【感想】父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。―――1万年前から現代まですべてを紐解く「資本主義」全からくり

ヤニス・バルファキス, 関美和 / ダイヤモンド社
(357件のレビュー)

総合評価:

平均 3.8
86
134
86
21
4
  • 読む前に映画「マトリックス」だけは見ておきましょう

     所謂普通の経済学の本ではなく、どちらかというと歴史の本といった感じですが、とても興味深く、また大変判りやすく解説してありました。なんせ娘に語るというスタイルですからね。
     様々な例え話が出てきますが、一番多く登場するのが、マトリックスかな。我々世界の行き着く先として登場するのですが、ボヤボヤしていると、こうなってしまうかのも。これがはたしてユートピアなのかというわけですね。この映画を見ていないと、ちょっと話について行けないかもしれません。
     ただ、近未来を予見するならば、マトリックスの前に、ジョージ・オーウェルの小説「1984年」のような監視社会がくると私は思いますが、ま、それはそれとして。
     冒頭から投げかけられた謎、「なぜアボリジニがイギリスを侵略しなかったのか?」この疑問からスタートします。こんな命題から出発する講義なんて、今まで聞いたことがありません。私の歴史の知識は、とくに世界史については、はるか昔、理科系大学を受験した際に選択した、受験用項目の丸暗記に基づいてます。だから、この本に書かれてあった、「囲い込み」についてなんぞは、その原因について初めて理解できた気がします。
     文字の誕生についても、また組織だった宗教の誕生についても、なるほど、そういうことかと至極納得がいきました。なかなか面白い「経済」の話でありました。少し時間をおいて、再読したいと思います。
    続きを読む

    投稿日:2020.02.03

ブクログレビュー

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  • 「激しい渡り鳥」

    「激しい渡り鳥」

    経済の諸問題について、馴染みやすい語り口で書かれた一般書です。

    面白く読み通すことができました。

    全てのものが商品化していくことで社会が大きく変化していったことや、商品価値が経験価値に勝るようになったことで環境問題が起こったことなどが印象的でした。

    次は、より体系的な本を読んで、知識を固めていきたいと思います。
    続きを読む

    投稿日:2024.03.06

  • よっしい

    よっしい

    父が娘に語る、というタイトルにもある通り、経済の成り立ちや事象について平易な言葉で語られている。マトリックスなどの映画に例えて説明する形もわかりやすかった。(映画を知っていることが前提だが)

    投稿日:2024.03.03

  • Limei

    Limei

    おもしろくて一気読みしてしまいました。

    「私が絶対に嫌だし恐ろしいのは、気づかないうちに誰かにあやつられ、意のままに動かされてしまうことだ。」

    「経済のような大切なことを経済学者にまかせておいてはいけないのだ。」 .

    知ってよかったです。
    知って意識して行動するのと、何も考えず行動するのは、全然違うから。
    続きを読む

    投稿日:2024.02.27

  • 司書KODOMOブックリスト(注:「司書になるため勉強中」のアカウントです)

    司書KODOMOブックリスト(注:「司書になるため勉強中」のアカウントです)

    「10代の娘の「なぜ、世の中にはこんなに格差があるの?」というシンプルな質問をきっかけに、元ギリシャ財務大臣の父が経済の仕組みを語る。「宗教」や「文学」「SF映画」など多彩な切り口で、1万年以上の歴史を一気に見通し、「農業の発明」や「産業革命」から「仮想通貨」「AI革命」までその本質を鮮やかに説く。」続きを読む

    投稿日:2024.01.14

  • みるこ

    みるこ

    題名通りとんでもなくわかりやすかった。
    質問を出してたとえ話で答えていく形式。

    特に、テクノロジーが発達して仕事が自動化するほど逆に経済が苦しくなる矛盾
    仮想通貨が上手く成り立たない話
    経済と宗教の関係
    政治が経済に重要な役割を持っていること
    漁師が魚を採りすぎてしまう話
    など なるほどなあと思った。

    翻訳もわかりやすくサクサク読めた。

    年内再読予定。
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    投稿日:2024.01.09

  • タマセツ

    タマセツ

    市場、環境、いずれも経済と政治が絡み合う。価値=「市場価値」vs「経験価値」それは人間が利益を追求するようになった世界から始まり、競争により多くの格差を生むようになった。また、現実には「作物を収穫する能力があるのに、飢えた人たちに配分することができない社会」を作り出した、と言う。社会は「余剰」を作り出し市場を独占、あり余った分は廃棄処分するというシステムに変え市場統制をしている、と言う。今後社会はAIロボットとの共存を余儀なくされるが人間の暮らす場所はあっても、工場など生産場所の仕事は失くなる。人間はただ単に消費する生物化し、物事は一才AIロボット(独裁者のように)が仕切る可能性も高く、人間との格差が生まれるだろう。更に追求すると「人間の求める幸せとは何か」、ここにある「無知は幸せ」になるのだろうか。続きを読む

    投稿日:2023.12.22

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