【感想】逃奏劇リアクターズ 1　阿頼耶識冥清の非日常

めざせラブコメ

ラブコメしたいという、実に頭悪そうな家出理由が笑える。
異能バトルを日常としてきた冥清にとっては、普通の青春が非日常。
しかし当然ながら、普通人なら自動的にラブコメできるというものでもない。
まあ、ラ…ブコメしていても本人は鈍感で気づかないのもラブコメ:-)

よくあるパターンでは、一度は義務から逃げても、本当に見過ごせない敵が現れて再び戦う決意をするのだが。
冥清の戦う相手はそういう敵ではなく、義務、正論。戦う理由は「非日常」で生きるため。
このあたりがちょっと面白くて気に入った。

プログラミング知ってる人間としては、スマホの真言プログラムのコードにもウケたり。

八雲や友巳など、今後の関わりかたが気になるし、続巻が楽しみ。
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とても人間らしい我儘

自分の青春(ラブコメ)を求め自分に課せられた責務や義務を捨てて逃げ出すも逃げ切れず結局裏でいつもの日常(異能バトル)をこなしながら非日常(ラブコメ)を謳歌する主人公。
責務や義務を捨てて逃げた主人公を…尊敬していからこそ許せず連れ戻しに来るライバルキャラ。
明確な「敵」がいないから主人公の我儘が目立ちそうになるが罪悪感に苛まれながらも手に入れたとても大切な非日常のために命を懸けるのがとても良かった。

「顔も名前も知らない不特定多数の『力なき人々』なんかじゃない。顔も名前も知っている大切な『力なき人々』のために、俺は力を振るいたい」

次巻も楽しみな作品です。続きを読む