【感想】翼をください 上

原田マハ / 角川文庫
(92件のレビュー)

総合評価:

平均 4.2
35
38
12
1
0
  • 大空へ

    第二次大戦前に,世界一周飛行をしたニッポン号とアメリカの女性飛行士アメリア・イアハートをテーマにしたストーリー。(ちなみに,フィクションになっている。)
    この当時,まだ「飛ぶ」ということは冒険に近い部分があった。その上,大陸間を横断するというのは,冒険そのもの。そんな飛行に飛び込んでいった,人々が生き生きと描かれている。
    この物語の中,飛行機が魅力的に描かれているのは当然として,やっぱり原田マハと思わせる人の描かれ方が魅力的。
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    投稿日:2015.07.25

  • 飛行機で世界一周を成し遂げた裏の物語

    第二次世界大戦の直前に毎日新聞の飛行機が世界一周を成し遂げたのを知っていますか?
    私自身はまったく知りませんでした。

    この物語は,その史実に,世界一周をないし遂げる一歩手前までいった女性パイロットの物語を絡めたフィクションです。
    日米が,そして世界が大戦に向けてぎくしゃくした時代に,『空は一つ』という想いで世界を飛んだパイロットやそれを支援する人々がとてもうまく描かれています。

    この作家さんは,キュレータの仕事などされていたこともあり,美術関係の話は詳しいけれど,メカは全然だったはず。でも,文章力はあるし,相当勉強したんだろうなぁというのがよく分かります。
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    投稿日:2015.11.08

  • 第二次世界大戦前の史実をベースに、思いっきり作者の想像をふくらませて書かれたファンタジーの始まりです。

    飛行機が登場して先進国の間で飛行距離競争をしていた頃の史実をベースにした原田マハ氏のほのぼのとしたファンタジー。それにしてもマハ氏に『ずるい』と言いたい。主人公であるエイミー・イーグルウイングが相当に魅力的なおてんば娘として書いていると同時に、しっかりと彼女の敵・味方をものすごく分かり易く登場させている。しかも、アインシュタインや山本五十六を登場させるあたりは、小憎らしくもある。世界一周を目前にして消えてしまったエイミーやいかに、対してニッポン号はどうなるのか、下巻へ続きを読む

    投稿日:2016.12.19

  • 楽しめる作品です。今、下巻を読んでいます。

    さすが 原田マハ!!
    アメリア・イアハート(世界初の世界一周に取り組んだアメリカの女性パイロット)についての小説です。興味津々読んでいます。

    投稿日:2017.10.25

ブクログレビュー

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  • tsukuru

    tsukuru

    胸が躍る冒険物語。著者は史実とフィクションを掛け合わせるのが巧みで、読み手はどんどんストーリーに引き込まれます。
    エイミーイーグルウィングを好きになり、山田くんを好きになる。
    読んでいて気持ちの良い小説です。続きを読む

    投稿日:2024.05.01

  • taishibrian

    taishibrian

    大西洋を単独横断飛行したアメリア・イアハートと、初の世界一周旅行を成し遂げたニッポン号という2つの実話を組み合わせたフィクション。20世紀初め、飛行機の時代が到来する中で、世界をその目で見たいというパイロットたちの挑戦がその裏では政治利用されていく。戦争の足音が近づいてくる中で、いかに若者たちは翼を広げていったのか。

    1903年のライト兄弟初飛行から飛行機はどんどん進歩していき、1910年代の第一次世界大戦では飛行機による空爆が実施され、1927年にリンドバーグによる初の大西洋単独無着陸飛行が成功、そして1932年にアメリア・イアハートは女性による初の大西洋単独無着陸飛行に成功する。このアメリア・イアハートをモデルとした本作主人公の1人が、エイミー・イーグルウィングとして登場する。

    一方の日本では、朝日新聞社に大西洋単独無着陸飛行を先行された毎日新聞社が単独世界一周飛行を計画し、1939年にニッポン号は羽田空港を飛び立った。パイロットなど航空関連の専門職が乗組員に選ばれる中で、山田順平というカメラマンがもう1人の主人公としてニッポン号に搭乗する。父親の形見のライカとともに世界各地を巡り、新聞の一面を飾るようなスクープ写真を撮っていく。

    この日本人が世界で初めて世界一周飛行に成功したという事実は、意外なほどに知られていない。それもそのはず、GHQによってこの日本の飛行機技術は解体・隠ぺいさせられ、この日本人による偉業も語られるのも憚られる状況だったためである。飛行機という新技術はその黎明期が戦争と強力に結びついてしまい、結果として軍事利用が主目的の1つとして現在でもアメリカやヨーロッパがその覇権を握っている。しかし、戦前は日本が世界最高水準の技術を持っていたこととともに、これらの逸話を語り継いでいきたい。
    続きを読む

    投稿日:2024.04.20

  • ジェダイパパ6986

    ジェダイパパ6986

    その名はエイミーイーグルウィン!もう次が気になって気になって…あっと言う間に上巻を読み終えました!さぁ、下巻へ!

    投稿日:2024.04.14

  • なつき

    なつき

    史実と史実を掛け合わせたフィクションで、実在した天才女性パイロットのアメリア・イアハートさんと世界一周を成し遂げた飛行機であるニッポン号とその乗務員がモチーフになっています。

    戦争前の難しい時期に国際親善を目的として飛んだニッポン号にもしも8人目の乗務員がいたら、、

    純粋に飛行機を愛するニッポン号のメンバーと平和を願い続けたエイミーが世界一周という偉業に向けて協力し合う姿に胸が熱くなりページをめくる手が止まりませんでした。

    世界一周を終えた2年後に太平洋戦争が始まるわけですが、飛行機が戦闘機として利用されニッポン号のメンバーの一人も犠牲になった事になんとも言えない悲しい気持ちになりました。

    読みやすくてあっという間に読了。
    熱くて爽やかで少し切ない、そんなお話でした。

    個人的に好きなシーンはエイミーがニッポン号からトビアスと通信をする場面です。生きているのかどうかはわかなかったエイミーから突然通信が来たときのトビアスの心情を考えると、、
    物語終了後のエイミーがどうなったかは描かれていませんがトビアスと再会してて欲しい!

    エイミーのモデルになったアメリア・イアハートさんは世界一周中に突然行方不明となり大掛かりな捜索をするものの遺体も飛行機の残骸すらも見つからず長年様々な憶測が飛び交っていたそうです。
    行方不明後に今回の物語が実際にあったとしたらと考えるとワクワクしますがつい先日彼女が乗っていた飛行機と思われる残骸が海底に沈んでいるのを発見されたそう。これから何年もかけて捜査をするようですが80年以上経った今もこれだけ注目が集まるとはすごいですよね。
    続きを読む

    投稿日:2024.02.28

  • たこやき

    たこやき

    面白かった!原田マハさんの作品は、個人的に合うやつと合わないやつがあるけど、これは合うやつだった。フィクションではあるものの、史実としては本当のことも織り混ざっていて、結構感動してしまった。戦前の日本に、世界一周を成功させた航空機があったなんて、全く知らなかった…続きを読む

    投稿日:2024.01.06

  • yasuetsu

    yasuetsu

    世界一周を成し遂げる手前で失踪したアメリカの女性パイロットも、日本で初めて世界一周を果たしニッポン号の男性パイロットもモデルがいて、そこにルーズベルト、アインシュタイン、山本五十六など歴史上人物が絡んで、まるで実録のような展開。
    友情、裏切り、陰謀、情熱、それらが塊となって心を揺さぶる。
    下巻、楽しみでしかない。

    ところで、天才アインシュタインは、純粋な研究が世界平和を脅かす可能性を、戦争にも巻き込まれる中で実証してしまった人物である。それは、その後の科学倫理にも課題を提示した形になっている。
    本人が言ったのかどうかは知らないけれど、「世界は、ひとつではない。だからこそ、大事なのは、共存すること。」と言いつつ、でも本当は「私もずっと、考えていたんだよ。そして誰かに言ってみたかった。世界はひとつなんだ、と。」と思っていた。
    アインシュタインの伝記を読んでみて、近からずも遠からずの心境だったのではないかと思う。
    続きを読む

    投稿日:2023.11.19

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