【感想】水車館の殺人〈新装改訂版〉

綾辻行人 / 講談社文庫
(455件のレビュー)

総合評価:

平均 3.6
58
175
178
17
0
  • 謎解きとラストシーンが印象に残る

    『十角館の殺人』に次ぐ、館シリーズ2作目。仮面をかぶった館の主と、塔に幽閉された美少女が住まう水車館を舞台に殺人事件が起こります。そこにいたのは、天才画家・藤沼一成の絵画を鑑賞しに水車館を訪れていた4人の男たち。家政婦の事故死を皮切りに、不穏な空気が漂い始めて・・・
    途中で犯人がわかってしまう人もいると思いますが、素人探偵・島田潔による鮮やかな謎解きを楽しんでください。
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    投稿日:2014.07.06

  • 良い意味で、普通の本格ミステリ

    シリーズ第二弾。仮面の当主と孤独な美少女が住まう異形の館・水車館。一年の時を経て繰り返される惨劇。過去と現在とが交互に展開されていくストーリーは面白かったです。散りばめられた伏線を回収しつつ推理を組み立てていく…久しぶりに、犯人、トリック、動機、細かい部分を除いて予測通りで…騙された感が好きな私としては逆に拍子抜けな感じもしなくもない。ラストの「幻影群像」についても予測通りで、オーソドックスなミステリという感じでした。なんというか形式美。由里絵は…どうも好きになれないなぁ。続きを読む

    投稿日:2014.09.01

  • ラストの物語の締めくくりは最高

    今回はどんでん返しとかのようなトリックはなしで、古典ミステリーの王道な展開で進んでいきます。ラストはちょっとホラーテイストで中々よかった。
    事件のあった過去と現在が交差して話が進んでいくので最後までドキドキでした。続きを読む

    投稿日:2014.09.27

  • 本格らしさでは『十角館』以上

    とても本格ミステリらしい作品です。城に似た館、仮面の主人といった設定面もそうですが、なによりミステリとしての構成が「本格」を物語っています。また、隙も無駄もない文章は一文一文がもたらす効果まで計算して書かれたかのようで、著者自身が(この新装改訂版を)「決定版」と言うだけはあるなあ、と思いました。
    物語は現在と過去(1年前)を交互に描きながら進むのですが、シンクロする描写に何度も錯覚を起こしそうになりました。今読んでいる場面が現在か過去か、急にわからなくなるんです。
    本格らしさでは『十角館』を超えるといっていい本書ですが、それゆえにグロテスクな場面も出てきます。残酷な描写が苦手な方はご注意ください。そういう私も、文庫旧版で読んだときには(当時10代)しばらく怖かったんですよね……。
    続きを読む

    投稿日:2014.07.12

  • ひっかかるところはあるが、美しい

    現在過去を行ったり来たりする展開。綾辻先生が本格派を書きたかったというとおり、内容にはひきこまれるものがあります。
    読んでいて個人的に変だなと思うところがあります(それは読んでみて確認してください)。しかし、そんなことは小さいことだと思わせる、レトリックに時間を忘れてください。続きを読む

    投稿日:2017.04.18

  • 本格派?といわれてるようですね

    一部マニアの間では本格派とか本格派ではない派と分かれるようで、この作者は本格派だそうです。another上下が本当に面白くて、同じ作者の作品がキャンペーンだったこともあり、一気に買い込みました。感想としては、しっかりとした作品であり、謎を解くための作品だと痛感しました。
    よくある軽い感じの作品ではなく、土台のしっかりした最後まで引っ張り込むような計算高い文章構成です。
    続きを読む

    投稿日:2014.07.03

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ブクログレビュー

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  • noho

    noho

    このレビューはネタバレを含みます

    過去と現在が交互に書かれているが、過去と現在で同じ場所、登場人物もほとんど同じメンバーなので、慣れるまではちょっとだけ混乱した。館の主の顔が出てこないので本当に本人なのか、いなくなった男も実は死んでるんじゃないか、と疑って読み進めてしまった。百合絵さんの動きは読めなかった。嵐の中次々と起こる事件が不気味な館を際立たせている。

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    投稿日:2024.04.26

  • ゆりか

    ゆりか

    このレビューはネタバレを含みます

    館シリーズ第二弾。
    十角館のインパクトに負けず、こちらも面白い。
    そこまでミステリオタクというほどでもない私でも、少しは謎解きできるくらいにはやさしいトリックもあった。
    面白くてどんどん読み進めてしまった。
    正木慎吾が藤沼紀一になりきっていたのは気づかなかった。
    少し勘付かれたくらいで殺人をするくらいなら、年に一度の来客もなしにしたらいいのに…と思ってしまった。笑
    正木は悪いやつだが、今までの人生とこれから死刑になるであろうことを考えると不憫な気もする。

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    投稿日:2024.04.23

  • ピザまん

    ピザまん

    このレビューはネタバレを含みます

    館シリーズ第2弾

    過去の事件とそれから1年後の現在を行き来しながら話は進んでいく。
    過去におきた嵐の中の転落、失踪と殺人事件、絵画の消失。そして、現在でも殺人事件がおこってしまう。私は読めば読むほど謎が深まるばかりでした。それだけに、島田潔により真相が明らかになる場面は一気に読んでしまいました。
    真相を知ると、もう一度読みたくなる。読み返してみると、何気なく読んでいた文章の意味が、さらに深いものになっている。違うものになっている。あぁ、、、そういう事だったのか。ため息が出る。

    建築家中村青司の設計した『水車館』藤沼紀一の描いた『幻影群像』どちらもこの殺人事件をさらに不気味に、そしてどこか幻想的な物にしている。無いのは百も承知だけど、見てみたいわー

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    投稿日:2024.04.22

  • ミサト

    ミサト

    過去と現在を頻繁に行ったり来たりする構成だけど、上手く読者が知りたい順になってるので、混乱せずにどんどん読める。
    真相にはそんな馬鹿なと驚いたけど、読み返すと確かに矛盾がない。この形式で読者を信じ込ませたうえで、こんなトリックを使えるのは本当に見事。続きを読む

    投稿日:2024.04.21

  • marix27

    marix27

    読もうと思っていた館シリーズ2作目。
    私とちょうど同い年くらいの作品なのに、やっぱり面白い!!
    事件の真相が語られる場面からは一気読みだった。次作も楽しみ。

    ✎︎____________

    不幸というのはーーー
    往々にして、そういったありえないような偶然の結果としてあるものだ(P139)
    続きを読む

    投稿日:2024.04.18

  • がぴー

    がぴー

    何年ぶりか忘れたくらいの再読。
    十角館と打って変わって、終始重く暗い雰囲気で進む。
    2つの時系列が並行して進むことで、事件の全貌や複線がわかりにくくなるが、トリックとしてはシンプルなものとなっている。

    読者に対してもフェアである印象で程よく読みながら推理できる。
    続きを読む

    投稿日:2024.04.15

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