【感想】麦の海に沈む果実

恩田陸 / 講談社文庫
(744件のレビュー)

総合評価:

平均 4.2
321
239
124
23
3
  • 小説の評価を「好き」か「嫌い」かで量る人向け(良い意味で)

    この作家の作品は、いつも魅力的な謎と舞台設定でぐいぐい惹きつけておいて、最後にパッと読者を突き放し呆然とさせて終わる。
    これは、大湿原の真ん中にぽつりと建つ、閉ざされた全寮制の学園での約半年間の物語。それぞれが何かしら秘密を抱えた、才能に満ちて美しく、でも年齢相応の悩みも持つ生徒たち。過去から現在まで相次ぐ、生徒の失踪と死亡事件。その舞台となる図書館や薔薇園や尖塔といった「場」。たぶんここには作者の好きなものがたっぷり詰め込まれていて、その「好き」を共有できる読者(私のように)にとっては、しばしそこに身を置くことができただけでも、幸せな読書体験になるだろう。
    だからこそ、結末でポンと突き放された時の衝撃とカタルシス、そして何よりの納得感もひとしおだと思う。「ごめんね、これはあなたの物語じゃなかったのよ。でもひょっとしたらこれもあなたなのかもしれないよ」と。
    続きを読む

    投稿日:2015.10.07

  • 不思議な世界観

    まぁ,少し非現実的な設定ではあるのですが,話の展開も不思議な感じの作品です。

    最後はちょっと・・と思わなくもないですが。全体としてはまずまず面白かった。

    投稿日:2016.08.14

  • 理瀬シリーズ第1弾!

    理瀬シリーズは本作に始まり、「三月は深き紅の淵を」「黒と茶の幻想(上下巻)」「黄昏の百合の骨」・・・と続きます。
    もう何度も読み返しましたが、何度読んでも面白い。
    本作は、理瀬が学園に在学中の話。
    もが羨む美少女の理瀬は、実は在学前の記憶をなくしている。
    ここは「三月の国」。
    そんな、たくさんの秘密を内包する学園で起きる殺人事件。死んだはずの少女の存在。
    理瀬はどんな少女だったのか。
    なぜ記憶をなくしてしまったのか・・・。
    独特の世界観と、登場人物たちの魅力に、読むごとに引き込まれます。
    こんなにドキドキする作品はそうはないと思います。
    続きを読む

    投稿日:2015.07.25

  • なんで.....

    すみません紙の本で読みました。
    なぜこの作者は私のツボをついてくるのだろう。閉ざされた環境、謎めいた登場人物。ミステリのお決まりの設定なのに、ああこんな場所で学校生活を送ってみたかった。、、、、と思わずにはいられない作品世界に、さあ行きましょう。続きを読む

    投稿日:2016.08.10

  • 面白い‼

    恩田さんのその他の多くの作品同様、不思議さ満点で面白いです‼

    蜂蜜と遠雷よりこの作品のほうがよっぽど面白い。

    投稿日:2017.04.14

ブクログレビュー

"powered by"

  • まめたカチカチパスタ

    まめたカチカチパスタ

    季節や風景の描写、人物の感情、友情、全て綺麗な色の文章によってその世界観に深く入りながら心地よい時間をすごせる物語でした。
    大切な一冊になりました。

    投稿日:2024.05.09

  • きらりんず

    きらりんず

    なんかもしかしたら読んだことあるかも?と思いながら読み進み、結局読んだか読んでないかわからないまま終わった…笑
    「三月は深き紅の淵を」と繋がっているからそう思ったのかもしれない。
    でももしかしたら読んでたかもしれない。それだとしてもとても面白かったー!何がどうなってるのか最後にわかって、なるほどーってなった。続きを読む

    投稿日:2024.05.06

  • はなむぐりん

    はなむぐりん

    『夜明けの花園』を読んだので、再読してみた。かなりうろ覚えであったものの、結末が分かった上で楽しめるかどうか不安だったが、全く問題なかった。
    理瀬に象徴される美しいが不安定な様や、思春期らしい辛辣さ。特殊な事情が満載の、閉鎖的な学園の不穏さの末に起こる事件。それらが実に蠱惑的に展開する。
    そうしてラストに理瀬がほんとうの主人公となった時、鮮烈に心を射抜かれる。
    恩田陸の小説は、物語を読んだ充実感に満たされることが多い。ここではないどこかにいざなう術が巧みなのだろう。本書はまさにそんな一冊である。
    続きを読む

    投稿日:2024.05.04

  • 日追

    日追

    このレビューはネタバレを含みます

    理瀬が精神を壊しながら記憶を取り戻していく様が精神世界に引き込まれるようで一種の恐怖をも感じた。
    冒頭と全体との関連性の正解が知りたい。
    恩田ワールド全開だが読みやすく、続作も読みたい、

    レビューの続きを読む

    投稿日:2024.04.12

  • KOKORO64

    KOKORO64

    沼地の中に孤立している学園を舞台としたミステリ。理瀬シリーズの第1弾。9割方読んでも着地点が分からず、第2弾に継続するのかなと思ったら、予想外の結末が待っていた。
    『三月は深き紅の淵を』がシリーズの序章という事で読了後に本作を読みましたが、本作から読み始めた方がドキドキ感が大きいと思います。次作で理瀬がどんな風に登場するか楽しみです。続きを読む

    投稿日:2024.03.30

  • はやせさん

    はやせさん

    個人的に苦手です。
    登場人物達のサイコパスっぽいところや、自分にとって都合の悪い人たちは傷ついてもいい、でも古い建物は好きだから壊さないで、とか。そういうストーリーとは関係ない、ちょっとしたところが生理的に合わなかった。続きを読む

    投稿日:2024.03.24

Loading...

クーポンコード登録

登録

Reader Storeをご利用のお客様へ

ご利用ありがとうございます!

エラー(エラーコード: )

本棚に以下の作品が追加されました

追加された作品は本棚から読むことが出来ます

本棚を開くには、画面右上にある「本棚」ボタンをクリック

スマートフォンの場合

パソコンの場合

このレビューを不適切なレビューとして報告します。よろしいですか?

ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。

レビューを削除してもよろしいですか?
削除すると元に戻すことはできません。