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原田マハ / 新潮文庫 (556件のレビュー)
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総合評価:
理科好き
時や場所を超えたメッセージ
10歳のときMOMAで出会った一枚の絵,そこに描かれた目に捕らわれた瑤子。 この絵に運命を左右されるのは必然でもあり,またその絵に宿る力に導かれた結果でもあったということか。 ピカソの描いた中…でも異質なモノクロの絵をめぐり,描かれた大戦当時と姿なき敵と戦う現代の2軸で展開されて行きます。この作家さんお得意な仕掛けでもあります。 美術館は堅苦しくて嫌いという拒否感のある方には苦痛かもしれませんが,ある絵の前で立ち尽くすという経験が一度でもある人なら,絵のもつ力をテーマとするこの作品も受け入れ易いと思います。特別な知識なしでも十分読み進められるので,そこは心配無用です。 原田マハワールドを満喫してください。 続きを読む
投稿日:2018.12.27
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mio
お恥ずかしながら原田マハさんの作品を読んだことがなく“美術小説”という前情報のみで読み始めました。 主人公は、現代を生きピカソ研究に命を捧げたMOMAのキュレーター八神瑤子と、過去を生きるピカソの恋…人で写真家のゾラ。時代や性格の異なる2人をピカソが、そして彼の作品“ゲルニカ”が繋ぐ。 美しく熱い、手に汗握るアートサスペンスです。 小難しい美術史がメインの作品かと思い何の気なしに読み始めた小説ですが、あっという間に物語に引き摺り込まれページを捲る手が止まらなくなりました。 瑤子のシーンでは彼女の悲しみに共に涙し、期待や恐怖に震え、はたまた喜びに胸を震わせ、またゾラのシーンではピカソの愛したパリの行末を共に案じ、夢中でページを繰りました。こんなにも感情が揺さぶられる作品だったとは… ピカソに関しての知見も得られる、学びと感動の一冊です。 続きを読む
投稿日:2024.05.06
ぴ
このレビューはネタバレを含みます
事実を元にフィクションを創り上げるのが本当に上手い。楽園のカンヴァスに比べると恐らく事実に近いためか、カタルシスは弱め。
投稿日:2024.05.05
こまつな
4.5。楽園のカンヴァスはルソーをめぐる史実を中心に書かれていたけれど、今作はさらに9.11からイラク侵攻や、スペイン内戦からWWⅡとピカソの時代の歴史的な動きも絡めて書かれていてものすごい読み応え。…歴史苦手人間としては丁寧に読むのに時間がかかったけどその分学ぶものも大きかった。ノンフィクションとフィクションをとっても自然に面白く混ぜ込む天才。それでいて内容の引力もすごいし、ヨーコ・ヤガミとドラ・マールという2人の女性のピカソやピカソの作品に対する熱量もひしひしと伝わってきて、作者の画家や作品に対する愛やリスペクトがものすごくて好き。続きを読む
みくちゃん
ピカソの生涯、第一次世界大戦の背景が物語と共に勉強になり、また絵の知識もつく。面白く勉強になる作品。
shihooooooo
安定、信頼の原田マハさんアート小説。 なかなか時間が取れなくて、読み始めては止まり、読み始めては止まり…を繰り返してたけど、連休入りしたので、後半は一気読み。 過去と現代がどう繋がるのかな、と思ってたけど、そうなるのか、と。 ゲルニカは誰かのものではなく、私たちのものだ。敵は、国家やテロ組織ではなく、戦争や憎悪そのものだ…というのが、とても胸に響きました。
投稿日:2024.04.27
かほほん
人におすすめしたくなる、面白い本でした。 一枚の絵画を巡り、現在と過去が交錯する。 ゲルニカが描かれるまでの経緯、背景にある社会情勢などを知りつつ、現在の主人公に繋がっていく流れ。 どうやってこんな…壮大な流れをまとめていくんだろうと思わせつつ、良い読後感の終わりになっていました。 続きを読む
投稿日:2024.04.15
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