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大崎善生 / 角川文庫 (124件のレビュー)
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総合評価:
わらぶる
11
涙で画面が見づらい
以前小児病院の事務をしてたことがあって、その頃の患者さんと話したことを思い出して涙が止まらなくて。聖(さとし)と師匠の関係がまた痛くて。逃げられない運命に立ち向かう力強さ。容赦無く襲いかかる病魔。これ…ほどまでに残酷な運命が聖をさらに純粋に勝負世界へ誘っていく。ストレスに押し潰されそうになって、暴れることだってある。当たり前だろう。弱いものを助けたいという想いがまた素晴らしい。仲間から愛された様子も素敵に描かれている。コミックの「聖」一巻も読んだけど、どちらも甲乙つけがたい。三月のライオンの二階堂も聖をモデルにしたのでしょうね。松山ケンイチさんの映画も期待しちゃうな。タオル持って見に行かないとダメかな。続きを読む
投稿日:2016.11.23
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ynpy
9
将棋が解らないので中途半端なレビューかもしれませんが。
恥ずかしながら将棋のことは全く知らないので最初は買うのを躊躇っていたのですが、読み始めたら一気に読んでしまいました。 人間は悲しみ、苦しむために生まれた。 それが人間の宿命であり、幸…せだ。 僕は死んでも、 もう一度人間に生まれたい。 村山聖氏22才の頃に書いたものらしい。この言葉を20代の若さで書くようになるまで、どんな人生を送って来たのか。大崎氏はどちらかと言えば淡々と書いていて、見たまま、感じたまま、聞いたままに描写している。その抑えた筆致の中に最後の最後まで将棋を打つことを諦めず、生きるために壮絶に闘い抜いた村山聖という人間に対する敬意と普段の生活の人懐こい村山君に対する愛情が感じられる。 師匠との交流が物凄く良い。羽生善治との交流の様子も良い。ご両親の訳もわからず振り回されながら懸命に息子を支える姿も子を思う親の気持ちとして共感できる。勝負師として厳しい面とたくさんの人に愛された村山聖という人間の魅力が本書からたくさん伝わってくる。 多分、将棋が解ったならもっと村山聖氏の凄味がわかるんだろうなぁと思い、ちょっと悔しい気持ちはあるけれど読んで良かった。 続きを読む
投稿日:2016.11.05
本読みボーイ
4
若くして輝く才能
人は誰でも輝く瞬間があると思います。難病で若くしてその一生を終えた棋士がどのように輝いたのかそれを知りたくて購入しました。
投稿日:2016.11.12
レビューネーム未設定
3
壮絶。
あまりに壮絶。これがフィクションなら、ちょっとやり過ぎでしょ、とツッコミを入れたくなるくらい、残酷な運命。それでも最後まで読み切れたのは、聖を取り巻く人々の、決して哀れみではない愛情と、そしてそれを引…き出す聖の力強い生き方に背中を押されたからか。名人村山を見てみたかった。続きを読む
投稿日:2017.02.05
肉丸くんって呼ばれてたんですね。
みんなに愛されていた人らしいあだ名ですよね。 「東の羽生、西の村山」と称された村山肉丸くん。彼の人生が壮絶すぎるものであったことがこの本からものすごく伝わってきます。 この本を買う切っ掛けとなったのは…松山ケンイチさんが主演する映画「聖の青春」のCMをチラリと1回みたことによります。 なんとも言えない雰囲気を醸し出す主人公に興味がわいて思わず映画ではなく小説を買ってみました。 子供の頃から病気を抱え、普通の人の人生を生きることが難しかった。それ故に生きている姿勢が全力です。 その主人公をささえる家族や師匠となる森さんや棋士仲間の温かさが半端じゃなさすぎる。 常に病気と闘いながら棋士として勝負に生きている。何度も病院に運ばれてもそれでも常に上を目指し名人を目指している姿がかっこいいです。 コミックや推理小説に占領された共同トイレのアパートをねぐらにして将棋という特殊な世界で生きる彼の日常が描かれています。 病気を抱えた主人公であるのでどうしても全体のトーンは壮絶な雰囲気ですが心温まる場面がたびたび登場します。 GOOGLE検索で彼の画像を検索すると「肉丸くん」て感じなんだかわかるなぁって写真が出てきて、かなりほっこりします。 人生を全力で生きたことが伝わりとても心を揺さぶられます。良い本です。 続きを読む
投稿日:2017.03.24
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くりくん
村山聖(さとる)が将棋にかける思いがつづられた作品。名人になるという目標を掲げながら、29歳という短い人生を懸命に生きねいた。 師匠の森との絆の深さ、面倒見の良さにも驚いた。 三谷工業のオジちゃんとは…誰なんだ?登場人物皆素晴らしい。続きを読む
投稿日:2024.05.14
鈴
彼の人生が決して綺麗に繕うことなく日常的に淡々と綴られているからこそ、将棋の世界で生きるということが、そして病と共に生きていかなければならない現実が、彼にとって当たり前であったのだと強く感じさせられた…。「面白かった」と軽々しく言葉には出来ない。ただ、ひたすらに、彼の強い信念と人間味のある生き方に強く心動かされた。将棋の知識は全くなかったけれど、一気に読み進められた。涙なしには読めなかった。続きを読む
投稿日:2024.03.21
こうじのすけ
あまりに純粋に生きた生涯。 神格化される部分だけでなく、不器用な男の子人間味ある部分に惹かれる。 幼い頃から病気により自由のない世界にいたが、将棋に出会い、将棋を通して世界を広げていく。
投稿日:2024.03.20
みちょはちゃ
このレビューはネタバレを含みます
聖の青春 大崎善生 ∞----------------------∞ 棋士村山聖さんのノンフィクション小説。 将棋は全く分からないけど、村山聖という人の生き様は凄かった。 人生の半分ほどの日数は布団の上で過ごし、将棋が無ければつまらない人生だったのかも知れないけど、きっと身体が弱いからこそ出会えた将棋だっただろうし、多分元気だったら将棋はしていなかったんだろうなと思った。 29年間は短い。でもそんな短い生涯の中でこれだけ名を残せることは、よっぽど努力をしたんだろう。天才とも言われているけど、無茶をしながら自分を徹底的に苦しめて奮闘する様子は凄まじい。 それでも稼いだお金はほとんど寄付をする。自分のことには無頓着でも、人のためになることに一生懸命な姿に半ば呆れるくらいだった。 森師匠との師弟関係が愛で溢れてた。他にも色んな人に可愛がられ、身体には苦労してたけど、人間関係では良い人達に恵まれていたと思う。それはもちろん彼の人柄によるものだけど。 2024/03/16 読了
投稿日:2024.03.16
ちさ
島田潤一郎さんの本で知って、早く読みたかったこの本。読了直後に泣きながら書いた感想をそのまま投下します。↓ 寂しい、初めて村山さんのことを知ったのに、寂しくてたまらない、虫が良すぎるけど 村山さんの…将棋を生で見てみたかった。 運命が残酷、もう読む前の私には戻れない読んだ後も涙が止まらない。これからの私の人生で村山さんを忘れることは絶対にないし、29歳の誕生日、私は村山さんのことを思い出すと思う。名人、とってほしかった。 悲しくて寂しくて辛い。どれほどの辛さ、痛さ、無常感だったんやろう。想像を絶する。そしてどれほどの、名人への渇望だったんやろう。死が常に隣にあり、命あるものは髪も爪も切れない、でも将棋も自分が生き延びるか相手を殺すかだという葛藤。思い通りに動かない体、暗闇と水滴の音だけの中で過ぎゆくのを待つ無力さと恐怖。。現実の自分の体といつか必ず来る死、それに打ち勝つには将棋しかなかった。将棋と、名人になるまで全員を倒す、勝利しかなかった。自分だけが知る自分の体の予感、コントロールして付き合ってきたからこそ最期の時や悪い進展もわかる、その恐さはどれほどやったやろう。。それでも諦めず、自暴自棄にならず、名人への切望を死ぬまで忘れなかった。ひたむきとか懸命とか純粋とか、この世にある言葉では表せない気がする。 大傑作やった。2024年序盤も序盤やけど、今年良かった本ランキング間違いなく一位。本の好きなジャンル関係なく、是非読んでほしいと思った。続きを読む
投稿日:2024.02.16
kasaharapapa
病気を抱えながら生きる自分が自分自身であり、それは切り離して考えるかとはできない。病気が自分の将棋を強くし、ある意味では自分の人生を豊かにしているのだと考えた 土に還る 単行本は2000年2月の出版。表紙の写真の眼光は鋭い 2002年5月に講談社文庫として刊行 文庫本には、父伸一さんの「聖のこと」の文書が載っている 残した言葉 1年1年この思いを込めて生きて参りました。 生きる事は時の積み重ねです。年月日時分秒入院時、時計を病室に自分の目線で置いてなくなるまで 今日は何日今は何時と時を確認することが生きている証であるかのように 「土に還る」言葉を残して 残した物を整理する中でメモが出てきました。そこには、 人間は、悲しみ、苦しむために生まれてきた。それが人間の宿命であり、幸せだ。僕は、死んでも、もう一度人間に生まれたい。 と記されてありました
投稿日:2023.12.13
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