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有川浩 / 幻冬舎文庫 (410件のレビュー)
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総合評価:
ノラネコ生活
10
この話は、フィクション?ノンフィクション?
妻が突然不治の病となってしまう。 病の原因は彼女に死を宣告することと同じであった。 彼と彼女の出会いから別れを切々と書いたSide-Aと、彼のある提案を薦める半実話のSide-Bで構成されている。 … Side-Aは彼女の書いた小説を心待ちにしていて、楽しみしている様子がものすごく幸せそうで読んでいるこっちが恥ずかしくなるくらい。 Side-Bは全く反対の展開であるが、彼と彼女の幸せな日常が書かれているが、あまりに現実的なところがあるなと思ってあとがきを読んでみると納得してしまった。 続きを読む
投稿日:2015.12.25
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ことく
6
中高生の時に読みたかった…
私は有川さん贔屓ですが、この作品では感動できませんでした。難病に立ち向かう夫婦の有り様がsideAでもsideBでも描かれていますが、どちらも夫が出来すぎ。妻の方はとても人間臭いのですが、夫は…『こん…な人いないって…』って思って感情移入出来ず、あっという間に読了しました。 私が中高生だったら感動した…かも? 感動出来ない自分にちょっとため息が出ました。 続きを読む
投稿日:2016.02.23
理科好き
3
これはずるいでしょ・・
突然の難病に冒された妻。好きな仕事をすることで自分の病状を悪化させてしまうと分かったときに夫婦が取った判断とは・・・。 いや,切ないです。とりあえずここまででも読む価値あり。 と,ここから後半になる…と,話が一変します。 まぁどちらも十分おもしろかったですけれど。 さすがと思わせる作品です。続きを読む
投稿日:2015.12.23
ストーリー・セラーの涙
2
ストーリー・セラー
泣いています。今読み終わったところです。一気に。でも,レビューを読まずに作品と出合っていただけたらなあと思う気もちでいっぱいです。「植物図鑑」は正にビンゴの純愛(私の中では)で胸きゅん。この作品は大人…の胸きゅんにあたるかなあ。有川浩の構想・言葉遣いにまたやられました。 続きを読む
投稿日:2015.12.31
さむくら
想像力でさらに物語が続いていきそう
Side-AもSide-Bも、小説を書く人は女性で、読む人が男性で、ふたりの恋愛があり、生活があり、それぞれ独立してでもかなり泣かされました。 それが、両方を続けて読むと、ああここに繋がるんだ…と理解…しつつも、切なさ二倍というか。 最後まで読んで、結局、どこまでが『物語』でどこまでが『逆夢』なのか…読者にパスされているところも有川さんらしく。 見開きページいっぱいの言葉のところなどは、たまりません。 泣きの山が何度かありました。電車で読んだのは失敗です。ハンカチ、ティッシュ用意して、人目を気にしないところで一気読みしてください。続きを読む
投稿日:2016.06.23
食いしん坊花子
1
読者と作家の幸せな関係
リボンのかかった表紙がすごいイイナー、と思いながら、 長年読まずにいたこちら。 これはラブレターとでもいうのでしょうか。 作家さんとその傍らにいる人の。 熱烈に信じてくれる読者と幸せな作家さんの関係…性が描かれてます。 運命や環境は甘くはないけれど。 続きを読む
投稿日:2017.04.25
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yu
序盤だけ職場の休憩時間に読んで、残りは自宅で一気読みしたけどsideAで大号泣した。職場で読み進めなくて良かった...。 小説の中の小説、という設定が面白かった。 side AもBも、旦那さんが真っ…直ぐで、そして優しくて素敵すぎる...。 やっぱり有川浩先生の恋愛小説が大好きだなあと痛感させられた。続きを読む
投稿日:2024.05.16
ますく555
「致死性脳劣化症候群」と名付けられることとなった、世界でひとつしかない奇病であり難病に患う妻。その妻は作家です。妻とのなれそめから語られていく、夫婦の物語でした。一人称にとても近い三人称視点での語りで…、小説としてはどことなくくだけた感覚を覚えました。 というのが、本書のSide-A。もうひとつ、Side-Aと対になる、ほぼ同分量の物語Side-Bも収録されています。 著者の有川さんはラノベ出身のためか、軽めの文章なのですが、どことなく空虚なようでいて人肌の温度のしっかりある質感がよかったです。そして、ぐっと引き込まれるエモさもあります。 では、ここからは引用しながらになります。ネタバレにもなりますので、ご注意を。 __________ 「何も起こってないときに普通に付き合ってる分には普通の善良な人たちだよ、って前に言ったよね」 彼女はそう前置きして話し出した。 うちの家族はね、私以外の皆が皆、現実に向き合う能力のない人たちなの。困ったことや悪いことが起きても、じっと我慢してたら、無視してたら、いつか何とかなるって思ってて、誰かがどうにか片付けなきゃどうにもならないことをいつまでもいつまでも先送りにする人たちなの。父は強がってるけどその筆頭で、しかも王様なの。たとえば母が「これは何とかしなきゃまずいんじゃない?」って言っても怒鳴りつけて黙らせる人なの。 父には何を言っても無駄なの。だから家族は昔から父には何も言えなかったし、今更もう何も言わない。そのくせ父は、自分で引っ張って引っ張ってこじれきってから「どうにかしろ」って家族の誰かに問題をなすりつけるのよ(p101) __________ →Side-Aより。これってうまく言えてるなあ、と思いました。たとえば僕自身の、ごく近くの周囲、そしてちょっと遠めの周囲までの範囲なんかはたいていこのように「何も起こってないときに普通に付き合ってる分には普通の善良な人たち」だったりするんですよ。世間的にはどうなんでしょう? やっぱりありふれていたりしますでしょうか。……というか、かつての自分もそうでした(忘れるところでした)。とくにコミットせずとも、自然と解消していくのが、周囲のこじれやちょっとした問題だと思っていました。でも、解消しきれていないでうっちゃられるそういった問題が、水面下で積もりに積もっていって、目の前に顕れたときには横綱級になっていたりもするんです。うちの母親は先送りのこういうタイプだし、父親もごく家庭内のこと、介護の一コマだとかではこじれきってから「どうにかしろ」となります。肌感覚でわかるところでした。 __________ 日曜日の夕方、彼女は一時間近くも病院をたらいまわしにされた。理由は後に詳しい友人が教えてくれたが、精神科や心療内科に通っている患者は、それだけで受け入れを拒否されるのだと言う。たとえ倒れた原因が脳卒中かもしれなくても、心筋梗塞かもしれなくても、精神病による通院歴があるだけで「精神病で緊急を要する症状は出ないので、受け入れはできない」と一まとめに蹴られる。彼はそんなことを知らなかったので、一一九番のオペレーターの指示のまま彼女の現在の通院状況と病歴や投薬内容を告げた。(p115-116) __________ →Side-Aより。まず二点ほど指摘したいです。ひとつは、精神科や心療内科に通っていない患者でも、受け入れに1時間やそこらのかなりの時間を要することは珍しくないこと。もうひとつは、精神科や心療内科に通っている人はひとくくりに「精神病」ではないこと。精神病となると重いほうなのでしょうけれど、○○障害、○○症候群、など、精神病とまで呼ばれない疾患が多くあるものです。それを踏まえて言うのですけれど、さいきんは、精神科や心療内科には、もっと気軽にかかるべきだ、というもっともな論調がありますし、実際アメリカなどのように軽く来院できたほうが苦しみが軽くなると思います。でも、引用にあるように、救急時に受け入れを拒否されるなどの「選別」対象になってしまう。薬の管理が病院側でできないから入院はお断りなんて言われて拒否さることもあります。このあたりが社会的かつ世間的に解消されないと、精神科や心療内科に通うことへの障壁は低くならないです。また、そういった診療科へかかる人への差別も少なくなりません。気軽な感じで行けるというアメリカなんかは、救急時の扱いはどうなってるんでしょう? __________ それを訊いたら、正気に戻ってしまうような気がした。誰かを好きになる瞬間は、正気じゃない。(p185) __________ →Side-Bより。人を好きになるときって、頭がヘンになっている状態だなんて聞いたり読んだりしましたけど、この作品の著者もそう思うんだなあと。というか、そういう認識でいて欲しいです、大前提としてみんなが踏まえていること、みたいに。「ああ、頭がちょっとヘンになってるんだね」とくすくす笑われながらも微笑ましいと思われて許容されるっていうようにです。 __________ あたしたちを助けてくれない世間体など知るか。あんたたちも含めて。(p212) __________ →Side-Bより。あんたたち、というのは、こまごまと干渉してくる両家の親のことです。そうなんですよね、すごく困っていて、誰かに助けてもらえるならありがたいのに、助けてもらえることなんかまずなくて、でも、そんな周囲の世間体は守らないといけない、みたいな不文律というか、暗黙の常識みたいなものってあるなあといつも感じています。そう感じているからこそ、この一文に小気味の良さを感じて共感が芽生える、という。 というところでしたが、最後にひとつ。事後論理と事前論理について、さいきんぼんやり考えているのですけど、この小説は、…というか本作に限らず他の多くの小説がそうだったりすると思うのですが、事後論理でつくられている作品といった感じでした。つまり世界のいまの在り方をまず肯定して、そこから構築している、というような。カフカの「世界と君との戦いにおいては、世界の側につきたまえ」という言葉のその通りの実践という感じがします。そればかりか、ほんとうに常識というか、定石なのかもしれないなとも思えてしまいます。世界をひっくり返したいと思っても、まずは肯定から入れという意味かな、なんて、考えてしまうところです。そして、本作は、そういう意味では、世界の前提を疑って、そこに挑むというよりは、世界の盤上は揺るぎないものだ、とそこは疑わずに、その盤上で生きづらさを言語化し、その世界をひっくり返さない範囲で、つまり世界のルールを変えることなく(ときにルールが失われているための生きづらさもあったりするので、失われたルールを再登場させるなどもありますが)、格闘する、言い返してみる、モヤを取り払ってみる、今一度そのあたり常識のもともとのところに立ち帰ってみる、などしている感じがします(……と考えましたが、世界の側につく、というところはもっと考える余地があり、ちょっと怪しい論述になっていることを認めます)。続きを読む
投稿日:2024.05.06
momo
この本は、「物を書く」側の人間と「物を読む」側の人間の恋愛小説である。 本の中には二篇の物語が収録されている。どちらも最後にはパートナーが死んでしまうのだが、死んでしまう側も看取る側も最期まで相手を想…い続け、満ちた感情で物語を読み終えてしまうのもまた切ない。 正直この本はもう10年近く前から定期的に読み続けている本で、展開ももちろん知っている故に感想を書くとなると少し難しい(書いたこと全てがネタバレになりそうな気がする)。しかし、読む度に新鮮に心が痛くなったり涙しそうになったり、幸せな感情になったりと心を動かしてくれるこの小説と有川浩さんが私は大好きだ 10年近く読んでいるとは言ったものの、まだ私の中で落とし込めていない謎が2つある。 ひとつはなぜ登場人物は具体的な名前を与えられていないのか。小説の中で、登場人物の呼称はセリフであっても「彼」「彼女」であった。 2つ目はsideAとsideBの繋がりである。どちらも「小説の中の小説」であり、また物書きと物読みの恋愛小説で共通点が多い。この2つの物語に関連性がありそうとは思いつつもまだ私の中で答えが出せていない。続きを読む
投稿日:2024.04.29
VegasCat
このレビューはネタバレを含みます
sideA こっそり書き溜めていた作品を彼に読まれた『猫剥げかけ』な彼女。 作品を大絶賛した彼は「俺は君が飛んでいるところを見てみたい」と後押しして、彼女は小説家になる。 その彼女が思考するほど寿命が縮む病気になるのが辛かった。それでもかっこよく生きたのが素敵だった。妻側が亡くなるストーリー。 sideBも切なく悲しかった。 会社の同僚だった彼が自分の小説の大ファンだと知り、交際に発展して結婚した2人。 彼が交通事故にあい、すい臓の腫瘍も見つかってしまい長くはない命。 彼女のわがままを聞いてあげるのが生き甲斐だったから、奥さんを残して逝ってしまうことが苦しそうだった。 逆夢を信じて旦那の亡くなる話を小説にした彼女だったけれど、小説の中に小説が入っている形だったから最後までスッキリはしなかった!
投稿日:2024.04.22
恵瑠
有川浩氏の作品をまとめ買いしてきた。 どこまでがホントで、どこからがウソなのか? 女性作家が描く夫婦のストーリー。 夫視点、妻視点のsideA、sideBで構成されている。 どこまでがホントなのかは分からない。 でも、感性に惹かれ合う、お互いの言葉選びのセンス、言葉の大事さ、を理解し合えるって羨ましい。 身近に感性が合う人がいる確率はリアルでは低そうだし、出会える確率はもっと低いように思うけれど、ここまで甘やかしてもらえるなら夢を見たくなりますね。
投稿日:2024.04.19
リン
サイドAの微笑ましい2人のやりとりと、あの出来事以降の物語の展開で胸が締め付けられる。大事な人を想像しながら読むと余計に涙が止まらなかったです。
投稿日:2024.04.08
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