【感想】マレーシア航空機はなぜ消えた

杉江弘 / 講談社
(10件のレビュー)

総合評価:

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  • ワイドスクランブルの人

    【オススメな人】ワイドスクランブルで杉江さんをみて気になっている人。まだ仮説の域を出ないが、その国の情勢や空の世界の常識を整理しつつ、この事件について知りたい人。

    投稿日:2015.11.17

ブクログレビュー

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  • henahena1

    henahena1

     2014年3月に突如消息を絶ったクアラルンプール発北京行きのマレーシア航空370便について、その事故から数カ月経った時点で、機体に何が起こったのか、今どうなっているのかを、あらゆる可能性を考慮した上で真相に迫ろうとするもの。取られうるべき安全対策への提言もある。
     要約すると、マレーシア政府当局の対応は不誠実であり、最も可能性が高いのは機長の自爆説、インド洋を南下してオーストラリアの西で墜落した、というのが著者の予想だった。
     調べてみると過去に2冊この著者の本を読んだことがあり、漠然と退屈な本を書く人だなと思っていたが、やっぱりこの本も冗長な感じが拭えず、結局「~したものだ」のような経験談の自慢と、事故そのものに関連して航空機の仕組みについて説明でページを費やす形になっていて、わざわざ単行本にまでする意図は何なのだろうと思う。ハワイのコナ空港到着時でコックピットで笑顔で写る著者の写真、とかp.30にあるけれど、事故をテーマにした本で不謹慎ではないのかと思う。結局事故をネタにして書ける航空ネタを書いたような形になってしまっていることが残念。事故に関しては何度も同じことを繰り返しているだけだった。
     全く触れられていないことだけど、管制官の側としては予定されている航空機が全く来なかったら、色んな機関に連絡して捜索に当たるんじゃないのかなあ。「一般に軍のレーダーは民間機には関心がなく、特段の条件がないと、不明機の便名や高度なども把握できず、スクランブルによって追尾することはない。(pp.215-6)のようなことが何度も書いてあるが、スクランブルはしないにしても軍のレーダーにも管制官が連絡して捜索するのが自然だと思うんだけど。
     ところで9.11前はコックピットに乗客を入れていた、という話は何となく聞いたことあったけど、結構普通にやっていた(p.186)、というのはちょっと驚きだった。あと2011年の9月にANAが浜松付近で「背面飛行」した(p.179)という事故は知らなかった。背面飛行、なんて旅客機が出来るのか?機内はどうなるのか、という。
     今度マレーシアに行くので手に取った本だった。(23/07/17)
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    投稿日:2023.07.18

  • びあしん慶次郎

    びあしん慶次郎

    マレーシア航空370便墜落事故について知りたくて読書。

    著者は元JALの機長であり、航空機事故を検証してきたエキスパート。

    この370便が消息不明になる1週間前にマレーシア航空に乗ったのでよく覚えている。

    本書は、航空機の構造、これまでの航空機事故の原因、事故後どう変わったかなど分かりやすく説明している。

    その上で事故当時に話題になった様々な説について著者の見解を述べている。

    後半はマレーシアという国の歴史や政治、国内事情について言及し、結論は、機長による犯行だったのではないかと匂わせている。実はそれが権力闘争に関わる部分なので国家ぐるみで隠蔽している。だから、事件の真相は永遠に明らかにならないだろうとしている。最後の真相が明らかにならない点は現実になっている。

    著者はマレーシア政府に強い疑念と不信感を持っているようだ。読み進めていくと、2017年2月の金正男氏殺害事件でのマレーシア政府や警察の発表や対応。そして、不可解な手打ちで事件をウヤムヤにしたのは、マレーシア航空370便墜落事故とまったく同じなのではないかと思ってしまった。

    もっと早くこの事件に着目して経緯を追っておけば、金正男氏殺害事件後のマレーシア当局の発表に不要に振り回されずにすんだかもしれない。

    本書を読んで、マレー人と華人、さらにマレー人の中での権力闘争の歴史、現状などマレーシアの国内事情をもっと勉強する必要があると痛感。

    日本人は、マレーシアを過大評価しすぎて現実のマレーシアが見えていないのかもしれない。いい機会なので、今後へ備えてマレーシアの歴史や国内事情についてもっと学ぼうと思う。

    読書時間:約1時間10分

    本書は知人からいただいたものです。有り難うございます。
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    投稿日:2017.12.27

  • haruyato

    haruyato

    そういや、あの事件はどうなったんだろう?と気になって読んでみた。
    真相自体は闇の中ではあるが、少なくとも有り得ない仮説が何なのかは理解できたとともに、ケースとして出された過去の航空事故の解説が簡にしてよくまとまっておりよかった。続きを読む

    投稿日:2016.08.26

  • seihuu

    seihuu

    機長がかなり衝動的に犯行を決意したと言う可能性も決して否定できない。

    なぜ事件の核心に迫らないでそれらしい解説をするのだろうか?

    投稿日:2015.08.23

  • yasz

    yasz

    今年(2014)3月上旬にマレーシア航空機の消息が不明になり、私も最後はよく把握していませんが、不明のまま忘れられているような事件がありました。筆者は、事故ではなく、事件と断定していようですね。

    ンターネットなどの技術が発達しているわりには、わからないで終わってしまう事件が現在でも起きてしまうのですね。数日前から、それらの真相?に触れている本も読み始めたので、それは読み終わってからアップするとして。

    この本は元パイロットでありジャンボ機を実際に操縦されていた杉江氏により書かれた本です。パイロットらしくその観点からこの事件はどうだったのかと考察されています。最終的な見解が少なくとも私が知る限りでは無いこの事件について、この本に書かれていることは参考になりました。いずれ真相が出てくるとイイですね、ケネディ大統領暗殺や911事件のように。。

    私も仕事がら時々飛行機に乗って外国に行きますが、日本の空港に着陸するときにいつもほっとします。このような事件が起きないように祈るばかりです。

    以下は気になったポイントです。

    ・現代のハイテク機は、コンピュータを駆使した自動化システムにより平常時であればパイロットはラクにフライトできる。その反面いったんトラブルが発生すると、何から手をつけていいかわからなくなり、パニックに陥りやすくなる(p18)

    ・1965年にシンガポールからマレーシアから離脱独立したのを契機に、マラヤ航空は両国政府の共有となり1967年にはマレーシア・シンガポール航空となった。1971年に共有が解消されて、分離。(p20)

    ・1977年当時の日本航空は機長全員管理職制度を導入していて、部下の副操縦士は上司に何もいえず、クアラルンプール事故を起こした(p27)

    ・MH370便と官制、マレーシア航空や政府とやりとりする手段として、無線・トランスポンダー・エーカーズの3種類がある(p66)

    ・対象の便の航跡や、燃料切れになった地点は、エーカーズにより当局側は把握していたと考えられる。(p74)

    ・何の連絡も無く航路をはなれて左旋回してインド洋方面にむかったこと、トランスポンダーのスイッチが切られたこと、事故ではなく事件の可能性が高いのに公表していない(p77)

    ・日本では事故が発生すると、国交省が所轄する運輸安全委員会と警察が同時に調査を始める、この方法はアメリカの方法ではない。他の部分(整備、飛行場、官制、パイロット訓練等)はアメリカ式なのに(p105)

    ・安全な航空会社の選び方として、アメリカのメジャー航空会社の、大型機で運行する便を推奨する(p112)

    ・現在の機長の航空法上の権限とは、出発時にすべてのドアが閉められた後は、到着していずれかのドアが開かれるまで、たとえ航空会社の社長であれ内閣総理大臣であれ侵す事が出来ない(p190)

    ・三人から二人乗りになったことで、航空機関士が受け持っていた業務を二人でカバーする必要が有る。そのためにグラスコックピット仕様を採用、全ての計器類を配置できないので、3種類のディスプレーに全ての情報を内在、表示をデジタル表示にした(p196)

    2014年11月3日作成
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    投稿日:2014.11.03

  • yoyogi39

    yoyogi39

    発生が2014/3/8。現時点(2014/10)でも謎の事件。情報網がこれだけ発達した社会にあっても、「消える」という事態が生じているのだから、尋常ではない。航空安全の専門家が様々な可能性を提示する。真相が明らかになる日は来るのか。続きを読む

    投稿日:2014.10.08

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