スクールカウンセラーの仕事
伊藤美奈子(著)
/岩波アクティブ新書
作品情報
学校に配属されるようになったカウンセラーは、子どもの悩みを聞くだけでなく、教師や保護者の相談にも応じなければならない。学校行事にも積極参加し、教師の研修や広報活動に駆け回る。子どもたちがどんなことに悩み、教師はどんな問題を抱えているのかを介しながら、スクールカウンセラーに何が求められるのか考える。
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商品情報
- シリーズ
- スクールカウンセラーの仕事
- 著者
- 伊藤美奈子
- 出版社
- 岩波書店
- 掲載誌・レーベル
- 岩波アクティブ新書
- 書籍発売日
- 2002.06.05
- Reader Store発売日
- 2010.12.17
- ファイルサイズ
- 0.5MB
- ページ数
- 178ページ
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この作品のレビュー
平均 4.5 (3件のレビュー)
-
カウンセラーになるために臨床心理士の資格を取ろうとする若者が増えている。その背景にはスクールカウンセラーの必要性が認識されるようになり、配置校が過去6年間に20倍にもなっているという事実があるのだろう…。本書ではスクールカウンセラーの仕事を紹介すると同時に、現代社会で子どもがかかえる問題について触れられている。私が、20年も前のことではあるが、アメリカの高校に1年間在籍したときにも、カウンセラーと呼ばれる人はいた。しかしその人の役割は、アラカルト方式でどの教科をどう選択していけばよいかまったく分からない私にアドバイスをするというものだった。異国の地で1人思い悩んだときに相談するという相手ではなかった。現在、言われているスクールカウンセラーにはどのような仕事があるのだろう。もちろん、その学校で問題をかかえた子どもたちの話を聴くということがまずあげられるだろう。ただここでふつうのカウンセリングと学校におけるそれとの違いが出てくる。それは、話の内容をどこまで秘密にするかだ。学校ではそれぞれの生徒に担任の先生がいる。その先生との協力体制がなくて、カウンセラーだけで何もかもうまくいくはずがない。だけれども、子どもたちは先生ではないから話すということもあるだろう。もし、自分の話が担任に筒抜けだということを知ったら、その子どもはもうカウンセラーのもとには来なくなるだろう。そこでスクールカウンセラーは非常に悩むことになる・・・らしい。他には、不登校の生徒に対する対処、保護者への対応、さらには教師のサポート。このような仕事があげられる。特に最近は、30年も教師を務めてきたような人が、学級運営がうまくいかず、クラスが崩壊し、自分自身精神的苦痛に耐えられなくなることが多いようだ。これは、いわゆる私立のトップ校でも、学年・クラスによっては同じようなことが起こっているそうだ。そこに現代社会の問題を見つけることが出きる。貧しい時代を通り過ぎ、今ではものがあふれ、便利なことが最も優先される世の中になった。子どもに我慢を強いる必要がなくなっている。ダメなことをダメとはっきり言う存在がいなくなっている。そんな中で子どもたちは何を規範として生きていけばよいのかが分からなくなっているのではないか。はっきり善悪を伝えることのできる父親的役割が、家庭、社会に求められているのだろう。続きを読む
投稿日:2015.09.07
すぐ読み終わったのだけれども、もしかして一度読んだことあるのかも…?
SC関連の記事でよく見る著者名であったため読んだ本。先生との協働の話や不登校の話、外部であり内部であるSCの話など詳しく書いて…ありよくまとまっていると思った。2002年出版ということは、公立中学校にSCを配置する事業が始まってすぐに書かれた本だということであるが、今でも重要とされるポイントが示されている。
その一方で、SCが普及してきた今では、変化している点もあるのだろうと考えられる。そのため、最近書かれたSCに関する本も読まなきゃいけないと思った。続きを読む投稿日:2015.07.07
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