薬・パライソの噂を聞き、購入する。その直後、塚原は同じく薬を購入した見知らぬ女性から声をかけられる・・・。
-
-