仕事の報酬とは何か 人間成長をめざして
田坂広志(著)
/PHP文庫
作品情報
あなたは、何のために働くのですか? こんな問い掛けに、あなたならどのように答えるだろうか。生活をしていくお金を稼ぐため。しかるべき地位に就きたいから。こんな答えが返ってきそうだ。しかし著者はいう。「何のために働くのか」という、この問い掛けと、その答えにこそ、今後の長い人生を左右するような、大きな意味が込められていると。給料や収入、役職や地位は、たしかに働いた結果得られる「報酬」に違いない。ところがこれらは、使ってしまえば無くなる報酬であり、その仕事を離れれば失ってしまう報酬である。しかし著者は、目には見えないが、一生失うことのない「最高の報酬」がある、と説く。それは、仕事という作品の創造を通して得られる、技術の熟練、人との出会いと学び、完成の喜び、その結果としての「人間的成長」であるというのだ。『なぜ、働くのか』に続く、好評の書籍講話第二弾は、人生を深く静かに見据えた新人生論である。
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商品情報
- シリーズ
- 仕事の報酬とは何か
- 著者
- 田坂広志
- 出版社
- PHP研究所
- 掲載誌・レーベル
- PHP文庫
- 書籍発売日
- 2008.07.18
- Reader Store発売日
- 2011.08.19
- ファイルサイズ
- 0.4MB
- ページ数
- 182ページ
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この作品のレビュー
平均 3.9 (28件のレビュー)
-
仕事の報酬とは何か
人間成長をめざして
著:田坂 広志
PHP文庫 た51 4
仕事の報酬とは何かという問いについて、筆者は、何のために働くのかという
問いに置き換えています。
仕事の報酬を目に見…えるものと、目に見えないものとに分けていることも新鮮です
そこには、プロフェッショナルとしての矜持がある
気になったのは、以下です。
・我々は、いつも「目に見えるもの」に目を奪われてしまう
「目に見えるもの」だけを見つめてしまう
・では「目に見えない報酬」とは、何か
①能力 職業人としての能力がつく
②仕事 懸命に仕事をすると、良い「仕事」を残すことができる
③成長 人間として成長ができる
・我々は、無意識に1つの錯誤に巻き込まれてしまう
収入や地位というものが、結果として与えられる報酬であることを忘れ
自ら求めて得るべき報酬であると考えてしまうのです
■能力
・一つひとつのスキルを、工夫しながら、身につけていく
・いかなるスキルも、センスも、テクニックも、ノウハウも、仕事の現場での厳しい修練を通じて
忍耐力を持って、粘り強く学んでいかないかぎり、決して、身につくことはない
・スキルやセンス、テクニックやノウハウを身につけるために、「秘訣」とでも呼ぶべきものがあるとすれば
それは、ただ一つ。
「狭き門」より入れ
・シンクタンクのプロフェッショナル。むしろ深く感銘を受けたのは、彼らの愚直なほどに努力する姿です
・専門的な知識、という、ナレッジの段階から職業的智恵とでも呼ぶべき高度なスキルの段階まで、いかにして
プロフェッショナルとしての能力を高めていくか、それが勝負になってくるわけです
・師匠を見つける
・プロフェッショナルのスキルというものは、そもそも、言葉で表せない智恵であるため、
参考書や専門書、テキストやマニュアルでは伝えらないのです
・直伝、それは師匠から弟子に対して1対1の関係で、直接に伝えていくもの
・師匠から学ぶもの
①呼吸 リズム感、バランス感覚
②着眼 師匠から、着眼を学ぶ必要がある、それは反省をするために
反省を通じてこそ、スキルを改善していける
プロフェッショナルとして腕を磨くためには、この反省ということが極めて重要です
着眼とは、言葉を換えれば、コツ、ツボと呼ばれるものであります
③心得 スキルを学ぶ前に、心得、心構え、心の姿勢を学ぶ
師匠とは、与えられるものではない、自身がみずから見つけだすもの
私淑、心の中で、あの方は私の師匠だと思い定め、その方を遠くから見つめながら学ぶ
一芸を学ぶ、誰にも、一芸がある
反面教師として、学ぶ。他人の中にある欠点は、必ず、自分の中にもある
■仕事
・仕事の報酬は仕事だ
・懸命に働くと、良き仕事を残すことができる
・プロフェッショナル集団の中で、最高のほめ言葉は、"Good Job!"
・仕事を通じて、顧客に提供しているものは、単なる商品ではない
それは、作品である
・腕を磨く、だけでは、決して、良き仕事は残せない
・我々が仕事を通じて残すものは、実は、作品ではない 共同作品です
・共同作品を創り出すためには、何が求められるのは、それは、共感です
・相手を操作して意のままに動かすのではない、操作主義ではない
・仲間と共に抱く、志 がなければならない
■成長
・成長こそが、最高の報酬、それは、人間を高めることの喜びだから
・人間としての成長とは何か それは、心の世界に処する力
それは 心の世界を感じる力、それは、心の世界に働きかける力 です
・仕事において、仲間の心の世界は、しばしば、自分の心の世界を映す出す「鏡」だからです
・いかにして、その「人間としての成長」を得るか
それは、格闘することです、人間の心と格闘することです、正対することです
・相手の心と正対し、相手の心を理解することです
そして、相手に心を伝えようとすることでう
そのとき、そこには、「心の格闘」とでも呼ぶべきものが生まれます
・そのため、仕事が壁に突き当たったとき、
ときに、お互いの心が、摩擦で軋み
ときに、お互いの心が、誤解ではなれる
しかし、それにもかかわらず、我々は、
その軋む心や、離れた心に、どう処してよいか、わからない
・そのとき、我々は、迷い、悩み、そして、苦しみます
・我々は、人間の心というものと、格闘しなければならない
・マネジャーは、人間の心よりさらに難しい
人間集団の心と格闘しなければならなくなるのです
・マネジャーや経営者という地位は、
職場や会社の仕事の重い責任を背負い
五里霧中のなか、決断し、組織を率いていく立場
そして、何よりも、部下や社員のかけがえのない人生を預かり、
その人間集団の心と格闘しながら、歩んでいく立場
・だからこそ、マネジャーや経営者は大きく成長できる
目次
第1話 目に見えない三つの報酬/能力・仕事・成長
第2話 腕を磨くことの喜び/職業人としての能力
第3話 いかにして腕を磨くか/呼吸・着眼・心得
第4話 いかにして師を得るか/問われる心の姿勢
第5話 仕事を残すことの喜び/作品としての仕事
第6話 いかにして仕事を残すか/共感と志を求めて
第7話 人間を高めることの喜び/人間としての成長
第8話 いかにして人間を高めるか/心の世界に処する力
第9話 決して失われぬ報酬/歩みを終えるとき
謝辞
ISBN:9784569670669
出版社:PHP研究所
判型:文庫
ページ数:192ページ
定価:476円(本体)
発売日:2008年07月17日第1版第1刷
発売日:2016年03月29日第1版第8刷続きを読む投稿日:2024.04.22
仕事の報酬には「目に見える報酬」と「目に見えない報酬」がある
目に見えない報酬は、能力、仕事、成長
私たちはいつも「目に見える報酬」に目を奪われがち
目に見えない報酬に目を向けるべき、という著者のメ…ッセージ
給与や役職、地位と言うのは、目に見える報酬。結果として得られる報酬。
しかし、目に見えない報酬の能力、仕事、成長は自ら求めて得るべき報酬。
最高の報酬とは「人間としての成長」
それは失われない報酬だから
日々の仕事の中から無限の報酬を得るように意識することが大切
そのためには、、、
・目に見えない報酬を見つめる力
・身に見えない報酬を求める心の姿勢
が必要。続きを読む投稿日:2022.02.09
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