【感想】米軍と人民解放軍 米国防総省の対中戦略

布施哲 / 講談社現代新書
(11件のレビュー)

総合評価:

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  • 一つのシミュレーションとしては面白い

    現状では、装備が予算の面で限定的にならざるを得ない中国人民解放軍と、既存の軍事的なストックを持った米軍の間で、何を理由(台湾問題)で両国が紛争に陥る可能性が有るのか。また日本が、その紛争にどの様に関わっていく事になるのかが、現実的且つ具体的に述べられていて非常に興味深い。
    2030年の世界を想定しているので、今後の軍事技術の発達や、米中日の関係の変化によっては、シナリオ通りにはならないのではと考える。即ち、現時点では即時対応の為の地政学的な要因で、米軍が沖縄をはじめとする日本の基地拠点が必要な事は自明であるが、将来的には、中国の対台湾融和政策(事実上の併合)や、米国の軍事技術の進展等により、日本の立場が変化し、それは日本にとって不利な方向に働くのではと思う。
    ただ一方、「尖閣」のミクロの衝突等を、マクロ的に把握する為にも、本書は非常に有意義と考える。
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    投稿日:2014.10.05

  • 中国の脅威にどう対処すべきか。

    将来起こる可能性のある米中の激突を現時点での詳細な戦力分析によって、どのような戦いになるかを予想している。

    とにかく興味深くてどんどん読んでしまったが、それでも値段と比較して読み応えのある本だった。

    日本の戦力に一抹の不安が残るがこの本がヒットすれば未来は変わるかもしれないと思わされた。
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    投稿日:2015.02.04

ブクログレビュー

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  • モゲラ

    モゲラ

    結構古い本になってしまったが、台湾有事の事態推移についてイメージできた。
    元陸将の渡辺悦和の「米中戦争」(講談社現代新書)が、似たようなので新しい話も扱っている。

    投稿日:2019.03.12

  • velikiy99

    velikiy99

    拡大する中国の軍事装備・技術を解説するとともに、日米の現在の軍事力とその問題点を扱い、さらにそこから、2030年代を舞台に日米台と中国の衝突の推移を占う。Peter Navarroの「米中もし戦わば」と重なる内容も多いが、自衛隊や在日米軍の弱点について特に扱っている点は本書に特有かと思う。しばしば取り沙汰される対艦弾道ミサイルや、宇宙・サイバー分野での攻撃だけでなく、地上の固定目標を攻撃できる各種弾道ミサイル・巡航ミサイルがあること、機雷の脅威、特殊部隊を使った撹乱なども、安価な手段で日米の動きを封じることに寄与していることがうかがえる。また、航空戦においては距離と数で優位に立つ中国軍に対して、米軍のアセットの性能を以ってしても、相応の損害が出ること、加えて自衛隊の水上艦隊は対水上・対空戦で劣勢にあることも分かる。本書では中国の国内事情が一枚岩でないことにも触れており、沿海の省と海警や海上民兵との関わりなどは勉強になった。昨今出ている敵基地攻撃能力付与の話は、本書のシミュレーションのような内容を踏まえて、各種ミサイルのキャリアを先に叩くことを目指すものかと思うが、先制攻撃ができないとすれば、正直なところいわゆる「銃後」になる、本土の守りを確固たるものにしない限り、いくら攻撃アセットを整えても意味が無いように思えた。自衛隊としては、巡航ミサイルによる基地攻撃での被害を低減する策や、旧式化した戦闘機の更新が課題になるようである。続きを読む

    投稿日:2018.12.09

  • うみ

    うみ

    エアシーバトルの解説なんだが、なんというか全体の論調がいいわけがましい。(著者が朝日新聞社所属だからなのか?)そして、『米軍はミサイルという新たな脅威に』とか『中国はコストパフォーマンスの良いミサイルに注目している。えらい』的なことを言われると、ちょっとどんな顔していいのかわからない。
    まあ、そんな変な部分を読み飛ばせば、ランド研究所やCSBAの研究レポートを元にしているモノのはずなのだが、「入門書」と言うには基礎的な単語、概念の説明が無く、それ以上向けと言うには明らかに勘違いしている記述が見られ、『誰が何の為に』について疑問が残る一冊である。
    で、結局ASBってなんなの?となる。A2ADの範囲外にいったん引いてから、新型爆撃機によるバックハンドブローに主眼を置いたモノなのか?
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    投稿日:2018.10.14

  • prigt23

    prigt23

    内容は素晴らしい。たかだか3年しか経っていないのに、ちょっと古く感じるところがこのテーマがどれだけ進行中なのかわかった。

    投稿日:2017.11.02

  • zanzan1205

    zanzan1205

    2030年頃の米中紛争シミュレーション。中国側が奇襲した場合とはいえ、日米側は非常に劣勢となる可能性が高いことが分かる。米軍を少し過少評価なのかと感じる点もあったが、日本の安全保障体制について危機感を持つ良い機会となる一冊と思おう。

    また、アメリカの戦略(日本を見捨てる?)によっては日本の安全保障は非常に脆弱となる。自衛隊単独では防衛すらままならないだろう。国民はこの点をふまえて沖縄の基地問題等の議論をすべきだろう。
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    投稿日:2017.01.11

  • けい

    けい

    戦闘機や潜水艦などの詳細部分については流し読み。
    日本ありきの米中戦争。
    この国がどのような立ち位置で、今後、安全保障の問題に向かっていくのか注視していきたい。
    在日米軍基地の再編についても、卒業論文を書いて以来、
    縁遠くなってしまっていたので、思い出す意味でもこの本を読めてよかったと思う。
    続きを読む

    投稿日:2015.01.24

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