【感想】桜の首飾り

千早茜 / 実業之日本社文庫
(27件のレビュー)

総合評価:

平均 3.7
5
8
9
2
0
  • 桜をモチーフとした短編集

    好きな作家の一人です。
    読んで気持ちが晴れる話とは言えないですが,いろいろ想うところはあります。
    まぁ「男ともだち」が秀逸なので,まずはそちらから読んでみて欲しいです。

    投稿日:2015.08.23

ブクログレビュー

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  • あいらぶ

    あいらぶ

    桜と人生をめぐる短編集。
    春にぴったりな作品だと思い手に取りました。桜がモチーフとなり、千早さんならではの幻想的な描写が楽しめました。
    それぞれ変わった人たちが登場し、その人と関わり心が繋がる瞬間に、なにか救われたような気持ちになる作品でした。続きを読む

    投稿日:2024.05.02

  • kyocoo

    kyocoo

    千早さんテイスト満載な一冊でした。
    艶めかしくダークで、とても純粋で正直な登場人物がたくさん。

    ”危ないって思うまでは目を奪われることを恐れなくていい。『異形のものに神宿る』と申しますでしょう。何が良くて何が正しいかなんて一概に言えません。昔の人は今よりずっと大らかでしたよ。”

    ”露悪的に見えても遠回りしているように見えても、それは完成するために欠かせない工程なのです”

    ”無理して自分を納得させなくていい。生涯、自分の幽霊を見るような生き方はしなくていい”

    私は桜が好きだろうか??
    桜の思い出はいくつかある。
    でも、その桜の光景ではなく、思い出すのは誰と一緒だったかだけだったりする。
    続きを読む

    投稿日:2024.02.29

  • かな

    かな

    このレビューはネタバレを含みます

    千早さん作品では珍しく、大切な人とつぎの約束があった。2度と会えなかったりしなかった。正直、私は桜があんまり好きじゃない。毎年「美しさ」を人間にしゃぶり尽くされて、アスファルトで黒ずむ花びらを見ると目を背けたくなる。私の喜びは、誰かの苦しさを踏みつけた上にあるんだろうなと自覚してしまう。どこまでを世の摂理として受けいれるべきなのか、最近よくわからない。

    ・画びょうで壁にぎゅっと貼りつけるような言い方

    ・人間なんて単純なものです。自分にとって価値があるものにね、金や時間を注ぎ込むんですよ。

    ・人が完全にわかり合うことはできないと私は思う。でも、繋がることはできる。美しいもの、優しいもの、鮮烈なもの、そういった心動かすものに触れた時、人の心は一瞬溶ける。そんな時に共感する誰かに出会えたなら、とても幸福なことだ。その瞬間はきっとその人の支えになるだろう。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2024.01.18

  • ふうか

    ふうか

     桜がモチーフの短編集。

     「あたしは…クラスの子たちより言葉を知っていると思う。言葉の数とかじゃなくて、その意味や味を知っている。例えば、失望とか、羞恥とか、後悔とか、孤独とか。だって、あたしはそれらの言葉を口に入れて、噛みしめて、涙がにじむくらいその苦しみを舌に浸み込ませて、やっと飲み込んできたから。そして、飲んだ後もその言葉たちによって内臓をぐちゃぐちゃにされたから。【初花】」
     その言葉の、経験に基づいた本当の意味を知っている人と、そうでない人とで、同じ言葉を発していても、その重みが異なると感じることは度々あるけれど、その感覚が「言葉の味」という表現で、上手に描写されている文章。

     「人々の流れの中で、私は古い建物や展示物の建物や展示品の一部になる。そして、乾いた時間に静かに埋もれる【春の狐憑き】」「お酒に酔えないわたしが溺れるのは恋愛なのよ、きっと。…わたしは他人を操りたい。操りながら束の間の関係に溺れたい。…過去も未来も日常の煩わしい想いもなく、ただ、肉体として存在するだけのわたしになりたい【エリクシール】」
     美術館で働く女性も、夫への復讐を続ける女性も、“我を忘れ、自分が自分でなくなるような感覚”を渇望している。表立っては言いづらいけれどたしかに存在する、正気を狂わすような欲望が、どの作品にも登場し、読み手に揺さぶりをかけてくる。

     「私がはじめて見た桜は紫色をしていた。【あとがき】」人と人は完全に分かり合えることはないとしつつも、「泣きたくなるくらい幸福」な景色を誰かと共有することを支えとし、そこに幸福を見出す作者にとって、桜は美しさや心動かすものの象徴なのかなと思った。
     
    続きを読む

    投稿日:2023.10.22

  • sure92

    sure92

    千早さんの優しい文章。
    心を落ち着けるのにちょうど良く、すっと入ってくる。
    桜の花ひとつとってもいろんな人のいろんなストーリーがあることを気付かされた。
    自分の桜の思い出は、大学生の新歓、子どもと歩いた桜並木、とかかな?
    桜の季節に読み返したい本。
    来年の春は部屋にも桜の挿し木を飾りたいと思いました。
    続きを読む

    投稿日:2023.08.25

  • 栞

    桜のように切なくて淡いお話だと思いました。また桜の咲く季節になったら読み返したいな。より桜が好きになれます。

    投稿日:2023.08.06

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