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綾辻行人 / 講談社文庫 (149件のレビュー)
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総合評価:
つたもみじ
8
他の館シリーズと比べると…少しアッサリ風味かも?
シリーズ第六弾。火災で重傷を負い記憶を失った老人・鮎田冬馬の依頼により、その手記から『黒猫館』の存在を知る事になる鹿谷門実と江南孝明。人里離れた森の中に建つ館に潜む真実とは…。全体的にアッサリ、今まで…のシリーズとは少し違うイメージを受けました。鮎田の手記に最初に違和感を覚えたのは、胃凭れで「身体の左側を下にして」とあった時。右だろ? と、胃痛持ちの私は思った。それから手記部分を丁寧に読み、違和感と、鮎田が彼である事に気付くも、ラストでの謎解きまでスッキリとはいかず。最後はやっぱり成る程…の一冊。続きを読む
投稿日:2015.10.11
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しん
暗い雰囲気
がいい味を出していました。一人称で書かれたという点で、水車と人形に似た印象を受けました。作中に散りばめられた細かな伏線は再読に値します。
投稿日:2017.05.22
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ミサト
記憶を失った黒猫館の元管理人の手記には、ある殺人事件の独白が… 妙に引っ掛かる描写があったり、見破れるヒントはあちこちにあったけど、結局また綺麗に騙されることに
投稿日:2024.04.21
小雪
このレビューはネタバレを含みます
館シリーズ第6作。水車館とか人形館くらいのおもしろさだった。 天羽博士が鮎田さんというのはなんとなくそうかもな~と思ってたが、その伏線があんなに散らばっているとは想像してなかった。相変わらずしれっと違和感あることを気取らせずに書く人だなあと思う。綾辻行人、マジで伏線を気取らせないのに、読み返したら「ここもそうじゃん、ここもそうじゃん!」となるのがすごい。 記憶喪失の人物が実はこの人で……という仕掛けの話かと思いきや、もう一つさらなる真実がある。鏡対象に館が建っているという真実。それもちゃんと手記に書かれてるのがすごいなと思った。手記には二重の真実(鮎田と天羽が同一人物であること、館があるのは阿寒ではなくオーストラリアであること)が含まれているのがすごかった。
投稿日:2024.04.20
なつ
正直前半はイヤミスな感じがしたが、後半からのからくりやスケールの大きさにびっくりしてそんな感情は吹き飛んだ。 けど、私自身手記を読んでて脳内のイメージは冬だったから季節に関しては差ほど驚かなかった。 何かを感じとっていたのかもしれない。 まあ、鋭かったのはそこまでで、館が2つあることは完全にわからなかったなー。 いやに描写が細かいなと思っていたけど、読書に説明する為かなと思ってた。 ってことは海外の黒猫館には死体がまだあるのかー。 氷川はなんかやらかすオーラプンプン出てたから自殺工作も彼の仕業とわかった時、やっぱりな感じがした。 鮎田と天羽の同一人物だったこともすっかり騙されました。乾杯です。 前回に引き続き江南と鹿谷のタッグが最高! 江南自身はワトスンにはなれないと卑下してたけど、私にはもうそのイメージがついてたよ。 これからも二人の活躍がみたい! 次の館も楽しみ。
投稿日:2024.04.04
Naoty
これまで読んできた綾辻作品とは違う新しい切り口で、大体こんな感じだよねと勝手に思っていたイメージが本当に良い意味で裏切られた。 そのため評価が分かれているみたいだけど、逆に自分は『黒猫館』を読んで完…全に綾辻作品の虜になってしまった! 伏線がこんなにも堂々とたくさん張り巡らされているのは初めてで、まるで綾辻さんに「これでわかった気になっていたら大間違いだよ~」と言われているようで、綾辻さんの手の平で転がされているような感覚に喜びを感じた。 「ここ何か変だな?」と思いつつも読む手が加速して止まらない。 最後はミステリー好きでも絶対に見破られないであろうトリックで、変だなと思っていた所を気持ちよく全部回収してくれる。 読んだ後はもう犯人なんてどうでもよくなって、騙されていたことを確認するためにもう一度読みたくなる。 同じく『人形館』も評価がわかれているので悩んでいたけど、迷わず読みたくなった。 やっぱりすごい!綾辻作品。続きを読む
投稿日:2024.04.01
としこし
今回は、記憶をなくした老人の手記を元に記憶を取り戻すために調査する話。東野圭吾の「むかし僕が死んだ家」を思い出した。トリックの構造としてはかなり似ていると思う。雰囲気も。古い館に踏み込んで過去を探るミステリーは好きだけど、当事者だったら私は絶対に勇気がなくて入れない…。 手記を読んで、鹿谷さんがひっかかった点にだいぶ追いついて来たと思う。でも違和感を感じてもそこから答えまでがなかなか難しい…。実際に館に到着して探索してから気づいたことはほぼほぼ一致していたけど、答えは想像を超えて来てたなー。今回の違和感にしても、道民じゃなければ気づくの難しいんじゃないかと思う点もあったり。 いずれの館シリーズも、殺人は何かの因果で隠し通すことができない、と言っているように感じた。今回も、こんな田舎で女の子が1人フラフラしていなさそうな場所なのに、たまたま出会った女の子が死んじゃって、そうでなければ絶対に他の人にバレることはなかっただろうに…。女の子殺しちゃった点があっさり描かれすぎてて、そこの葛藤とかもあればもう少し博士に感情移入できたかもと思った。
投稿日:2024.03.09
プリモプエル
張り巡らされた伏線の数に驚きました。 そしてそれを伏線と感じさせない自然さ。他の箇所不自然さを感じさせられ、思惑通りにその意図に嵌ってしまいました。 真相を知った上で改めて読むと、「確かに…」と心地…よい納得した違和感を味わえます。ぜひ再読をお勧めしたい1冊です。続きを読む
投稿日:2024.02.24
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