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池辺葵 / エレガンスイブ (20件のレビュー)
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総合評価:
三森雪
1
メトロノームの音のように、規則正しく軽妙で、でも緩やかに変わっていく日常。
一つ好きなシーンがあって。 無音のシーンなんですけれど、ある壁の薄いアパートで、一人の男性がレコードかけるんですよ。それでオーケストラの指揮者みたいに棒を振る。その音が同じアパートの学生さんの耳に届い…てレンチンご飯の寂しさを慰めて、おばあさんの夢の中でのダンスにつながっていく。 全部台詞じゃなくて仕草でそれが語られてくんですが、ここ、すごく好きだなぁと。お互いに相手のことを意識してるわけじゃないのになぜか優しさのおすそ分けみたいになっていて、心温まるというか癒されるというか。続きを読む
投稿日:2016.12.29
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モモマサ
これまた傑作の1冊。 だれにだって楽園はあるもの!! 知らず知らずに誰かの救いや幸せになる! 目にみえない繋がりを信じたいね! ぜひ〜
投稿日:2024.04.20
arumino
予備知識無しに冒頭を読んで「えええっ!?」となった。 現実と非現実の間を行き来しながら静かに流れていく時間がとても穏やかに感じた。
投稿日:2022.02.14
insectofbooks
書き下ろしが和んだ。男の子が夢を叶えたんだね。そしてマイク入れっぱ(笑) ここに出てくる人たちみたいに他人を侵食しない人ばかりだったらいいのに。現実は自分も含め、他人に期待を勝手に持って侵食する人ばか…りかも。続きを読む
投稿日:2016.06.13
ノーネーム
渋谷の漫画サロントリガーにての読了。どぶがわの近くに住む近隣住民達の群像劇で、どぶがわの近くのベンチで眠りながら中世ヨーロッパの夢を見るおばあちゃんを中心に物語が進む話。全体的なフワフワとした雰囲気が…たまらないし、何よりもおばあちゃんが死んだのか死んでないのかあやふやな感じで終わったのも終わらせ方が上手いなと感じました。続きを読む
投稿日:2015.12.08
ホトケ
老婆の高貴なる妄想と何の関係もないけど微妙な繋がりのある人々。 どぶ川でも妄想に浸れる時間があるのは幸せな事。
投稿日:2015.10.30
see_you_cowboy
ドブ川のほとりのベンチでいつもうたた寝をしている老女。川沿いの、長屋のような安アパートに住んでいる。身寄りはないらしい。 うたた寝の彼女が遊ぶ妄想の世界では、彼女は豪邸に住む四姉妹の長女。ドレスを仕…立てたり、ご馳走の食べ過ぎでウエストを気にしたり。現実の彼女の部屋には何もない。ちゃぶ台と数冊の童話。そんな生活を嘆くでもなく日々は淡々と過ぎていき、町の人々もそれぞれの毎日を抱えながら彼女の傍を通り過ぎていくーー。 柔らかな絵で静かに淡々と進む物語。なのに時折り、思いもよらないほど、胸のつぶれるように切ない一コマが挟まれる。これが池辺葵さんだ。 ある夜。老女がいつも口ずさんでいる歌を、同じアパートに住む工員がレコード屋で探してきてターンテーブルに針を落とす。音が筒抜けのその安アパートで、いつもはすれ違うだけの住人たちが皆で耳を澄ましている。工員と老女は、恐らく終生言葉を交わさなかっただろう。それでもここに、こんなに優しい触れ合いがあった。いつか消えてしまっても、そういう夜があったのだと。 他人の人生を、幸せだとか不幸だとか決めることは、出来ない。誰もがただ生きている。私も、皆も、これからも。続きを読む
投稿日:2015.08.15
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