【感想】催眠 完全版

松岡圭祐 / 角川文庫
(37件のレビュー)

総合評価:

平均 3.7
2
17
13
0
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  • 誰かのために努力する喜び

    主人公である臨床心理士の嵯峨敏也。自分の患者でも依頼者でもないのに、最新の心理学の知識と技能をもって、心に悩みをもつ人を助けようと奔走します。ラストの 小説ならではのどんでん返しにはジ~ンときました。
    松岡圭祐氏の小説には、凛田莉子や岬 美由紀など、他者のために後先考えずに突っ走る、熱きハートをもった主人公が多いですね。私は好きです。

    心理学って、他者よりも有利な状況を作りだすためとか、他者を出し抜き、優位な立場に立つためとか、何かこう、自分のために学ぶってことが前提にあるような気がします。私も大学で発達臨床心理学を専攻しましたが、「誰かのために」って少しは思っていたかもしれませんが、優先順位は、はるかに「自分のため」だったような気がします。読後、もう一度心理学を学びなおしたくなりました。

    「千里眼」シリーズにも同様の名前の臨床心理士が登場するが、性格や年齢の違いから、別設定の物語とされる。・・・『催眠 完全版』(角川文庫)の一作品のみが、かろうじてQシリーズと接点があるとみなせる。(『万能鑑定士Qの攻略本』より抜粋)
    ―――と、公式ファンブックには記載されていますが、「東京晴海医科大付属病院の友里佐知子」「緑色の猿」などのキーワードや、岬 美由紀の存在をほのめかす文章があることから、Qシリーズと「千里眼」シリーズの嵯峨敏也は、同一人物だって自分は思い込みたいです。
    続きを読む

    投稿日:2014.10.04

  • 結末には、驚かされました!

    最後の最後に、この本の面白さが凝縮されています。
    最後の10ページが凄い!
    まさか、こういう展開になるとは!
    ぜひ一読してみて下さい。

    投稿日:2017.11.30

ブクログレビュー

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  • ルビー

    ルビー

    面白かったし、勉強になった。
    精神障害、やっぱり差別的な目で見てしまうな…と嵯峨の最後の演説に納得はしつつも思ってしまう。
    ドンデン返しと読む前に期待し過ぎたのがあまり驚けず。でも確認のため何箇所も読み直してしまった。
    鹿内は店から出た女性と、職場で会ってる女性と最初2人を見分けられなかったのか、そこが疑問点。
    続きを読む

    投稿日:2023.06.21

  • おーい粗茶

    おーい粗茶

    サイコパスが犯罪を犯していくというミステリーとは一線を画す、サイコパシーそのものの謎がミステリーになっている。科学的な知見に基づいて書かれていて、地味といえば地味なのに、面白く読ませるのはさすが千里眼シリーズの作者だなと思う。大幅改稿で変わったと呼ばれるラストのオチは、一瞬訳が分からなくなり、次の瞬間「え~!?」っとなるくらい予期できなかった。これを見抜いていた人がいたら凄いと思う。続きを読む

    投稿日:2022.09.12

  • pbh23864

    pbh23864

    千里眼よりはこっちの方が好きだ。
    ただ、作品柄どうしても説明文が多くなりがちで、読みにくさを感じる。

    投稿日:2022.08.27

  • goya626

    goya626

    大人しい女性が急に、自分は宇宙人だとか言い出したり、勝気な女性になったりとかするのをインチキ催眠術師が利用して金儲けをするが、銀行の金を着服したとの疑惑が持ち上がってくる。臨床心理士の嵯峨敏也は彼女を助けようと奮闘する。最初から、この女性は多重人格者ということはすぐ分かるのだが、一体どうやって彼女の精神疾患を治療するのか、着服の疑惑を晴らすのかと読み手の興味をぐいぐい引っ張っていく。最後にはどんでん返しがあって、結構面白いのだが、なんだろうなあ、文章がするすると読めてしまって、なんか空虚感が残る。松岡圭祐の小説はどれもそうなのだが、ときどき読んでしまう。シナリオ通りに話が進みすぎという感じも拭えない。続きを読む

    投稿日:2021.01.11

  • カワノスケ

    カワノスケ

    殺人がないミステリー。練り込まれてるストーリーで後半は読んでいてスッキリの連続。最後のどんでん返しはお見事でした。大満足。

    投稿日:2020.12.27

  • castlekey

    castlekey

    このレビューはネタバレを含みます

    1997年に刊行された同タイトルのリメイク?修正版?と
    いうような位置付けらしい。
    原著は読んでいないので、どう修正されたかはわからないが、2019年に読んでも違和感がないので、大幅に加筆修正されていることが伺える。(似たようなことを解説でも述べられているが)

    本作はインチキ催眠術師の実相寺のもとへ入江と名乗る女性がやってくることから物語が始まる。
    「猿にかけられた催眠術を解いてほしい」という荒唐無稽な依頼を金銭目当てで引き受けるが、入江には込み入った事情がありそうで…という話。

    物語の主人公である嵯峨は非常に優秀なカウンセラーであり、物語の随所で現代で判明している科学や医学的な見地に基づいた心理学の理論を説明してくれる。
    胡散臭いエンターテイメントとしての催眠術、心理学ではなく、学術的、医学的な心理学をミステリーとして取り込んでいる作品は珍しく興味深く読めた。

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    投稿日:2019.03.11

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