【感想】檸檬(立東舎 乙女の本棚)

梶井 基次郎, げみ / 立東舎
(41件のレビュー)

総合評価:

平均 3.8
10
8
10
2
1

ブクログレビュー

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  • はな

    はな

    青空文庫で初めて読んだときから好きな作品です。乙女の本棚シリーズのこの本は美しい挿絵もあり、絵本のように楽しめました。
    檸檬の瑞々しさ、ひんやりとした温度、爽やかな香りなどが想像できます。
    スーパーで檸檬を見たら、本作品を思い出します。オチも衝撃的です。続きを読む

    投稿日:2024.04.29

  • 晴

    このレビューはネタバレを含みます

    話が簡潔にまとめられていて読みやすかった。
    イラストレーターによる絵が本文のように、繊細で美しく描かれていたため、情景をイメージしやすかった。
    近代文学を最後まで読み切ることは、今まで大変だったが、これは短時間で読めるため、シリーズになっている他の本も読んでみたいと思った。

    気持ちに余裕がない時、何となく現実逃避したくなったり、妄想が止まらなくなったり…
    また現実から引き戻された時の胸が苦しくなる感じが、細かく表現されていた。
    画集の上に檸檬を置き、因縁の場所が爆発されるという妄想(?)は、うんざりしている現実が吹き飛んでしまえばいいのにという主人公の思いを表現していてすごいなと思った。
    また、せっかく現実と向き合う勇気を出せたのに、妄想だけで満足してしまうのも人間らしくて好きだなと思った。
    嫌な現実を忘れられるくらいの檸檬なんとも言えない純粋さは、主人公が現実と向き合う勇気をくれた。
    案外、勇気を出せずにいる時に、寄り添ってくれるのは檸檬のような些細なものなのかもしれないと感じた。

    檸檬の美しい描写そして健康的な黄色が、読んだ後ずっと頭の中に残っている。
    私も今度、八百屋で檸檬を買ってみようと思う。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2024.04.29

  • しまだぬき

    しまだぬき

    久しぶりのこのシリーズ。『檸檬』もちゃんと読んだのは初めてなのですが、ちょっと印象が変わったかも。最初の方、裏通りを歩きながら遠く離れた街にいるような錯覚を起こそうとするシーンが好き。
    あと、花火や、びいどろ、南京玉の描写。いいですよね!と本のこちら側でひとり頷いてみたり。
    檸檬のシーンは美しいけれど、後片付けする羽目になった店員さんのストレスが…、といらんことを考えてしまったり。発表されてからこの方、多数の人が思ってるんだろうけど。
    続きを読む

    投稿日:2024.04.12

  • 土瓶

    土瓶

    乙女王に俺はなるっ!?
    (ワンピース風に)

    ということでまたもや乙女の本棚シリーズ。


    て~~~んちょう。
    まぁたあのお客さんですよ、これ見て下さい。
    どうすんですか。
    うちの売り物の画本をこんなに積んで、しかもその上にレモンなんか置いて。
    何気取りですか。
    鏡餅ごっこですか。
    だったらせめてミカンにすべきでしょうよ。
    こんなんじゃみんな気味悪がって誰も買っていかなくなるじゃないですか。
    しかもあの客、ニヤニヤしながら帰るんですよ~。
    気持ち悪い。
    来るときはあんな仏滅みたいな顔で来るのに。
    何でスッキリしてるんだか。
    いいですか。今度こそ出禁にして下さいね。
    絶対ですよ。

    店員側から見たらこんなお話しです(笑)

    日本文学の壁は高いなぁ~。
    さっぱりわからん。
    続きを読む

    投稿日:2024.04.11

  • tomojuju

    tomojuju

    乙女の本棚3連発の2作目。何気にちゃんと読んだのは初めての、檸檬。

    イラストも相まってとても美しくビビッドな作品でした。真っ暗なところからみずみずしい黄色い檸檬に情景が変わるところがありありと目に浮かび、だから檸檬一つで心持ちが変わる主人公の気持ちも理解できました。

    それにしてもマジで爆弾だったんだ(文ストで知ったのが先って言う)

    2024.3.24
    52

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    投稿日:2024.03.24

  • おびのり

    おびのり

    梶井基次郎文学忌、檸檬忌。
    何回目かの「檸檬」は、げみさんのお陰様で今までになく理解できた気がしています。

    得体の知れない不吉な塊。
    焦燥や嫌悪等では言い表せないその塊から檸檬爆弾という彼の希望の象徴で解放される。

    丸善は西洋の思想の表現か、贅沢の象徴かな。
    ずーっと丸善は東京駅のところ丸善だと思っていた。ここが檸檬爆弾の丸善ですというような紹介を読んだ気がするんですよね。丸善カフェで檸檬スウィーツもいただいたし。
    げみさんの描く丸善が、本当に素敵でした。

    “ずかずか”と入るも疎外感。
    彼の檸檬爆弾は、確かに彼の気持ちを軽くしたようだ。
    今でも丸善には檸檬を入れるカゴを用意しているらしい。悩みの種類は違ってきても 若い苦悩を解放したい読者を長く惹きつけている。
    続きを読む

    投稿日:2024.03.24

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