【感想】本当のウクライナ - 訪問35回以上、指導者たちと直接会ってわかったこと -

岡部芳彦 / ワニブックスPLUS新書
(6件のレビュー)

総合評価:

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  • 遠いようで、隣の隣のこと

    ソ連崩壊を見に行くツアーに高校生で参加して以来ロシア・ウクライナを繰り返し訪問し、指導教諭の勧めもあってウクライナの要人と積極的に会ってきた著者ならではの視点から現状を多角的に検証する。ウクライナ寄りのポジショントークには気をつけないといけないが、それでもやはりプーチンの戦争は妄想・暴走としか思えない。
    コンパクトな内容ながら、とても勉強になった。
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    投稿日:2022.07.06

ブクログレビュー

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  • garboflash

    garboflash

    ウクライナ研究の第一人者だけが知るリアルなウクライナの姿を書いた本です。
    日本との交流の歴史や政権トップ層の人となりがわかる一冊です。

    投稿日:2023.07.09

  • kun92

    kun92

    ウクライナにむっちゃ行ってて、民間人の目からリアルなウクライナを紹介する。
    のはいいんだが、薄すぎる上に、個々人のエピソードが多すぎて、そもそもウクライナに何の知識もない人には何のことやらわからない。

    投稿日:2023.05.18

  • 改野由佳

    改野由佳

    ちょっと、実際に会ってますが鼻につく人にはつくかもしれないけど、ウクライナをほんとに知ってる人だと感じた。個人的には同世代の著者さんの父に凄く感動したし、尊敬する。親の立場で、こどもにちゃんと説得させられるのは難しいから。
    書いてあるのは、親子の物語ではなく、ウクライナの現状です。
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    投稿日:2023.01.15

  • Masahiro Sera

    Masahiro Sera

    タイトルの副題にあるように、ウクライナに訪問すること35回以上、ゼレンスキー大統領はじめ歴代の大統領や首相などの指導者とも直接会ってきている背景の中、本書の発刊(2022年7月5日)に至る。
    無論、ロシア(プーチン)のウクライナ侵攻に対する論理性のないことを指摘し、一方で若い指導者が多くソ連から独立して比較的新しい国家ではあるが、支援が必要だと言う立場に立つ。8年も続いている戦争。少なくとも私たちは関心を持ち続けること、そして忘れないことが一番の支援だとまとめられている。

    プーチンは、「現在のウクライナは全てソ連時代の発案によるもので、ロシアの犠牲の上につくられたものだ」と述べ、多くのロシア国民は、そのプロパガンダを信じている。
    しかし歴史的にはロシア人、ウクライナ人、ベラルーシ人の元になる古代ルーシの子孫で、国家としては9世紀末現在のウクライナからロシアにまたがる地域にあったキーウルーシに起源が求められる。

    20世紀初頭に極東に移民したウクライナ人は、満州にも移動し「緑ウクライナ」と呼ばれた。満州のハルビンには6万人以上の白系ロシア人が住んでいたが、うち1.5万人はウクライナ人だった。その中の民族主義者と日本人との意外な接点があったこともこの書で知った。
    尚戦後も多くのウクライナ人政治犯は、シベリアでの矯正収容所に残されたらしい。
    民族主義者主義活動を行うのも理由があり、1932年前後、スターリンが進める集団農場による無理な穀物徴発によって、国内的には大飢饉ホロドモールが起き、少なくとも400万人が亡くなったと言う。
    こんな歴史を国民は知っており、基本的にロシアの言うことを信じていないのだ。
    なぜ国民に犠牲を強いる戦争を続けるのか、と言う言葉を聞くが、それをしたらウクライナと言う国が無くなり、彼らのアイデンティティーも無くなってしまうのだ。
    つまり彼らにとって、自分たちのアイデンティティーを守るための戦いなのだ。
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    投稿日:2022.09.18

  • DJ Charlie

    DJ Charlie

    最近は「ウクライナ…」と随分と頻繁に耳目に触れる他方、「ウクライナ??」という様相であることから免れられていないように思っている。そういう意味で、この著者御自身の経験したことも交えた、エッセイ風な読み易い形に纏まった本書は、なかなかに好いと思った。
    本書の内容から、著者に関して伝わる。著者は1990年代にウクライナに魅せられ、その文物の紹介や政治情勢の分析、その他にウクライナが関与する国際協力系統の事案に携わり、加えて大学教員としてロシアや旧ソ連諸国との学生(青年)交流を指導・支援するというような活動も展開しているようである。題名にも在るように、ウクライナに訪問した経過だけで何十回という次元になっていて、彼の地で「日本の学識者…」ということも在って色々な方に御会いする機会も在り、また意気投合して友人関係で交流している例も交っていて「ウクライナに纏わる様々な知見を有する」という意味で、日本国内の“第一人者”に数えられるであろうという方だ。
    こんな著者による本書だが、前半に関しては「“ウクライナ”のあらまし」を広く伝えようというような内容と、「ウクライナに縁が深い人達と日本の人達の意外な交流経過」というような内容になっていた。半ば以降が、「(主に1990年代半ば以降の)ウクライナ政治史」を“人物”という切り口を多用して語る内容になっている。加えて、2014年頃から現在に至る“戦禍”を巡る様々な事柄が語られている。
    また本書の中には、所謂“北方四島”を訪ねた際の見聞、「ウクライナに関する教育現場での情報提供」のようなモノを偶々視て覚えた“違和感”のようなモノについての言及も在った。これも少し考えさせられる内容だった。(因みに、自身は“北方四島”については全く訪ねたことが無い…)
    著者の言によれば「隣の隣の国」ということになるウクライナである。確かに“距離”こそ少し在るが、巨大なロシアが隣で、その隣なのでウクライナは「隣の隣の国」だ。新鮮に聞こえて気に入った表現だ。著者は、その「隣の隣の人達の声」を丹念に拾うとか、「或いは誤解?」を正すという発言を続けているようだ。
    「上位2名による決選投票」という方式になる大統領選挙の得票として、「大統領支持」は「7割」にもなるであろう。が、「誰が大統領に相応しい?」というような世論調査で色々と著名な人達の名前が挙がる中で、現職大統領が「2割台」の支持になったとして、「そういうもの…」ではないだろうか?こういう「誤解?」を正すような発言が本書には盛り込まれている。
    著者は自身より少し若い。故に「悲しいけれど、これは戦争なのね」という、自身の前後の世代では殊更に有名なアニメに在った台詞を引いていたのは少し惹かれた。著者もウクライナに限らず、ロシアの人達とも交流が在ったが、ウクライナ側の声に寄った発言がロシア側の人に批判される経過も在ったようだ。
    考えてみれば現在のウクライナは1991年以降に登場した「若い国」という面が在る。不思議な多様性を内包しながら、「ウクライナの国民」という意識が形作られようとする過程の中に在ったのかもしれない。そういうモノが、色々な意味で揺さぶられて軋んでいたのがこの10年近くの様相だったのかもしれないと個人的には思っている。そして、本書で「ウクライナ側の声」に寄った様々な話しに触れ、観方は大きく外れたモノでもないという思いが強まった。既に1991年以降の経過は「無視してはいけない経過」なのだと思うが、それを「完全無視」というような考え方が一部に見受けられるのではないかということだ。
    少し前にロシア政府が「非友好国」たる日本の一部の人達―政治家や学識者等―を名指しし、「ロシア入国拒否」とした話しが在った。ウクライナ政府の要人と面識が在り、ウクライナ側が発信する事に関連する発言を重ねた故か、本書の著者はその「ロシア入国拒否」のリストに入ったそうだ。そして本書の中で、それを残念なこととしていた。
    多くの人達が生命の危険に晒されてしまっているような有様は観るに堪えないというようには思うのだが、ウクライナの戦禍は未だ少し長く続きそうな気配だ。そういう中であるからこそ、様々な角度の話題に触れて「考える材料」という程度にするべきだと思う。そうした意味でも本書は有益だった。
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    投稿日:2022.07.06

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