【感想】狼と香辛料XXIII Spring LogVI

支倉凍砂, 文倉十 / 電撃文庫
(7件のレビュー)

総合評価:

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  • 誤字?は直すのかな

    ラーデンとラウド…似た名前だけど
    ラーデンが、「ラーデン様が~」って誰かおかしいと思わないのかな…
    細かいかもだけど読んでてすぐわかるはずの誤字をそのままは残念2箇所もあったよ

    投稿日:2021.09.11

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  • isutabi

    isutabi

    ★旅の間に感じる寂しさとか、悲しさとか、どうにもならぬ苦しい感情もまた、今は楽しいんじゃ(p.265)
    経済(商業)というロジックにより謎を解く一種のミステリかもしれませんね/ぼくにとっては久しぶりのホロとロレンスを愉しみました/ふたたび旅が始まる。

    【一行目】鳥になってその町を空から見下ろせば、黄金色と茶色の絨毯にぽこぽこ茸が群生しているように見えるだろう。

    【狼と宝石の海】ロレンスたちはいまだサロニアの町にいる/頑固なラーデンをホンマモンの司教にしたがっている村人とそのために村を離れるのをいやがっているラーデン/村の産業である鱒の養殖は最近不調/新たな産業である鹿革の加工はまあまあ好調/お互い想い合っているのにすれ違う恋愛初心者のようなラーデンと村人たち。

    【狼と実りの秋】コルとミューリが旅立つ前のニョッヒラ/山に悪魔が?/ミューリ、コル、ロレンス、ホロが調査に(キノコ狩りに)赴く。

    【狼とかつての猟犬たちのため息】エルサ視点/ロレンスに貴族への道が示される/古の戦士ウォラギネが倒しそれによってサロニアの貴族となり関税を手に入れたとされる大蛇とな何のことか・・・想像はつきます。昔の武将は土木工事にも長けていたから/ロレンスが食指を動かしてるようなのはなぜなのか・・・当然ホロのためでしょうけどね。

    【狼と夜明けの色】別れと、旅の再開/《そこで、わっちゃあぬしに注文じゃ。楽しいばかりの毎日も文字どおり楽しいが、わっちゃあぬしの側で、思う存分寂しさも感じたい。あの口うるさい小娘と、ふわふわ鬱陶しい栗鼠との賑やかな日々が唐突に終わって、なにか気持ちを持て余すような感覚も楽しみたいんじゃ。やり場のない悲しみを嚙みしめて、めそめそすることも楽しみたいんじゃ》p.266

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    ■狼たちの旅についての簡単なメモ(香辛料9巻以降=欠損あり/と羊皮紙1~2巻より)

    【証し】《この尻尾と耳と同じ。二つとないわっちの証と思うまでよ》1巻p.76
    【諦める】《なにかのためになにかを諦めるなんてのは、本当は正しくないのだから。》香辛料21巻p.192
    【明日】《明日もまた生きていくのであれば明日につながるものを選択しなければならない。》香辛料2巻p.357
    【新しい村】人々をまとめる強力ななにかが欠けていることが多い。
    【アティフ】港町。北方の海賊たちからの防衛の拠点でもある。
    【アマン】クスコフの町のローエン商業組合商館の主。
    【アラム】セリムの兄。真の姿は狼。傭兵などをしていたが聖女伝説のある旅籠を営むことになった。
    【アルス・ヴィッド】クスコフ仕立て職人組合長。暗い目をしたとげとげしい女。
    【アルテ・プリステル】コルとミューリがラウズボーンで出会った燃えるような赤毛の花嫁。筋骨たくましく、戦士のイメージがある。チェダーノ家のメルクリオと結婚する予定。

    【異端審問官】恐いイメージ。処刑人や拷問使と同じ意味として呼ばれる。

    【ヴァラン司教領】昔、客死した大金持ちの遺言でヴァランという農夫が教会をつくり土地から岩塩なども算出し栄え司教座賜った司教区。今は資源も枯渇して寂れており山では何かが「出る」らしく「呪われた山」と呼ばれている。
    【ヴィノ】タウシッグ村の男。ホロたちの世話係となった。言い伝えの類を語るのが上手い。
    【ウィンフィール王国】教会と仲が悪い。
    【ウォラギネ家旧領地】かつて大蛇を倒した勇者に与えられた旧領地。サロニア近郊にあり今は教会が管理している。サロニアの司教は毎年一定の金額を納めてくれれはこの領地をロレンスに与えるという。それは要するに貴族に取り立てるということでありロレンスも食指を動かす。
    【噂】《噂の力は思いのほか強いからの》2巻p.90

    【エヴァン】テレオ村で粉をひいている気のいい少年。後にエルサの夫となり三人の子をなす。
    【エーブ★】やり手で剣呑な女商人。すべてを憎んでいるようなところがある。元はウィーフィール王国の貴族で本名はフルール。準レギュラーの地位を確立したか?
    【エネク】ノーラが相棒にしている犬。黒く、精悍で、牧羊犬としての能力が高い。本人(犬)には騎士としての誇りがある。ホロとは少々折り合いがわるい。まあ、犬と狼だから。
    【エルサ★】ホロとロレンスの古い知己。最初はテレオ村の修道女で父の管理していた協会をとりあえず引き継いでいた。ちょっと頭の堅い頑固なところがある絵に描いたような聖職者。コルが師事していたこともある。ホロとは仲が悪い。というよりホロが苦手にしているご仁。ホロとロレンスの結婚式を取り持ってくれた。後にヴァラン司教領で再会。サロニアの教会で発言力を持っている。《エルサが聖職者として優秀なのは、こちらの腕の中に上手に義務感を抱かせるからだ。》香辛料22巻p.160

    【黄金の羊】ホロと同種の存在。伝説の羊。今は人の姿をしているかもしれない。
    【狼と香辛料亭★】温泉郷ニョッヒラにある評判のいい湯屋。主人はロレンスという行商人上がりの男。おかみさんはホロといういつまでも若く美しい少女のような女性。
    【オータム】ケソンの孤島のひとつにある修道院でひとり暮らす修道士。コルに強烈な印象を与えた。人が暮らせると思えない苛酷な環境で、生への執着を感じさせない男。黒聖母を彫り続けている。付近の「海賊」たちですら敬意を払って臣下のように従っている。「罪の意識」による信仰心だと自分で言う。《そこにいるのは、罪を食らう動物だった。誰かが刈り取らなければいけない罪を自らが食べ、消化し、また食べる老いた山羊だった。》羊皮紙二巻p.199。この男が例の「月を狩る熊」そのものだったとしても驚かない圧力を感じる。
    【オーラー】エーブに商売の手ほどきをしてくれた商人。没落前からの知己であり、エーブの夫となった男の部下でもあった。
    【怒る】《次からはわっちを怒らせてくりゃれ?》2巻p.232
    【お人好し】《しゃが、まあ、ぬしがお人好しじゃからわっちゃあ暢気な旅ができているんじゃからな。すべてを望むのは贅沢というものかも知れぬ》2巻p.230

    【絵画】宝石を砕いて絵の具にして描くような代物。要するに高額。
    【海賊】と目されているが実態は北方島嶼地域の自警団的存在。普段は治安維持の役目を負っている。ただし、暴力的手法は取る。それが有効だから。
    【カテリーナ】美しい修道女。一途さゆえか「魔女」と呼ばれるようになる。
    【金】《金の絆は、血の縁よりも強い》2巻p.198
    【狩り】《うふふ。狩りなんて久しぶりじゃが、狩られるのは初めてじゃ》1巻p.214
    【カレカ】トリー・ロン=クスコフ・カレカ。クスコフの参事会代表。まだ若く、背伸びをしているところがある。

    【キーマン】ルド・キーマン。ローエン商業組合在ケルーベ商館別館を預かる貿易商。クールでやり手そう。
    【北の大遠征】毎年恒例で、北の異教徒を討伐するため軍隊が派遣されている。それが今年は中止されたことが物語の背景となっている。
    【教会文字】教会で用いられる特殊な文字。ロレンスにも一部しか読めない。
    【教皇】なんか欲にかられてとち狂ったらしい。と外見上は見えている。税をかけまくっている。
    【禁欲】《食欲は多くのものを失うが、禁欲が何かを生み出すということもない》1巻p.118

    【偶然】エルサ《道が交わるのにも、それなりに理由があります》香辛料22巻p.61
    【クスコフ】人口の半分が疫病で死んだ町。ロレンスから聞いてノーラはそこで仕立屋になろうと考える。
    【黒聖母】北方の海の民の間で信奉されている聖母像。ハイランドが入手したものは黒玉で作られていたが他の材料があるかどうかは不明。一般的なものとは異なり黒い。革袋などに入れて携行するが実際に救われたものが多いと霊験あらたかで信奉する者多し。港町ケソンの修道院の修道士が一手に作っているらしい。元は火山噴火による島滅亡の危機を我が身を犠牲にして救った一人の女性のことらしい。実話なのだとしたらとても人間業とは思えないので人ならざるものだったのかもしれない。狼神のような。
    【黒麦の病】麦の病気。黒くべとべとになったその麦を食べると幻覚を見たり妊婦が流産したりするそうだ。かつてテレオの村でそれによる騒動があった。

    【ケソン】北の島嶼地域の中で一番大きな島。
    【獣と魚の尻尾亭】レノスの町の酒場。看板娘がなかなか大物。
    【ケルーベ】川が町を二分し北と南が対立している町。イッカクにまつわる騒動に巻き込まれた。

    【コル★】トート・コル。羊皮紙では主人公。ホロ、ロレンスとともに旅することになった賢く素直で健気な少年。皆が弟子にしたがるが本人的には将来は聖職者。いつまでいっしょに旅をしてくれるのでしょう? もしロレンスとホロが別れたとしてもロレンスと旅をしてくれたら慰められることでしょうけど・・・。実は後に湯屋の手伝いをすることになり、ホロとロレンスの娘ミューリに振り回されることになる。ニョッヒラを出た後いつしか「薄明の枢機卿」とか呼ばれるようになったらしい。聖典の俗語翻訳などを試みているようだ。香辛料のときのほうが魅力的だったような気もするので今後の変化に期待。ミューリいわく「兄様は世の中の四分の一しか見てない」「兄様は人の良いところしか見ないからね」羊皮紙第一巻p.183
    【コルらしい匂い】ミューリいわく「不幸を耐える方法じゃなくて、幸せを増やす方法を探す。それがどれだけ少しだったとしても、皆が無理だと思っていても、あったかい太陽はあっちにあるんだって信じて歩く、眩しい明るさがある。世界は不毛の大地なんかじゃないって、皆が力を合わせたら良くなるんだって、頑固な思い込みがある。そういう匂いが、あると思う」羊皮紙二巻p.351

    【サロニア】内陸の交易で栄え、春と秋に大市が立ち大騒ぎになる町。ロレンスがヒーローになり町の年代記にも記されることになった町でもある。

    【幸せ】《結局、ミューリが幸せであるのなら、それに越したことはないのだから。》羊皮紙2巻p.78。親バカならぬコルの兄バカ。
    【ジサーズ】陸の孤島のような北の鄙びた寒村。
    【死者の指】ミューリがビビったキノコ。マメザヤタケのことのようだ。
    【師匠】ロレンスの師匠。ロレンスが暮らしていた村にやってきた旅商人でロレンスを連れ出してくれた。商人としてのなんたるかを手取り足取り教えてくれたわけではないがよく商人の徒弟がされるようなひどい扱いもなかった。
    【商人】《サーベルと商人はまっすぐじゃ役に立たない》2巻p.259。《商人というものはどんな状況であってもまず嘘からつく生き物だ(中略)ただ、嘘つき同士であっても信頼関係が大事なのだから、商人とは不思議なものだ。》香辛料2巻p.364)
    【商人の言葉】省略されたものがいっぱいある。
    【ジョゼッペ】クスコフに向かう神父。
    【視力】狼は基本的にあまり視力がよくないようだ。
    【信仰と現実】《目の前にあるのは、祈りが最もその無力を現す場面なのだ。》羊皮紙二巻p.197。信仰は一種のファンタジーだから。

    【スヴェルネル】ニョッヒラの近くにある大きな街。
    【ステファン】アティフのデバウ商会でコルたちの世話係をしてくれることになった商人。いろいろあってコルを恐れているフシあり。
    【スフォン王】ウィーフィール王国の王。ちと頭が堅そう。
    【スルト】ラーデン司教領の村長。

    【聖務停止】教皇が、クレームをつけてきたウィンフィール王国に対抗するため、王国内での教会の仕事を停止させた。いわば医師が治療費が高額すぎると訴える目の前の患者に治療を施さないような感じ。
    【聖典】教会が一般に対して内容を秘匿している。ゆえに好きなように解釈して伝えることが可能。コルたちはそれを一般に広めたい。難解な言葉で書かれているらしく宗教家でも読めない者が増えてきたので教会文字が発明された。それもまた一般には流布しておらず、ロレンスでも完全には読めない。第七章までが主要な教えで、後は神から言葉を賜る預言者の旅の模様や、弟子たちの言行録。
    【セリム★】「狼と香辛料亭」従業員。実体は白狼。ミスが多かったのは眼が悪かったからだとわかりロレンスがメガネをプレゼントしてくれた。

    【総督】細身で風格のある老人。元ルウィック同盟の大幹部で遠隔地貿易船を率いていたので「総督」と呼ばれていた。隠居後はアティフの鰊の卵の先物取引なんかで楽しんでいる。

    【ターニャ】呪われた山と呼ばれる山にいた人ならざるもの。栗鼠の化身。一人で森を維持しながら、尊敬する錬金術師たちの帰還を待っている。わりとホロが気に入ったしターニャの方も懐いている。
    【大蛇】サロニア近辺におり一介の戦士ウォラギネがそれを倒し土地を与えられ貴族になったが今は空位となって教会が管理している。エルサの故郷であるテレオ村の守り神も大蛇だったらしくサロニアに赴任してきたエルサは関心を抱いていた。
    【大切なもの】《過去に旅をしてきて得た数少ない鉄則は、大切なものは必ず手の届くところに置け、というものだ。》羊皮紙2巻p.132
    【太陽銀貨】デバウ商会が独自に出す高品位の銀貨。太陽の図柄が描かれている。ロレンスたちが創設に関わった。
    【タウシッグ】魔女伝説のある村。
    【旅人】旅人は嫌われがち。「旅人はどこへ行ってもこんな感じですよ。歓待されるほうが少ないものです」羊皮紙2巻p.143

    【長寿】ホロに比べて人間はとても寿命が短い。それゆえホロさまはロレンスとの「思い出づくり」にいそしんでいる。

    【月を狩る熊】滅びの化身。多くの伝説が残っている。ホロたち狼神的な存在ですら土地を追われ離散せねばならなかった原因らしい。現在姿を見るものはいない。伏線的に「狼と香辛料」のラストはそいつとの対決になると思っていたが。

    【デバウ商会】大陸北部に勢力を広げる大商会。ルウィック同盟とは違う流通網を持つ。ジーン商会はもともとこれの傘下。
    【テレオ村】貧しい村。

    【ドイッチマン】ウィーフィール王国、テイラー商会の商人。
    【年寄り】《年を経た者は皆、子供じみてくるのだと。》香辛料22巻p.15

    【鶏】去勢した雄の鶏は、雌の鶏よりも旨いらしい。なんて話をしたばかりにロレンスは鶏を買わされることになる。
    【ニョッヒラ】北の温泉郷。「地の底から滝が噴き出すように湯があふれる古い町」だとか。「異郷の地のど真ん中にあるちうのに、世界で一番高位の聖職者が集まる場所」であり「何百年にも亘って一度も争い事が起きていない」のだそうだ。シーズンは雪深い冬。後に湯屋「狼と香辛料亭」ができた

    【ノーラ★】ある町で苦労していた羊飼いの少女。「魔女」とか「精霊」と呼ばれていたほど腕がいい。狼と羊飼いは仲が悪い。仕立屋になるのが夢だが実現は難しかった。ロレンスのある作戦に乗った。ホロがいなければロレンスは彼女に惹かれていたかもしれない。旅の仲間としても頼りがいはかなりありそうだし。

    【ハイランド】ウィンフィール王族の血脈。諦めないのがいいところ。コルはニョッヒラに湯治に来たハイランドに口説かれウィンフィール王国の力になりたいと思うようになった。つなぎはデバウ商会が担当しているようだ。商売上にも有利なようだ。ミューリはハイランドのことを信用していないし敵意を見せている。
    【薄明の枢機卿】→コル
    【ハスキンズ】ブロンデル大修道院の離れ的な場所の羊飼い。羊のことならば神よりもくわしいらしい。ノーラと出会えば尊敬されそうだ。《旅の詩人が口にすれば単なる気障な台詞でも、ハスキンズが言えば真理の一言になる。》
    【パスロエ】ロレンスがホロと出会った村。ホロは長い間この村の守り神をしていた。
    【旅籠】アラムたちが営んでいる、聖女伝説のある修道院を宿泊施設にしたもの。その伝説の聖女はセリムのことらしい。
    【ハフナー・ユーグ】羊の紋章をかかげた絵画商。太った男。ユーグ商会の主。ハスキンズと同類。
    【波乱】《一雨来る。わっちゃあ望んでおらぬのに》香辛料2巻p.303
    【パン職人】職人の中でもっとも誇り高いらしい。
    【ハンス】エーブがフルールだった頃彼女をバカにしたような態度を取っていた商人。
    【ハンナ】「狼と香辛料亭」の炊事場を采配する女。実体は鳥。

    【ピアスキー】ラグ・ピアスキー。ルウィック同盟に所属する旅商人。
    【ビーベリー】近隣の領主。善人。
    【美醜】《美醜は種族によらぬ》2巻p.140
    【羊飼い】《羊飼いにとって、羊は守るべき哀れな子供ではなく、羊飼い自身を守る盾でも武器でもある。》香辛料2巻p.308
    【一人】《一人は飽いた》1巻p.202
    【ヒルデ】デバウ商会のトップ。兎の化身。

    【フィロン】レノスで傭兵相手の商店を営んでいる男。
    【フラン・ヴォネリ】腕はいいが評判は悪い頑固で偏屈な銀細工師。古い伝説の地を追い求めている。じつはエキゾチックな美少女。砂漠の民らしいエキゾチックな風貌。有無を言わせぬ笑顔を使いこなす。エーブと対面させてみたい。
    【フルール・フォン・イーターゼンテル・マリエル・ボラン】エーブの本名。没落お嬢様。
    【故郷】わっちらには新しい故郷を作るなどという発想はありんせん。故郷は故郷。誰がいるかではなくどの土地かが重要なんじゃ。(byホロ)。《「おまえ自身は変わったのか?」/「……」/ホロは無言で首を振る。こんな仕草はとても子供っぽい。/「なら故郷も変わっていないだろ」》1巻p.95
    【ブロンデル大修道院】ウィーフィール王国にある有名な修道院。

    【ベルトラ】エーブがまだフルールだった頃の女中。エーブより一歳下。

    【冒険】《腕白な子供たちの冒険心は道なき道の先にこそある。》香辛料23巻p.116
    【放浪学生】学生の身分で放浪している。コルもロレンスと出会った頃はこれだった。多くは悪行の数々により評判が悪い。
    【ホロ★】香辛料のヒロイン。人の姿のときは華奢な美少女、正体はかつてヨイツを治めていた巨大な賢狼。麦の穂に宿るらしい。故郷を出て流れ着いたパスロエの村では豊穣をつかさどる神としてあがめられていたが農業技術が上がりあまり役立てなくなったので故郷に戻りたくて偶然であったロレンスに連れってくれと頼みともに旅している。《わっちはぬしと旅がしたい。ダメかや?》1巻p.67。大喰らいのうわばみ。林檎が好物のようで、よく食している。後に湯屋「狼と香辛料亭」のおかみさんとなる。人よりはるかに長い時を生きるのでロレンスが死んだ後は再び旅をするのかもしれない? 《わっちはホロ。賢狼ホロじゃ》(1巻p.52)
    【ホロとロレンス夫婦】《まさかずっと幸せでい続けられるだなんて、驚きをとおり越して笑うしかなかった。》byコル羊皮紙1巻p.26
    【ホロの機嫌】よく変わる。が、理由のあることが多い。賢狼だから。

    【祭り】《祭りの準備もそのひとつで、町の人々にとって、実はそっちのほうが楽しみなのだと知ったのは、ホロの手を握ってからのことだ。》香辛料23巻p.23

    【味方】《少なくとも、自分はなにがあっても、ミューリの味方です。》羊皮紙1巻p.127
    【ミューリ★】ホロとロレンスの娘。羊皮紙のヒロイン。名前はホロの古い仲間から取った。天真爛漫で図太く奔放。人の姿のままでも充分すぎるほどの野生児だが狼の耳と尻尾を持っている。巨大な狼に変身することは今のところできないようだ。銀色の髪の毛は油に濡れているようにしっとりしているのに触ると指のあいだをさらさら抜けていくようで彼女の自慢らしく、日々お手入れを欠かさない。コルが宗教の道を求めてニョッヒラを出ていったら「私も旅に連れていって!」。その後なにやら「聖女」と呼ばれるようになっているらしい。
    【ミュラー】ウルー・ミュラー。タウシッグ村の渉外係みたいな男。
    【ミリケ】スヴェルネルの顔役。悠久の時を生きる獣の化身。
    【ミルトン・ポースト】エーブがフルールだった頃取引相手となった、衣服を取り扱っていた商人。貴族出身でフルールは彼に少し惹かれた。
    【未練】丸顔の船頭が語る。《同じ川の流れには二度と入れない、未練がましいことも悪いわけじゃない》羊皮紙1巻p.23

    【無邪気】《自分が無邪気すぎるのだろうか? だが、信仰とは本来無邪気なものだ。》羊皮紙第一巻p.191

    【メルクリオ】コルとミューリがラウズボーンで出会ったチェダーノ家のお坊ちゃん。新郎。

    【儲ける】《わっちが喜ぶ以上の大儲けがあるとでも!?》香辛料22巻p.17
    【桃の蜂蜜漬け】ホロの「夢の食べ物」。

    【ユーグ】羊。

    【ヨイツ】ホロの故郷。今ではその名を知っている者は少ない。
    【ヨアン・エルドリッヒ】クスコフで高利貸をしている気障な青年。多くの者に嫌われている。

    【ラーデン】ラーデン司教領の領主だが正式なものではなく便宜上司教と呼ばれている。サロニアから見える山がラーデン司教領。小さな村がひとつあり川魚の養殖をしていた。よく肥えた鱒が有名な伝説の池がある。かつてはるか南方の砂漠の地から来たラーデンがそこにあった教会を譲り受けた。そして彼は川魚の養殖業を始め、村やサロニアの窮状を救った。
    【ライハ・フリードフ】ケソンの教会のトップ。見たところ好好爺でいつも酩酊している。北方島嶼地域のことをいろいろ教えてくれた。
    【ラウズボーン】ウィンフィール王国の港町。
    【ラウド商会】サロニアの町の商会。ヴァラン司教領のために尽力してくれていたが困難に瀕している。

    【利益】《道の先には利益がある。》2巻p.84
    【理想】「私は理想を追いかけていたのではなく、単に世界がこうあって欲しいと無邪気に願っていただけのようです」羊皮紙二巻p.215
    【リンギッド】カカナ・リンギッド。タウシッグ村あたりの領主。

    【ルウィック同盟】大陸北部を根城にする商人の一団。30の貴族を後ろ盾にした十の大商会が統べている最強の経済同盟。月と盾の紋章旗を掲げている。ほとんど一国に等しい力を持っている。
    【ル・ロワ】本を商っているしたたかな商人。まるまっちい肉団子みたいな男。でも肥満ではないらしい。
    【ルワード】有名な傭兵団の長。

    【レイノルズ】ケルーベ「ジーン商会」の主。「狼の骨」について何か知っているらしい。ずっこい儲け方を実行していた。
    【レノス】コルが子どもの頃にはまだ教会がなかったが今や司教を任命する司教座が置かれ北の地の教会の中心地となっている。
    【錬金術師】ターニャのいる山に来た錬金術師。空の研究をしていたらしい。火を使わずに鉄を精錬することができた。ターニャは「お師匠様」と呼んでいる。猫の化身が一番弟子だったらしい。彼女はおそらく恋人か妻だったと思われる。ターニャに植林するように命じて去っていった。一般には神や天使の存在をまったく信じていない連中。

    【ロレンス★】クラフト・ロレンス。香辛料の主人公。狼娘に翻弄される幸せな毎日を送る行商人。とはいかないか。後に湯屋「狼と香辛料亭」主人。《ロレンスは血も涙もない商人ではないが、商人らしくないわけでもない。》香辛料23巻p.169。ホロのそばにいなければひとかどの人物に見えるがホロのそばにいるとアホっぽく見える。

    【若い司祭】アティフの鰊の卵取引所を閉鎖すると宣言した。どうやらコル(薄明の枢機卿)に感化されているらしい。
    【「我々の神の書」計画】ハイランドやコルが考えている計画。聖典の俗語翻訳版を作り、個人個人が考えていくことができるようにすること。教会は自分たちの矛盾を指摘されないように民衆を無知のままにしておきたいので当然反発すると思われる。また、内容の解釈も研究者の間でも異なるので困難があると思われる。
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    投稿日:2023.09.10

  • ももも

    ももも

    このシリーズも12年目なんやなぁ。

    寂しい気持ち、悲しい気持ちすら楽しいと思えるような境地、そうぞうつかないんやけど、夫婦の到着地の一つなのかなぁと思ったりした。

    投稿日:2022.01.10

  • hanemitsuru

    hanemitsuru

    一旦はハッピーエンドで大団円を迎えたはずの、ホロとロレンスのその後の物語ももう6冊目になりました。

    第1巻から通算したナンバリングは既に23巻。これがシリーズ開始からずっと連続しているのは、昔から「追いかけている」ファンとしてはとても嬉しく思います。外伝(的な掌編・短編)やスピンアウト作品とナンバリング作品とは重みが全く違いますから。
    ただ、これがローマ数字なのでだんだんわかりにくくなってきています。加えて、再開後の「Spring Log」に振っているサブタイトルのナンバリングもVI。
    ということで、この巻を特定しようとすると、XXIII、SPRING LOG VIと長ったらしくて仕方がありません。いっそのこと40巻(XLになりますね)超えを達成してファンをさらに混乱させてほしいと思います。

    最近はシリーズ刊行間隔の長期化が甚だしく、もしかして打ち切りなんじゃ?とか、作者が飽きてハルヒとか火浦功とか田中芳樹の創竜伝(は一応完結したか)みたいに自然消滅するんじゃ?とかやきもきする中、XXIIIは羊皮紙のVIから6ヶ月後に発売と、ようやくペースを取り戻してきてくれました。さらに羊皮紙の次巻VIIは3か月後に発売と予告されているので、もう一安心、でいいのかな。

    SPRING LOGは、ニョッヒラに残されたホロとロレンスの様子と、思い出話的なエピソードばかりがしばらく続き、ネタ切れ感があったのですが、XX巻でミューリとコルを追って二人がニョッヒラを旅立って以来、俄然かつての面白さを取り戻してきました。やっぱり旅路にあってこそのシリーズなんだろうと思います。

    今のところ、各所でミューリとコルのうわさ話を聞き、以前の旅で出会った旧知の友人と再会しつつ、ゆるゆると2人の後を追う展開となっています。ロレンスはかつての「何者かになりたい」ワナビーの一介の行商人ではすでにないため、ヒリヒリした雰囲気は望むべくもありませんが、諸国を漫遊して行く先々で問題を解決して回る「水戸黄門」感があって、これはこれでいい感じ。
    人と人ならざる者の恋の行く末は、自分亡き後の恋人の行く末を案じるロレンスと、それが嬉しいホロという関係性に置き換わりましたが、シリーズ冒頭から読み継いできた12年越しのファンにとっては、自らが重ねてきた12年という年月の重みをロレンスの身の上に見出して、ちょっとしんみりできます。たいていの場合少年少女がヒーローヒロインを務めるラノベにあって異彩を放つおっさんと大年増の恋愛・冒険譚は、もしかしたらラノベのブルーオーシャンを開拓したのかもしれません。

    ただ、ミューリとコルの先発組はウィンフィール王国のラウズボーンで足踏み状態なので、遠からず追いついてしまいそうです。その前に2人が新大陸に向かうのか、それとも新旧ヒロインの顔合わせがあるのか、気になっています。
    個人的には新大陸に向かう船の出航時にひと悶着あり、ホロとロレンスが一肌脱いでミューリとコルを新天地に送り出すシーンが目に浮かびます。
    で、新大陸での「月を狩る熊」との最終対決時、ラウズボーンでわかれたはずのホロとロレンスが突然登場して
    大団円とか。
    で、ラストの台詞は「兄様、名前はどうしよう?」でお願いします。

    「羊皮紙」のほうの展開がなんとなくわかってきたので、妄想が暴走してしまいましたwが、以下、各話ごとに一言。

    「狼と宝石の海」
    「まだまだ若い物には負けん」先代と、その先代に「もうゆっくり休んで欲しい」現役が、気を遣いあって身動きが取れなくなっているのをロレンスが解きほぐすお話。ニョッヒラでそんな父子を何度も見かけたロレンスの洞察力はなかなかですが、我が身を振り返って遠からず自分も「ゆっくりしてください」と言われる立場になるだろうという諦念も混じっているのは間違いないことでしょう。
    作者は「マグリブ地方のサンゴ漁の話をいつか書きたいなあと思っていて」だそうですが、あんな乱暴な方法ではあっという間に資源が枯渇しそうで、作者同様慄いてしまいます。
    あと、すっかり忘れていましたが、ニョッヒラから持ち出した硫黄を無事に売りつけたのはお見事です。

    「狼と実りの夏」
    「マメザヤタケ」を見て着想を得たのであろう掌編。単純な一発ネタながら、ニョッヒラ時代のミューリの様子が微笑ましい1本。

    「狼とかつての猟犬のため息」
    「クロップマーク」はあとがきを見て画像検索してみたのですが、想像以上にはっきりとわかるものですね。「旧河道」のクロップマークは本当にヘビがのたくったあとみたいでした。
    持ち込まれた問題を解決したロレンスが選んだ報酬は、両手をいっぱいに広げた面積の畑で獲れる小麦をずっと届けさせる小麦サブスク。ホロを喜ばせたいロレンスと、ロレンスの気持ちにわざとらしさを感じつつ嬉しくてたまらないホロ。おっさんと年増のラノベが到達したブルーオーシャンの新天地がここにあります。

    追記:こんな「クロップマーク」もどきも。
    https://news.yahoo.co.jp/articles/7a17f6c000877302885273d5e40f7fc4dc759cbc
    雪化粧した学校の校庭に丸く雪が解けたところが。空井戸に覆いをしたところの上だそうです。

    「狼と夜明けの色」
    日々の悲しさや切なさすら楽しめる境地に至ったホロのお話。「いつになく最終巻っぽいお話」ながら、「Spring Log編ももうしばらくは続きそうな気がします」だそうですので一安心。

    「楽しいばかりの毎日も文字どおり楽しいが、わっちゃあぬしの側で、思う存分寂しさも感じたい。あの口うるさい小娘と、ふわふわ鬱陶しい栗鼠との賑やかな日々が唐突に終わって、なにか気持ちを持て余すような感覚も楽しみたいんじゃ。やり場のない悲しみを噛みしめて、めそめそすることも楽しみたいんじゃ」
    「ぬしの側でなら、安心して泣けるからのう」
    なかなかの名台詞です。
    続きを読む

    投稿日:2021.12.20

  • よーぐる

    よーぐる

    本編が終わったあともここまでしっかり面白いエピソードを揃えられるのはすごいと思う。
    暖かくていい話が多いのも読者に優しい。

    投稿日:2021.12.08

  • Mu

    Mu

    ホロとロレンスの熟年旅の続き。
    いやあ、相変わらず楽しいなあ。
    今回はエルサの語りのお話があって、端から見ると如何にロレンスがホロのことを甘やかして世話を焼いているか、それにホロがなんやかや文句を言いながら、どれほど喜んでいるか、本当よくわかる。
    幸せだよなあ。
    実に幸せな物語だ。
    たとえいつか二人の間に逃れようのない時の別れが来るとしても、この幸せは永遠だと信じられる。
    そんなお話。
    うん、良かった。

    それにしてもホロは呑んだくれてばかりだなあ笑。
    いやでも、奥さん(ホロ)が機嫌が良ければ全て事もなしだからね^^

    こんなお話がいつまでも続いてくれる事を心から願いたい。
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    投稿日:2021.10.07

  • きったん

    きったん

    ホロとロレンスの2人共が可愛い。ロレンスの優しさが甘いだけじゃなく、ホロとの信頼関係による寄り添ったもので、リアルに23巻分の重みと成長を感じるのと共に、10年以上読み続けた感慨深さがありました。集大成みたいな話だったけど100巻まで続きます!続きを読む

    投稿日:2021.09.16

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