【感想】【カラー版】アヘン王国潜入記

高野秀行 / 集英社文庫
(127件のレビュー)

総合評価:

平均 4.3
49
50
13
1
0
  • 世界的スクープといっていい探検記

    驚き、まあいつも筆者はそうだが、の紀行文だ。
    半年の潜入記となるとそうはチャレンジする作家はいないだろう。
    そして常に辺境に住む人たちへの眼差しは
    愛情に満ちている。

    投稿日:2016.02.21

  • 異文化体験!

    高野秀行の本の中でも、最も気合いの入った本でしょう。
    少しちゃらいところはありますが、そういうところは読み飛ばせば、1級品の探検記です。
    アヘンには興味のきょの字もありませんが、楽しめました。

    投稿日:2014.05.27

  • 微笑みの国ミャンマー

    各地で出会うバックパッカーが口々に「ミャンマーはいい、絶対に行け」というので、航空券とビザを用意するついでに購入した本の中の一冊です。単行本、文庫本、電子書籍と合計三冊も購入したのですが、著者のミャンマー愛が伝わってきて何度でも読み返してしまいます。
    他に買った本は軍事政権を批判する日本の学者、イギリスの研究者、亡命ミャンマー人なので、ミャンマーの魅力は全く伝えようという気がないのですが、この本は違います。他の本だけなら私のミャンマー旅行は疑心暗鬼に満ちていたでしょうが、実際のミャンマー人は恥ずかしがりだけど親切で笑顔の素敵な人達でした。
    ありがとう、高野さん。
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    投稿日:2015.09.27

ブクログレビュー

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  • コナン.O.

    コナン.O.

    高野秀行(1966年~)氏は、早大第一文学部仏文科卒。早大で探検部に所属し、大学在学中に探検部での活動をまとめた『幻の怪獣・ムベンベを追え』で作家デビュー。その後も多数のノンフィクション作品を執筆し、2013年に『謎の独立国ソマリランド』で講談社ノンフィクション賞、2024年に植村直己冒険賞を受賞(探検家・山田高司と共同)。
    私はノンフィクション物を好み、冒険家・探検家が自らの体験を記録したノンフィクション作品もしばしば読む。具体的には、古くはスコットの南極探検を描いたガラードの『世界最悪の旅』から、植村直己、角幡雄介、石川直樹等の著書までだが、高野秀行に関しては、気にはなっていながら、著書を読んだのは今回が初めてである。
    本書は、1995~6年に7ヶ月間、世界最大のアヘン生産地と言われる、ミャンマー、タイ、ラオスに跨る「ゴールデン・トライアングル」の中でも、その中心地であるミャンマーの中国国境地帯にあるワ州に、高野氏が単身滞在した記録である。ワ州は、反政府ゲリラ・ワ州連合軍が支配し、100を超える少数民族が存在して「東南アジアのユーゴスラビア」とも呼ばれるミャンマーの中でも、ヤンゴンの中央政府の権力が全く及んでいない地域で、無法地帯とも言われているという。(近年は状況が変わっているらしい)
    本書を手に取るとき、普通の人であれば、まず、「何故、こんな場所に7ヶ月も滞在したのか(そして、それを本にしたのか)」が気になるものだが、それは、高野氏が、「誰も行かないところへ行き、誰もやらないことをし、誰も書かない本を書く」ことをポリシーとする中で、20世紀も終盤になって、それに値する“地理的な”未知の土地は地球上にほぼなくなってしまい、残るは“政治的な”或いは“精神的な”秘境しかないと考え、その象徴がゴールデン・トライアングルだったからなのだという。そういう意味で、高野氏は本書を自らの「背骨」になる仕事と言っているのだが、一方で、そのハードさのあまり、当初はなかなか評価されなかったとも語っている。(現在では高野氏の代表作の一つと認識されていると思うし、それ故に私は手に取ったのだが)
    この、高野氏のポリシーは、いわゆる「冒険ノンフィクション」を書く作家に共通するものであるが、同様に、現代においては地球上に地理的な未知の土地はなくなったという事実も共通の認識で、角幡氏なども、「冒険とは何か?」、「ノンフィクションとは何か?」と自らに問い、それに関する著書も出している(『新・冒険論』等)。そういう観点では、高野氏と角幡氏の対談集『地図のない場所で眠りたい』もぜひ読んでみたいものである。
    読後に強く印象に残ったのは、反政府ゲリラが支配する麻薬地帯という、極めて物騒なイメージとは裏腹に、ここには(にも)普通の人びとの普通の生活が存在するという、当たり前のことであった。そして、もう一つは、民族というものの考え方の難しさで、ほぼ単一民族である日本人には実感が湧きにくいが、これは、世界各地で止まらない国家・民族・宗教間の対立の最大の原因の一つである。
    また、本書のアプローチについては、高野氏は、自分の好奇心はジャーナリズム的な関心と重なるところがあり、一時期そちらに傾倒したが、多くのジャーナリズムは上空から森を眺めているのであり、自分は「一本一本の木を触って樹皮の手ざわりを感じ、花の匂いや枝葉がつくる日陰の心地よさを知りたかった」ので、結局、対象により近く、より長く接するような手法を取るようになったという。今般のワ州滞在が長期に及んだ(普通のジャーナリストならせいぜい4~5日。現地人からは、外国人が7ヶ月も滞在するのはギネス記録だと言われたそうだ)のは、そうした背景があってのことだ。私はジャーナリストが書いたものを好んで読むし、それは今後も変わらないが、高野氏のようなアプローチだからこそ書けるもの、そして、面白いものがあることを改めて感じた。
    (2024年5月了)
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    投稿日:2024.05.10

  • けんた

    けんた

    筆者が7ヶ月間の内に体験した、ケシの種子まき→収穫→アヘン中毒→離脱症状をお話の軸として、なにゆえアヘン栽培地域となったのか?現地の人々はどのような人達なのか?などまとめてあります。読み終えて奇跡として表現しても差し支えない期間に入国できたんだなと思いました。続きを読む

    投稿日:2024.05.07

  • 寄せ鍋

    寄せ鍋

    旅行記としても政治学的資料としても、あるいは単におもしろい読み物としても、この本は超オススメである(デイリー・ヨミウリ紙)
    文庫版あとがきより

    ーーーーー

    本当にその通りだと思う。

    絶対に自分には真似の出来ない行動をしてくれて伝えてくれてる。
    そんな場所があって、そんな生き方をしている人たちがいるのね。知れて良かったありがとう。
    世界は広く、おもしろい。
    なんてくらいの稚拙な感想しか言えないことが口惜しい。

    高野秀行氏の著書はこれが初めてなのだけど、他もいろいろ読んでみよう。
    続きを読む

    投稿日:2024.04.29

  • 宝島

    宝島

    記念すべき私の初めて読んだ高野秀行作品。浮世離れしたワ州と著者の行動力に圧倒された。これを読んで以来、著者の他作品を読むようになった。

    投稿日:2024.04.24

  • ちーちーまるお

    ちーちーまるお

    すごくニッチなジャンルのお話でしたが、臨場感溢れる文章。人間味溢れる行動。どれをとっても惹き付けられてしまう内容でした。自分がこれから生きていても恐らく体験出来ないであろう世界に少しでも触れることができた良い機会になりました。
    ありがとうございました!
    続きを読む

    投稿日:2024.04.17

  • カズ

    カズ

    イラン水滸伝から高野秀行作品を読むようになって、今ではすっかり高野秀行ファンになっている。
    自分にはいろんな意味(モチベーション、勇気、体力、時間、お金)で経験できないことを、高野さんは経験し、それを本という形で表現してくれる。まさに本の醍醐味である。この作品は現実の世界での実際の体験記なのだが、今自分が生活している世界からかけ離れすぎていて非常にシュールなのである。日本人がこれまで行ったことのない、ミャンマーのワ州僻地にあるアヘンを栽培している村に長期間滞在して、自分もアヘン中毒になってしまう。現実は小説より奇なりであるが、ノンフィクションは現実より奇なりである。著者はどうなってしまうんだろうとワクワクドキドキさせるエンターテイメントであり、世界にはこんなところもあるんだとか、ミャンマーの歴史ってそうだったのかなど勉強にもなる作品である。続きを読む

    投稿日:2024.04.04

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