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伊東潤 / コルク (14件のレビュー)
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総合評価:
moga
20
暗黒面へ走る!
日本警察の父として(知っている人は?)知っている、川路利良の半生。警察組織創設という素晴らしい実績とは裏腹に、西郷隆盛、大久保利通の下に暗躍するダークな面を伊東節で綴ります。 明治維新の暗黒面に取り…込まれていく様は、まさしくダースベイダー。作者様は意識したのでしょうか?正義と信じた事がいつの間にか変質していくのはちょっと怖いぐらいです。自分もそんな風になっていないかな・・・。 元新撰組の斉藤一との絡みや、暗黒面に傾くきっかけとなったフランスの秘密警察の話など、もう少し厚く書いてもよさそうなところもありましたが、あっというまに読み終えてしまうのはさすがの伊東様。面白かったです。続きを読む
投稿日:2017.02.15
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jerico
どちら側の立場にも、それぞれの正義や思想、哲学があるので、どちらが正しいという事はない。 特に明治維新から明治政府の黎明期には、特にそうだろう。 たたそれぞれが命をかけて生きていた事がわかる。
投稿日:2023.03.02
yappinkun
西郷隆盛を暗殺しようとした男、郷土に刃を向けた男として長く裏切りものとして見られていた川路利良。 写真をみるとなるほど冷徹な感じはしますね。人間としてどうかとは思いますし、友達にはなれないと思いますが…、維新には、また明治の新時代を作り上げるには、必要な偉人である事に間違いはないでしょう。 薩摩の身分の低い準士分で生まれながらも、波乱の生涯であった。必死に生き抜いた事は確か。続きを読む
投稿日:2021.08.12
kitano
このレビューはネタバレを含みます
「もう昔の山出しじゃありませんから」 自分の考えを持たず引き立てられた人 にとことん尽くす走狗 彼の悲劇は、自分が走狗を使う側に移っ たと錯誤したため、何時までも走狗扱い をする大久保に対して判断誤りが出た事 川路利良は城下士という下層武士らしい 彼は上士層から蔑まれる立場のようだ 薩摩では更に下層の身分があり、外城士 (郷士)は、半農半士として謂れのない 差別を受け事だろう 小説は学者の描く世界と異なり、動機を 持つ人間が知っている行動(笑)をとる ま、この先知ってる~、という自己満足
投稿日:2020.04.19
ぶうすけ
人間の善悪は表裏一体であり、誰もが両面を持ち合わせている。一度誰かの(何かの)走狗になった人間は、そこから抜け出すことはできない。目的が正しければ、いかなる手段を取ることも肯定されるのか、否、それは結…局全ての人を不幸にする。著者の人間理解が次から次へと表現されている。 利良がダークサイド?に堕ちる過程の描写が少々淡白なのが気になるが。続きを読む
投稿日:2019.05.06
関田熔心
幕末から明治を駆け抜けた激動の時代を初代大警視川路正之進利良が走狗として農民から成り上がる物語。日本国に秘密警察を組んで富国強兵を詰め、時には悪どいことにも手を染めた利良だが、彼の野心の行き着く先は、という話。 明治初期の時代背景を知りたかったので小説から読めば雰囲気を掴みやすいと思って図書館で借りた。 途中までは時代小説など読まないので硬い文章やらに戸惑ったけれど、後半の利良が追い詰められてくるところまで来るとささっと読むことができた。 野心、国家のためと主張しながら進み続けた利良の行いに善悪はつけられないかもしれないが、警察というシステムを築き上げるには、軍と両立した時代においてはなお、困難を極めたのがわかる。 誰が悪で罰する対象になり得るかは、その時の権力者に寄るからだ。それが良かったのか悪かったのか、後の人間には想像するしかできない。
投稿日:2019.03.13
むぎ坊
幕末の動乱から明治初期を駆け足でウォークスルーができるとともに、川路という そこまでこれまで注目されていなかったであろう人物の視点で眺めることができるのは、非常に楽しく一気に読むことができた。 川路が…やった歴史も手伝い、ミステリー・サスペンス的な流れもあり歴史小説にはない面白さを見つけることができる。続きを読む
投稿日:2018.07.29
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