【感想】続 若草物語

L・M・オルコット, 吉田勝江 / 角川文庫
(12件のレビュー)

総合評価:

平均 3.7
3
3
4
1
0
  • 続編も面白い!

    新婚のメグ、相変わらずのジョー、病弱になってしまったベス、そしてレイディに華麗に変身したエイミー。まったく違う性格の四姉妹の生活が変わらず活き活きと描かれています。
    お隣のローリーとジョー、そしてエイミーのロマンスの行方は?
    そしてベスを襲う悲劇に一家は・・・。
    続編は面白くなくなることもよくありますが、若草物語に限ってはそのようなことはなく、最後まで一気に読んでしまいました。
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    投稿日:2016.01.13

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  • くまさん

    くまさん

    このレビューはネタバレを含みます

    一文が長くなって読みにくくなっていたのが残念…文章も哲学的、宗教的で理解するのが難しかった。
    エイミーの成長ぶりがすごくてこの本の一番の読み所といっても良いと思う。あんなに華やかなことが好きだった彼女がこんなに素敵な一人前の女性になるなんて…とビックリ。
    こういう話の流れ的にはローリーは最終的にはジョーと結婚するのかと思ってたから、そうならなくて逆に安心した。4人の女の子が主人公だと仕方がないとは思うけれど、あまりにも恋愛要素が多くないか…?とは思った(時代が時代なこともあると思うけれど)

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    投稿日:2023.10.09

  • はな

    はな

    知った気でいた若草物語。1巻までしか読んでないことに今更気付いて、続編は初読み。
    想像を遥かに上回る面白さだった。大人になった今だから、余計に共感できることも多かったし。
    長く愛されてる理由がよく分かった。この清さは普遍の価値観な気がする。続きを読む

    投稿日:2021.12.09

  • ハゼ

    ハゼ

    このレビューはネタバレを含みます

    成長した四姉妹がそれぞれ魅力的で、皆が愛しく思えた。特にエイミーの成長ぶりが目覚ましく、まさかこんなに格好いい女性になるとは思わなかった。彼女の物の考え方は、是非とも見習いたい。メグの結婚・育児話は、自分も今まさにこのような年代のため、大変リアルに感じた。お母様の助言が、150年前に書かれたとは思えないほど、参考になる。個人的には、ベア先生が可愛くてお気に入りなので、ジョーと結ばれて嬉しかった。全編通して、この巻が一番好き。

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    投稿日:2021.09.11

  • しんたま

    しんたま

    このレビューはネタバレを含みます

    ジョーが結婚するのがどうしても受け入れられない
    ベスの死も
    エミリーとローリーの結婚も
    メグの幸せの価値観も 受け入れられない
    どうしても好きになれない続編
    まあ人生そうそう上手くいかないってことですよね
    ジョーのモデルである作者が生涯未婚らしくて救われた

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    投稿日:2021.01.21

  • chiakihirano

    chiakihirano

    『ストーリー・オブ・マイ・ライフ』公開記念で『若草物語』に続いて『続 若草物語』。
    
    私が子供の頃は『愛の四姉妹』とか『愛の四少女』みたいなタイトルでした。中学生くらいのときに読んだつもりでいたけど、大筋以外すっかり忘れてました。当時の私にはジョーがローリーを振ってしまうとか、ベスが結局死んでしまうとか納得できなかったんだと思いますが、今回、読んでみたら、え!なにこれ、すごくおもしろいんですけど。
    
    ドラマチックなストーリーもさることながら、メグの質素で素敵な結婚式とか、外国をめぐるエイミーとか、ディテールがとても良い。どんなドレスを着て、どんな花を髪に飾ったとか、そんな部分がキラキラしてます。
    
    訳者あとがきは1968年となっているけれど、文庫版のあとがきらしいので訳自体はもっと前のものと思われます。良い意味で古くさくて生真面目な訳は、説教部分も多い本作によくあっています。
    
    幸せいっぱいの結婚をしたはずなのに貧乏と家事、子育ての現実に悩むメグ、お金持ちと結婚しようとするエイミー、このまま孤独な老嬢(「オールドミス」っていう古くさい読み方、好き)になっていくんだって悲しむジョー。
    現代にも通じるテーマだけに、幸せな結婚というハッピーエンドはいささか安易にも感じます。150年前に若い女性たちに向けて書かれたものだからしょうがない気もしますが、オルコット自身はどう思っていたんでしょうか。
    
    映画ではルイ・ガレル(フィリップ・ガレルの息子。『ドリーマーズ』のセクシー兄ちゃん)が演じていたベア先生ですが、原作では「顔かたちだってりっぱとはいえない」男性で、20歳のジョーに対し、40代とかなり年上のおじさんです。それでも誠実な人柄が誰からも好かれていて、知的な会話もできる。ジョーがローリーよりもベア先生に惹かれたのも今なら納得できます。
    とはいえ、学校を始めるあたりベア先生のモデルはオルコットのお父さんなのでは。
    
    ジョーに振られたローリーがエイミーに再会して立ち直っていくのもわりと納得できる展開。(エイミーに求婚していたフレッド・ヴォーンは、『若草物語』のローレンス・キャンプでズルをしてジョーを怒らせたイギリス人の少年。キャンプのときにメグのもうひとりの賛美者だったネッド・モファットは、メグの友達のサリー・ガーディナーと結婚してます。)
    
    ほぼ忘れていた私がいうのもなんですが、『若草物語』にくらべて、あまり読まれていなそうな『続 若草物語』。20代くらいの女性だったら今でも共感できるところも多そうで、むしろこっちのほうをぜひ読んでほしいと思いました。


    以下、引用。
    
    画室の片隅から人をにらんでいる色の黒い少年たちや黒い目のマドンナたちは、お世辞にもムリーリョを連想させるものではなかった。誤った方向に一条のものすごい光線を引き、油っぽい茶色の影をつけたたくさんの顔はレンブラントのつもりである。丸ぽちゃの貴婦人たちと水ぶくれの幼児たちはルーベンスだった。そしてターナーは、水色の雷とオレンジの稲妻と茶色い雨と紫の雲で表されていたが、その絵の中央にあるトマト色のしみは、見る人の心に太陽とも見えれば浮標とも見え、また水夫のシャツとも王様の衣とも見えるのであった。
    
    「お姉さまは肘を張ってつんとして世の中を押し通していらっしゃりたいなら、そうなさるといいのよ。それが独立だとおっしゃるんでしょう。でも私のやり方は違うんですもの」
    
    彼女のペンの魔力によって、その「がらくた文」は家の者みんなに安楽な思いをさせるものと化した。「公爵の娘」は肉屋の勘定を払い、「幽霊の手」は新しい敷物を買い、「コヴェントリー家の呪い」は雑貨屋の払いをすませたうえみんなのガウンを買うという恩恵をマーチ家にもたらした。
    
    富というものは確かに結構なものである。しかし貧困もまた楽しい反面をもっている。精神的と肉体的とを問わず一生懸命に働いて得たところの純粋な喜びは、逆境というもののもたらす幸福の一つである。この世の中の賢く、美しく、有用な恩恵というものは、半分くらいは必要という刺激があってはじめて得られるものである。ジョーはそういう喜びを味わうことを楽しみ、お金持ちの娘たちをうらやむことをやめた。そして足りないものは自分の力で整え、他人に一銭の助力も乞わなくてすむことを知って、大きな満足を覚えたのであった。
    
    「美しきものは永遠の喜びっていうのは、あんたのことよ」
    
    というのは彼女はアメリカに生まれ、アメリカに育ったにもかかわらず、こういう称号に対しては尊敬の念をいだいていたが、そういう考えはまたたいていのアメリカ人につきまとっているものであったーそれは今は承認されていないとはいえ、その昔に国王を信頼した忠節の思いなのであって、それがあればこそ、数年前に黄色い毛の若者(プリンス・オブ・ウェールズ)が来訪のおり、世界で最も民主的なこの国民が興奮したのであり、そうしてまたそれはこの若い国が古い国に対して今なおいだいている愛情にもいささか関係があるのである。
    
    「あの人たちが卑劣だかといって、私までそうしなければならないってことはないでしょう。私はそういうことがいやなのよ。私は感情を害したってかまわないのですけれど、それを表にあらわしたくはないの。荒っぽいことを言ったりするよりも、だまっているほうが、かえってあのひとたちに思い知らせることになるんじゃないでしょうか。」
    
    「ひとに打たれたならば、キスで報いるのがいちばんなのです。なかなかそうはできないものだけれどね」
    
    その領地には広壮な荘園だの、大きな館だの、美しい庭園だの、りっぱな馬だのがあるのです。ああ、ほんとに私のほしいものばかりです。ふつう女の子は称号のようなものにとびつくようですけれど、私はそんなあとに形も残らないようなものよりも、こういうもののほうがほしいと思います。
    
    平凡で誠実で美しい人間を見たら、手当たりしだいにそれを研究するように、それは作家としてよい修業になる、というのである。
    
    若者たちはそれをそのときは大して気にもとめないのであるが、のちに世に出てからは、どれほどの成功を遂げようとも、これほどの称賛をかち得ることはないのである。
    
    エイミーのほうではもうはにかみをすてて、思うぞんぶんに彼を踏みにじってやりたいような衝動を感じていた。女の子というものは、男がちょっとでも服従の色をみせると、そんなふうにすることに喜びを感じるものである。
    
    先だってある非常に美しい婦人が、「私は今も変わらず美しいのに、いったん結婚してしまったら、だれも私などにはふりむきもしなくなった」と言ったが、実際多くの婦人はこれと叫びを同じくするであろうと思われる。
    
    それはどんな貧しい者でももつことができる代わり、富める者といえどもお金で買うことはできないものである。
    
    「もっと低いところの、棘のないのをお摘みなさいよ」エイミーが言った。
    
    「それからりっぱなご本を書くことよりも、世界中を見物することよりも、そうやって働くほうが、お姉さまのしあわせなのだってこともね。だって、どこへ行くにも自分といっしょにもって歩けるものは、愛だけでしょう。そしてそれは終わりをらくにしてくれるものなんですもの」
    
    二十五歳の者にとって、三十歳という年はすべての終わりのように思われる。しかしそれは外から見るほどわるいものではない。ひとがもし自分の内にしっかりと頼むものがあれば、十分幸福に暮らせるものである。
    
    「よくわかるわ。でもねテディ、私たちはもうどんなことをしても、少年と少女にはなれないのよ。」
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    投稿日:2021.01.04

  • kicchan2

    kicchan2

    角川文庫の上下編のもので読みました。
    映画を観てから原作が気になっていたので読めてよかったです。
    映画では結構端折られていたジョーとローリーとエーミーとベア先生の関係がわかってスッキリしました。
    時代背景は詳しくわからないけれど、みんなで助け合いながら自分のやりたいことをやめない強い女性たちがかっこいいなぁと思いました。続きを読む

    投稿日:2020.09.19

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