【感想】餃子屋と高級フレンチでは、どちらが儲かるか?

林總 / ダイヤモンド社
(135件のレビュー)

総合評価:

平均 3.8
27
54
41
5
0
  • 会社は現金製造機!!

    会社活動とは「現金を製造することだ」この考えを基本として、会計と会社経営の神髄を伝えているところが面白いです。
    本書は、亡くなった父親の後を継いで会社を再建する主人公と一緒に会計を学んでいく形式をとっています。

    会計とは会社の写した合わせ鏡ではあるが、その鏡に写った姿は真実ではない。と、言い切ってます。
    主人公はびっくり仰天。
    「会計が会社の真実を現さないなんて、許されるのですか?」 
    ビックリを通り越して怒り出す主人公。会社経営の基本として会計を学ぶ矢先に、こんなこと言われたら当然の反応でしょう。

    「会計とは真実を追究するものではない。ルールに則ってそれを続けていくのが大切なのである」

    逆にいうと、ルールに則ってさえいれば何をやってもかまわないのが会計なのです。
    本書ではこれを「女性が化粧をするものだ」と表現しています。

    会計は会社の主観が入ってる。したがって、だまし絵があるように一つの絵の中に別の絵をみつける眼力を養うことが大切だと冒頭で伝えています。
    そう、主観によって利益は変動するのです。(ここポイント)


    各章ごとの物語を通して「バランスシートの読み方」、「キャッシュフロー計算書」等のレクチャーがあり、章の締めとして解説が入ります。自然な流れで復習ができる構成にしてあるのは、素晴らしいアイデアです。

    また、この本の面白いところは、粉飾決済を使った詐欺に騙された話が出てくるところです。
    所謂粉飾決済の見破り方のレクチャーも出てきます。
    この話をみると、いったん粉飾に手を出したら後戻りはできないことがよく分かります。
    世の中の経営者の方々は、ご注意を。

    それから、逆粉飾という手口もあるそうです。
    なんで、わざわざ会社の経営を悪く見せる必要があるの? と疑問を持つ人もいるでしょう。答えは簡単です。
    前期の決済を実態より悪くみせれば、今期の経営回復のインパクトを強くできる。いわゆるV字回復をよりいっそう強調できるのです。

    著者は、日産のゴーン社長がこれをやったと推測してます。

    会社経営の金の流れに特化した本となってる分、非常にわかりやすいです。
    会社は現金製造機ということで、現金を生み出さないのなにか? ストレートに考えることができます。
    そして、会計は万能ではないことも戒めています。異常な点を見つけることはできても、真の原因は現場に出て現物を見て、現場の人間の意見を聞くことが大事だと伝えています。

    会社は現金製造機!
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    投稿日:2015.08.15

ブクログレビュー

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  • 1896573番目の読書家

    1896573番目の読書家

    餃子屋と高級フレンチは利益構造(限界利益と固定費)が違う、コハダと大トロは仕入れ(少ない資金)と高回転の違いでコハダの方が儲かるなど、会計の基礎知識をストーリー仕立てで分かりやすく学べました。
    会計専門用語が多く出ますが、巻末用語解説もあり勉強になりました。
    損益計算書などの見え方や捉え方が変わる気がします。
    続きを読む

    投稿日:2023.05.23

  • 小松福門

    小松福門

    会計の知識が物語形式で分かる入門書。漫画化もされている。内容はストーリー仕立てになっていてとても読みやすく、まったく知識のない人などが管理会計に興味を持つはぴったりの一冊。タイトルになっている「固定費は少ないが限界利益も小さい餃子」と「固定費は多いが限界利益は大きい高級フレンチ」の2つを比べた場合、あなたはどちらのほうが儲かると思うだろうか?両者はビジネスモデルが異なるタイプなので比較は難しい。答えは本書の中で明かされている。基礎的なことが簡単な言葉で書かれていて、読み進めるとB/S、P/L、キャッシュフローの成り立ちをきちんと理解することができる良書。「ザ・ゴール」の内容に似ている。続きを読む

    投稿日:2023.01.03

  • DRM

    DRM

    部下が会計や財務分析に悩む部下にどうやって教えようと考えていて、本屋で発見した本。ストーリー仕立てになっていて、大変読みやすく、財務3表の連関なども自然と身につくのではないかと思う。新入社員が学ぶ財務分析のテキストは、勘定科目の解説やら、CF計算書の作り方(それも大変煩雑で、分かりづらい)で、アレルギーを持ってしまう人が多い。会計や財務分析のセンスがある人は、このような本に頼らずとも、自分で理解し始めるだろうが、苦手意識を持ってしまうと、先へは進まない。そういう人向きの本としては、大変よいと思う。

    ただ、章末毎の解説で、いきなり株主価値云々(DCF法など)が登場して、若干違和感があるところもあった。
    続きを読む

    投稿日:2022.02.22

  • gluce

    gluce

    管理会計に興味を持つには、とても良い一冊。
    まずはこうした小説形式から入って、俯瞰的に学ぶべきことを把握してから、詳細を学ぶ方が絶対に面白い!

    投稿日:2020.04.12

  • ととせひ

    ととせひ

    ●読み物としても、楽しめつつ、会計について学べた。会計とはなんぞやという人には、読みやすく向いていると思う。

    投稿日:2018.10.23

  • minamigon

    minamigon

    面白いけど、これの管理会計編、美容院と1,000円カット…のマンガが読みやすかったので、マンガで読もう

    投稿日:2016.09.10

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