【感想】「ものづくり」の科学史 世界を変えた《標準革命》

橋本毅彦 / 講談社学術文庫
(19件のレビュー)

総合評価:

平均 3.9
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  • ものづくりの「はてしない物語」を感じさせてくれる本。

    「互換性と標準化」という、裏方な技術(思考?)を題材としている本です。そのためか、世界大戦やT型フォードの登場といった表側のイベントの、新たなつながりが見えてくるような本でした。

    本書には、互換性・標準化が求められることになった背景や、それを人々に痛感させることになったエピソードが数多く登場します。また、互換性や標準化が進んだからこそ可能になった、後のエピソードの存在も語られます。

    読んでいて、「このエピソードはどんなだったのだろう?」「この技術の詳細はどうなんだろう?」と、本書の周辺が次々と気になってくる、そんな本でした。
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    投稿日:2013.10.20

ブクログレビュー

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  • planets13

    planets13

    戦争によって一時に大量に必要とされたことが大きなキーポイントとなったのがよくわかる。工程を単純作業へ落とし込んだこと (高技能を必要としなくなること)、大量生産と大量消費による環境負荷など、いいことばかりではない点は不明瞭と言わざるを得ない気がする。続きを読む

    投稿日:2023.12.24

  • 村民

    村民

     互換性、ひいては標準の歴史を辿った本。「部品単位で替えが効く」というのは現代では当たり前のことだが、ほんの200年前には、見た目は同じ製品でもネジ1本使い回すことができなかった。当時は部品ごとにヤスリがけをしてうまく組み立てるのが当たり前だった。
     戦争をきっかけに互換性が実現し始め、さらには同一製品どころか別々の製品間での互換性、標準規格までもが制定されるようになる。アメリカでは機械化により職人たちが解雇されたり、イギリスでは一旦推し進められた機械化から職人による手作りに逆戻りしたり、その過程は一筋縄ではいかなかったようだ。タイトルに「科学史」とあるが、おおよそ現代の300年前から話が始まるのでとっつきやすいと思う。
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    投稿日:2021.10.21

  • emfuj1

    emfuj1

    本屋で見かけて購入。技術の標準化の歴史。1番おもしろかったのは18世紀フランスで兵器の互換性を確保する話。2番目は19世紀アメリカで工作機械が発達し互換性技術と大量生産システムが確立したという話。意図を持って取り組んだ人々が詳しく描かれていて感銘を受けた。世界史と連動していてわかりやすかった。
     
    標準化のデメリットも触れられていてなるほどだった。市場の嗜好への適応性に欠ける(フォードとGM)のと、性能を最大限活かした設計を失うこと(木村秀政の独米比較)。
    続きを読む

    投稿日:2017.07.30

  • sistlib

    sistlib

    ★科学道100 / まるで魔法
    【所在・貸出状況を見る】
    http://sistlb.sist.ac.jp/mylimedio/search/search.do?target=local&mode=comp&materialid=11330206続きを読む

    投稿日:2017.07.05

  • コジコジ

    コジコジ

    産業技術史のなかで「標準化」「互換性」に焦点を当てたユニークな書籍。ネジの規格からインターネットの通信方式まで、様々な標準化と互換性の事例を挙げる。

    成熟経済では差別化と独自性が競争力の源泉だが、萌芽段階では如何に爆発的普及をさせ市場を創るか、つまり製品の標準化と互換性が欠かせない。産業革命後は自然発生的に標準化が進んだように思っていたが、個々人の癖や好みの違いを意図的に統合する挑戦者たちの様はなかなか興味深い。いまでこそISOなどの国際規格が普及しているが、近代化初期の過渡期においては、優劣の問題もあり、覇権争いが極めて熾烈であったろうことが容易に想像できる。まずネジのデジュールスタンダードから始まった歴史が、国家の主権が強くなる一方で経済はシームレスになっていくにつれ、意図的もしくは結果的なデファクトスタンダードに移っていく様がよく理解できる。続きを読む

    投稿日:2017.01.18

  • totssan

    totssan

     非常におもしろい科学史としても楽しめた。エジソンVSテスラのDCACバトルや、もっと前のねじ規格の話、現在のビジネス視点からみた規格の世界の話。いずれも興味深く、身近な事実として把握できる。
     いまだSI単位系を使わない某国もあるが、標準の意義を考えてもらいたいぞ、とか思ったりする。本書を読んで、ますますそう思うようになった。本書には出てこなかったが、電池の世界も標準化が広く浸透している分野と思われる。この話も盛り込んでもらいたいところ。続きを読む

    投稿日:2015.03.26

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