【感想】作家の収支

森博嗣 / 幻冬舎新書
(63件のレビュー)

総合評価:

平均 3.9
14
23
16
1
1
  • すべてがマイナ化する

    淡々とというかズバズバとありのままを述べる安定の森節。
    印税その他、収入と支出の話はまあそうだろうね、という感じで、一例としてとてもおもしろい。
    それはともかく、終盤の、出版のみならず、ものの売れ方についての未来というか現状もズバリ。
    すべてがマイナ化する。

    関係ないけど、私も早く一日の労働時間を1時間にできるように努力したい。
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    投稿日:2016.02.21

  • 作家を一職業として考えられるようになりました

    タイトルに偽りなく、作家が自らの著作でいくら稼いでいるのか、収入について原稿料から印税は元より講演料やテレビ出演に至るまで隠すことなく赤裸々に綴っています。それに対して支出は、極論、紙と鉛筆があれば文章は紡げるので少ないのは分かりますが、作家として生計を立てるにはある程度の知識や経験が必要になるので、今までの人生の総額と言えなくもないでしょうね。
    何にしても、職業の一つとして、どれぐらいの売り上げがあって、どらぐらいの間隔で作品を発表して行けば作家として生計を立てられるのか。考えたこともなかったことを具体的に考えられるようになったのは、見聞が広がった気がします。
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    投稿日:2017.02.23

  • 作家という仕事はいくらになるか?

    本書は、活動期間19年で約15億稼いできた、マイナではあるが成功した作家森博嗣による、主にこれから作家になろうとしてる人に向けた作家生活収支報告書である。
    マイナではあるがというのは、著者が、本書の中でそう自称しているからというのもあるが、私も、この、既に19年も活動し、その間に15億も稼いでいる著者の名前を本書で初めて知ったくらいであるからだ。
    収支報告は多岐に渡り、印税から、解説、講演、出演、TV化、アニメ化、キャラクター使用料等が具体的にどの位の額になったのかが書かれている。
    とりわけ印象に残ったのは、2005年から2008年までの3年間、ウェブマガジンに掲載されたブログの仕事で、執筆に1日あたり15分を要し、当時の本業、国公立大学の助教授の収入とほぼ同額の収入があり、さらにその上、そのブログは文庫化され、それがまた相当な収入になったというはなしだ。大学の仕事は、1日12時間を要し、かなりのストレスだったというはなしで、執筆がいかに割のよい仕事かということが語られている。もちろん、マイナではあるが成功した作家森博嗣の場合である。
    単位時間あたりの労力と、それに対する報酬で、割のよい方をとろうとするのは純粋ではないという考えもあるかもしれない。
    しかし、私たちは、歳をとるにつれて、気力体力は、普通衰えるのだから、割に合わない事柄は、畳んだり断念したりするかもしれない。
    著者の場合は、幸運にも、ストレスの多い、かつ割に合わない大学助教授の仕事の方を畳むことができた。
    終章は、これから作家になろうとする人への提言、アドバイスであり、著者は「無料で奉仕は思い上がりだと思う」「金を払ってでも読みたいものをつくるのが仕事」「最初から奉仕では、一流にはなれない」と語っている。
    作家みたいなことをやりたいと思う人は、「金にならなくとも」とかいった考えを持ったりすることもあるが、作家に限定せずとも、あることを仕事にするとはどういうことなのかについて考えさせれた。
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    投稿日:2016.07.29

  • 森博嗣さんの勤勉さがわかる

    作家,森博嗣さんのこれまで(2015年まで)の収支が赤裸々に書かれている。本に関わる仕事をしている人,したい人は,ぜひ読んでみるべきだ。
    森博嗣さんといえば,某国立大学工学部助教授の身で「すべてがFになる」でデビューされた天才作家。この本を読んでも,その天才ぶりがわかる。
    森さんは,自分自身のことは「マイナな作家」だと言われているが,決してそんなことはないだろう。なので,この収支というのは作家さんたちの中でも当然上位に分類されるものだとは思うが,それを支えているのは,森さんの超多作ぶりなのだろう。(もちろん,作品が面白いことが大前提だが)19年間で約280冊の本を出すというのは,月1冊以上のペースだ。
    しかし,森さんがミリオンセラーを出していないというのは実はちょっと意外。
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    投稿日:2016.12.04

ブクログレビュー

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  • katoetu

    katoetu

    いろいろ興味深いことが書いてある。

    とりあえず作家儲かると言うことだ。

    自分が好きなものを知っている人は、その好きなものに金をつぎ込むだけで、一般的なデータをする必要がない。好きなものがない人は、普段から他人のことを羨ましがっている。だから、大金を手にしたら自分もそんな贅沢がしたいつまり人から羨ましがられたいと言う願望を持っている。
    しかし自分の好きなものをはっきりわかっている状況こそが、その人を成功導くと言う例が多い。この通りで行くと人を羨む人は成功しない。

    んー深い
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    投稿日:2023.12.15

  • kratter

    kratter

    なかなか公開したがらない人が多い作家の収支を実データと共に公開。ここ人の論理的なものの考えた方と分かり易い文章はとても好感が持てます(全てがFになる、は正直苦手でしたが)。

    ミステリィは純文学よりもビジネスに徹する事が出来る分野なのかな、と思いました(それでも時代を捉える嗅覚みたいなものは必須とは想いますが)。

    何よりも書き続ける事、人がやらない事をやる事。それによって過去作の価値も上がるのだな、と学びました。
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    投稿日:2023.08.30

  • おおつか

    おおつか

    理系ミステリ作家、森博嗣が一般的な作家と自分の収入について語ったエッセイ的な新書。
    正直、作家ってこれくらいもらっているんだ…という驚きよりも、森博嗣の作家としてのスタンスの方に驚いた。もともと大学で助教授をやっていたという経歴は知っていたが、『割のいい副業』として、本を今までほとんど読んだことない中作家をやっていたとは知らなかった。ミステリ作家は他のミステリ作品をたくさん蓄積してトリックを考えるものだと思い込んでいたが、論理が通ってさえいれば(あとは他の作品と発想が被っていなければ)作品として成立するということを考えれば、むしろ本を読まなくても書けるジャンルなのかもしれなかった。
    『S&Mシリーズ』『Vシリーズ』『小説家という職業』は近々読みたいな〜と思った。
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    投稿日:2023.08.06

  • こっふ

    こっふ

    結局いくら稼いだのかよく分からなかった。計算せずに流し読みしたからだろう。
    収入の部分より、それ以外の文章に目がいって全く数字は頭に残らなかった。稼いでいる額の桁が、私の何百倍と違うなあ、くらい。

    このところ本を集中して読めなかったのもあるのかもしれない。読んでも、文字を目が追っているだけで、内容がちっとも脳みそに入ってこない。せっかくの森博嗣さんの本なのに、もったいないと思いながらも目で追った。続きを読む

    投稿日:2023.07.20

  • 一条

    一条

    森博嗣先生の語り口が好き
    赤裸々に収支について書いている
    ベストセラー作家じゃないし非常にマイナーな作家であると自己評価しているけど、先生の仰るとおりなのだとしてもこれだけ稼げるんだな〜と驚いた
    売れっ子になったらどれだけの額なんだろう
    お金使いきれないな
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    投稿日:2023.06.25

  • ミイ

    ミイ

    ここまで赤裸々に収入を明かしてしまって大丈夫なのか?と心配してしまうくらいの内容。印税率はおろか、年間の印税額推移をグラフにまでしてくれている。
    本の端々から職業作家としてのプライドを感じます。
    親しい作家はよしもとばなな氏とか、西尾維新さんは何倍も稼いでいるんじゃないかとか、他の作家さんの話がチラッと出てくるのもおもしろい。
    構成も文章もたいへん読みやすいです。
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    投稿日:2023.04.06

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